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映画「ブラックブック』を試写室にて鑑賞。

2007-02-15 17:49:13 | Weblog
 1月25日、東芝エンタテインメント試写室にてポール・バーホーベン監督の最新作「ブラックブック」を鑑賞した。
 この作品は「4番目の男』以来バーホーベンが23年ぶりに祖国オランダで撮られた作品で、前作「インビジブル」から6年ぶりの作品である。

 さて映画の話、第2次大戦中のナチス・ドイツ占領下にあるオランダ。若く美しいユダヤ人歌手ラヘルは、何者かの裏切りによって家族をナチスに殺されてしまう。ラヘルは復讐のために名前・容貌を変え、スパイとしてドイツ諜報部の将校に近づくが、次第に彼を愛するようになる――。

 映画を見る前は宣伝コピーの「スピルバーグの『シンドラーのリストポランスキーの『戦場のピアニスト』そしてバーホーベンの『ブラックブック』遂に登場!」と書いてある文を読んで、「バーホーベンが小難しい戦争を舞台にした文芸作でも撮ってしまったのか。」と落胆をしたが、映画が始まりその不安は一瞬で吹き飛んだ。
 オープニングから爆撃機で家は木っ端微塵になるし、ドイツ軍の容赦ない襲撃、スパイになった主人公の潜入活動、レジスタンスとドイツ軍の戦い、裏切り者の暗殺など、ハラハラドキドキの連続で、本作は戦争を舞台にした娯楽作という事に気づく。

 とにかくバーホーベンの演出が冴えている、気を抜いたところに突然ドイツ軍が現れたりで、ハリウッドで身に着けたドハデなアクションとヒッチコックばりのサスペンスが偉観なく発揮されている。そしてバーホーベンお得意のエロスとヴァイオレンスも健在で6年間のブランクを感じさせない作品。
 映画には、死体から金品を剥ぎ取るドイツ兵、路上の食べ物に群がる子供達、殺人の罪を苛まれるレジスタンス、ドイツからオランダに寝返る将軍と秘書など、実際に少年時代に戦争を体験した醒めた視線で反戦のメッセージも込められている、第一級のサスペンス・エンタテインメント作品。

 早くも今年のベスト10入り間違えない作品に出会ってしまった。

 本作はアカデミー外国語作品賞にもノミネートされている、ぜひ受賞してバーホーベンラジー賞ではなく、オスカーを手にしている姿を見てみたいものだ。

 映画「ブラックブック」のポール・バーホーベンの監督作品はコチラをクリック。
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映画「不都合な真実」を鑑賞。

2007-02-15 00:35:57 | Weblog
 11日、TOHOシネマズ川崎にて「不都合な真実」を鑑賞した。
 この日はエコサンデーというスポンサーの付いた上映でチケットはインターネットで予約して¥500、私がネット予約で購入した映画の鑑賞料金では最安値、そういう事でチケットはあっという間に売切れてしまうプラチナチケットで最前列まで満席の大盛況。映画の興行でも革命的な料金設定であり、現在一律の映画料金の風穴を開ける素晴らしい興行で、今後も年数回このような上映があると嬉しい。

 映画の話
 アメリカの元副大統領アル・ゴアが、温暖化へと突き進む地球を憂い、温暖化によって引き起こされる数々の問題を説く。

 アル・ゴアの作った地球温暖化を扱ったドキュメンタリー作品と言うことで、見る前は堅苦しい作品かと思っていたが、映画は観客を集めたオープンセミナーを収めたフィルムをメインステージにし、時にはアニメやCGを盛り込んでのトークショーでゴア氏の観客に向けてユーモアを交えて真摯に話す姿が映し出される。

 地球温暖化を観客に判りやすく説明する為に、過去に撮影された世界各地の名所を現在撮影された写真と比較したり、「シンプソンズ」風のアニメや、海を泳ぎ渡る白熊のCGなど、とても判りやすい。中でもカエルのアニメが現在の地球の姿を端的に捉えていて、カエルは沸騰したお湯に入れると熱さに気づいてスグに飛び出すが、ぬるま湯から熱してゆくとカエルは熱さに気づかずそのまま沸騰するまでお湯の中で死んでしまうと言うアニメ。現在の地球の状態は、このアニメのカエルと同じ状況だと言う。うーん、正にその通り。

 映画には、地球温暖化の危機を訴えるゴア氏を非難するブッシュ政権や、ゴア氏の姉や息子などの家族の話など、ゴア氏に対する負の部分も描かれていてる。

 映画の感想
 興味深い内容だった。それにしてもゴア氏は老けたし太ったね。映画を見ていると自分もゴア氏の講義を聞いている錯覚を覚える。学生たちはぜひ見に行く作品で学校で上映会を開いて見せてあげるべき作品である。中でも一番びっくりしたのは、本作のプロデュースがタランティーノ作品のプロデューサー、ローレンス・ベンダーだったという事、まぁ彼は「グッド・ウィル・ハンティング」などもプロデュースしているので結構哲学的な人物かも知れない。それから、ゴア氏はインターネットが好きだね、車や飛行機の移動時間は常に何かを検索していたのが印象的だった。

 でも本作を見て誰でも思う事は、「あの時選挙でゴア氏が当選して大統領になっていたら今のアメリカはどうなったのかな?」ってことだろう。