木は倒れないように引っ張っている。
ロープはガードレールに固定
ロープワークも見事、この結び方はテントの張り綱と同じで、締めることはできるが緩むことはない。
切り倒す準備は大方できた。
最後は慎重に手作業
木はその場にすとーんと落ちた。
木の重心を考えて引っ張らせているので倒れることはなかった。
上の方は隣の桜の枝に引っ掛かっている。
その切り口たるや水平で見事としか言いようがない。
立てた状態でさらに短く切っていく。
最後はロープでコントロールしながら木を倒していく。
しかも一人で
木はゆっくりと倒れていく
お隣の家や周囲のツツジを傷めることなく
お見事としか言いようがない。
切り倒した幹を切り分けて
事故や怪我もなくすべて終わったと思ったら
彼は借りた道具の手入れも怠らなかった。
箒で木くずを落とし
雑巾できれいに拭き上げた。
彼は大きなプロジェクトを完璧にやり終えた。
傍で一部始終を見ていた私の頭の中では、中島みゆきの「ヘッドライト・テールライト」が静かに流れていた。
－ＥＮＤ－
隣のおばあちゃんがとても喜んでくれた。
「おかげで日当たりがよくなりました」と。
同じように、桜やツツジも感謝していることだろう。
