今年もまた、この日がめぐってきた。阪神淡路大震災から15年が過ぎた。我が家は、明石海峡を隔てて震源地の真向かいにありながら、神戸の他地域と比べれば、被害が少ないほうだった。震源域から少しはずれていたことと、地盤が比較的しっかりしていたおかげかもしれない。それでも、とつぜん地の底から突き上げるようなドーンという衝撃に目を覚ました朝からはじまるさまざまな経験は、いまだに身体の記憶から拭い去ることはできない。前日の夕方にも同じような大きな衝撃を受けていた。小さな地震だったが、その時は建設中だった明石海峡大橋に何らかの異変かあったのではないかと思った。だが、翌朝の大地震の前兆だったのかどうかは断定できないという。未曾有の大地震を契機として私たちが経験し、語り、調査し、解明してきたことを、単なる事実として記録するだけでなく、いま、この瞬間に起きるかもしれない災害のためにできるだけ役立ててほしい。震災から10年目を迎えようとしていた2004年の末には、新潟中越地区やスマトラ沖の地震で大きな被害が出た。今年も、5日前からカリブ海沿岸のハイチで起きたほぼ同じ規模の大地震が報じられている。15年前の経験を生かして、ただちに緊急の救援活動にのりだすと同時に、状況を十分に把握して復興支援を行うことが必要だ。だが、日本政府がどのような救援活動を行おうとしているのか、その初動に関する報道が少ないのが気がかりだ。
今朝、私は5時30分に目を覚ました。何事もなく過ぎてゆく5時46分。あらためて、いま、ここに生きている自分を存在せしめているものは何かを考えていた。
◆ 生きている限り (2004年12月29日)
◆ 災害と図書館 (2005年2月26日)
◆ シンポジウム「災害復興に役立つ情報活動とは」 (2005年3月19日)
◆ つながりを活かす学校図書館(震災復興を契機として学校図書館の再生をめざす) (2005年5月22日)
◆ 1.17 阪神淡路大震災を契機として学校図書館をどう再生したか (2006年1月17日)
◆ 諸行無常、それは生きる力の源 (2009年1月18日)
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