皆さん、明けましておめでとうございます。今年も皆さまにとって健やかで喜びの多い年でありますようにお祈り申し上げます。 私は今春66歳、定年退職後2年目を迎えますが、これからも皆さまのご厚情に支えられながら、自分に課せられた生き方を全うしたいと思います。
もりもりもりあがる雲へあゆむ 種田山頭火
12月26日の夜に旅先で見たNHKの番組でコピーライターの仲畑貴志氏が、これを山頭火の辞世の句として取り上げていました。(どの句を取り上げるかは、人によって違うようですが。)
「もりもりもりあがる雲」とは、入道雲のことでしょう。夏の句を年頭のご挨拶に取り上げるのはどうかと思いましたが、私の現在の心境をよく表しています。
酒も飲まず、定職につき、一見まじめに安定した人生を送ってきたかにみえる私ですが、なぜか山頭火の句に触れて共感し癒されることがよくあります。悔いても、悔いても、また悔いてしまう、とことん周りに迷惑をかけながら、人々の情けに助けられて生きている、そんなどうしようもない自分がそこに居る、という感じを抱き続けているところで基本的につながっているのだと思います。それでもなお、生きる希望を抱かせてくれるのは、夢でも野心でもありません。ふと出会った人や空や山や草木に心を奪われ、それらを通して自分に触れること、そして、行く手に「もりもりもりあがる雲」をみるとき、どうしようもなく、それに向かって歩みだしているのです。 こんな私ですが、今年もまた、どうか、よろしくお付き合いください。
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