次のお話です。
「学校臨床における愛着と心的外傷の問題」 より
新村信幸 氏
(中学校・高等学校 教育相談室 臨床心理士)
2015年9月の講演
最近の学校臨床の印象のお話の後、
「愛着」についてのお話がありました。
〇ジョン・ボウルビイ
愛着理論
①愛着(アタッチメント)とは
乳幼児が養育者に対して示す持続的で情緒的な絆
*愛着行動システム:
不安を喚起する危機的状況において
特定の対象へ近接して安全を確立するシステム。
・愛着のパターンはおよそ3歳ぐらいまでに形成される。
②内的作業モデル
乳幼児期に獲得した愛着のあり方が対人関係の基礎となる。
(自己や他者、世界に対する基本的感覚の基礎)
〇メアリー・エインスワース
①安全基地
養育者(母親)を安全な補給基地として探索を行う。
安全基地が内在化すれば1人でいられるようになる。
②ストレンジ・シチュエーション法(SSP)
乳児を不安にさせる養育者との分離・再会パターンを測定
Aタイプ(回避型)
・分離時に抵抗・混乱しない。
・再会時に接触を求めない。
・安全基地として養育者(母親)を求めない。
→心地よさや世話を求めることをあきらめてしまっている。
*Aタイプの養育者
情緒表現の抑制
身体接触の嫌悪
子どもを統制する
Bタイプ(安定型)
・分離時に多少の抵抗・混乱を示すが、
再会時に積極的身体接触を求め、
すぐに安穏化する。
・養育者(母親)を安全基地として探索行動を行う。
*Bタイプの養育者
情報交流や身体接触を肯定的に楽しむ。
子どもに協力する。
Cタイプ(抵抗ー両価型)
・分離時に非常に強い抵抗・混乱を示す。
・再会時には身体的接触を求めると同時に強い怒りを示す。
・養育者を安全基地としての探索行動ができない。
→怒りっぽい乳児:再会時のしがみつきと癇癪
→受動的な乳児:再会時にも呆然としている
*Cタイプの養育者
子どものシグナルに鈍感
自分の気分や都合での養育
Dタイプ(無秩序―無方向型)
・反応がバラバラで愛着が組織化されていない。
・虐待や不適切な養育が疑われる。
・通常集団の15%、被虐待児の80%
〇まとめ
・愛着は乳幼児期の早期関係において形成される。
・愛着は個人の
自己イメージ(自己肯定感や自己否定感)や
対人イメージ、対世界イメージの基礎を作る。
→自分や他人、自分の生きている世界を
肯定的にみるか否定的に見るかの基本的イメージを構成
・愛着形成には、乳幼児と養育者の
コミュニケーションの質(ex.適切な情動調節など)
が重要なポイント
・よい愛着形成←養育者が心理的に安定していること
・形成された愛着のあり方は
乳児が成人し養育者になるとき、
自分の子どもを養育するあり方に深くかかわる。
→親の愛着パターンが子どもの愛着の形へ影響する。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
『小さいころは特に、しっかり愛され、守られないとね』
そうだね。
少し前のマリン画像です。
ブラインドの隙間から物憂げにこちらを見るマリン。
(2016年 2月下旬 朝 撮影)
「学校臨床における愛着と心的外傷の問題」 より
新村信幸 氏
(中学校・高等学校 教育相談室 臨床心理士)
2015年9月の講演
最近の学校臨床の印象のお話の後、
「愛着」についてのお話がありました。
〇ジョン・ボウルビイ
愛着理論
①愛着(アタッチメント)とは
乳幼児が養育者に対して示す持続的で情緒的な絆
*愛着行動システム:
不安を喚起する危機的状況において
特定の対象へ近接して安全を確立するシステム。
・愛着のパターンはおよそ3歳ぐらいまでに形成される。
②内的作業モデル
乳幼児期に獲得した愛着のあり方が対人関係の基礎となる。
(自己や他者、世界に対する基本的感覚の基礎)
〇メアリー・エインスワース
①安全基地
養育者(母親)を安全な補給基地として探索を行う。
安全基地が内在化すれば1人でいられるようになる。
②ストレンジ・シチュエーション法(SSP)
乳児を不安にさせる養育者との分離・再会パターンを測定
Aタイプ(回避型)
・分離時に抵抗・混乱しない。
・再会時に接触を求めない。
・安全基地として養育者(母親)を求めない。
→心地よさや世話を求めることをあきらめてしまっている。
*Aタイプの養育者
情緒表現の抑制
身体接触の嫌悪
子どもを統制する
Bタイプ(安定型)
・分離時に多少の抵抗・混乱を示すが、
再会時に積極的身体接触を求め、
すぐに安穏化する。
・養育者(母親)を安全基地として探索行動を行う。
*Bタイプの養育者
情報交流や身体接触を肯定的に楽しむ。
子どもに協力する。
Cタイプ(抵抗ー両価型)
・分離時に非常に強い抵抗・混乱を示す。
・再会時には身体的接触を求めると同時に強い怒りを示す。
・養育者を安全基地としての探索行動ができない。
→怒りっぽい乳児:再会時のしがみつきと癇癪
→受動的な乳児:再会時にも呆然としている
*Cタイプの養育者
子どものシグナルに鈍感
自分の気分や都合での養育
Dタイプ(無秩序―無方向型)
・反応がバラバラで愛着が組織化されていない。
・虐待や不適切な養育が疑われる。
・通常集団の15%、被虐待児の80%
〇まとめ
・愛着は乳幼児期の早期関係において形成される。
・愛着は個人の
自己イメージ(自己肯定感や自己否定感)や
対人イメージ、対世界イメージの基礎を作る。
→自分や他人、自分の生きている世界を
肯定的にみるか否定的に見るかの基本的イメージを構成
・愛着形成には、乳幼児と養育者の
コミュニケーションの質(ex.適切な情動調節など)
が重要なポイント
・よい愛着形成←養育者が心理的に安定していること
・形成された愛着のあり方は
乳児が成人し養育者になるとき、
自分の子どもを養育するあり方に深くかかわる。
→親の愛着パターンが子どもの愛着の形へ影響する。
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『小さいころは特に、しっかり愛され、守られないとね』
そうだね。
少し前のマリン画像です。
ブラインドの隙間から物憂げにこちらを見るマリン。
(2016年 2月下旬 朝 撮影)
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