つれづれまりん

いたずら白猫マリンの気ままな日常 を経て、
超いたずら 甘えん坊 ほぼ白猫 ハンニャの気ままな日常 へ

必要な支援

2019年10月19日 | 学習ノート3
前記事の続きです。(Part 4)

「虐待を受けた子どもの愛着をめぐって」 より
  増沢高 氏
  (子どもの虹情報研修センター 研修部長)
  2015年6月の講演


必要な支援


〇第1段階
 育ち直しの過程をさせる
①安心でき、生活しやすい環境の設定
・その子にとって不安や恐怖につながる刺激や場面の排除、
 その子にとって到底無理な活動の見送りの検討
・その子に適した予測可能な日課や課題の検討
②子どもとの関係の構築、良質な関係性の展開
・子どもの感覚に共感し、言葉を添え、世界を共有する
・肯定的メッセージを与える
・関係性へのアプローチ:PCIT
(Parent Child Interaction Therapy 親子相互交流療法)
③危機的状況に対する迅速な対応
・生命、身体的危険、人権侵害や迫害(いじめ)等の
 危機的状況から守る
・情緒的混乱等、心理的危機状態等への手立て
④生物学的課題への手立て
・医学的アプローチ、
 リハビリ 等
⑤心的課題への手立て
・損なわれた心的発達課題の再獲得
・心的外傷の後遺症の回復
・不適切な認知・行動パターンの修正 
 他
⑥人生の連続性の補償
・離婚、転居等による損失への手立て
・子どもの歴史を大切にする
 肯定的な思い出と
 心的トラウマ体験の扱い方
・人、居場所、ものなどの重要な対象をつなぐ

〇第2段階
 振り返りの過程を支える
①体験のまとまりと前思春期の認知発達の伴う
 自分自身や過去への振り返り
・振り返りによる戸惑い、混乱
・自己否定感、価値のない存在
 未来への展望の持てなさ、自暴自棄
②自己評価の回復と実存感の獲得
・未来に楽しみを抱けるような活動やかかわりの工夫
・現実を踏まえたうえで、
 よき家族への思い出、よいイメージのかけらを
 大切にし、紡ぐこと
・自分や家族への許し
 過去へのこだわりから未来志向へと
 心のベクトルが向かうように。 
(ex.自分にもこんなことができるんだ)
・援助者が希望を捨てないこと。
③歴史を紡ぎ、現実を受け入れる過程を支える
・自分と家族、過去と現実への振り返りを支える。
・被害者や恨みに焦点を当てすぎない
 過去と現実を収められるように
④外的体験に対する治療
(実施可能か否かの判断が重要)
・外傷的体験に根差した恐怖や不安等を克服する治療
・外傷的体験に伴う認知の修正を図る
☆治療が行えない場合も多い

〇第3段階
 将来に向け、生きる力を強化する
①自立に向けた体験の積み重ねとスキルの獲得
・様々な活動に挑戦し自信を深めること
・自立に向けた知識、社会的スキル、職業技能等の獲得、
②親になることを見据えた対応
・妊娠出産に関する情報の提供
・乳幼児のかかわり方についての体験や情報の提供
③地域での居場所の確保
・家族再統合の前に必要な、地域再統合
・思春期、青年期の子供たちの居場所づくり
・フォローできる体制の構築



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『慎重に慎重に支援していくんだね』

家庭や家族を支える地域や関係機関が
とても大事になってきますね。

(2019年 8月上旬) 








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