拝島正子のブログ

をとこもすなるぶろぐといふものを、をんなもしてみむとてするなり

アニメや映画に見るロボット、サイボーグ、A.I.

2024-07-03 10:54:13 | 音楽

昨日、アニメ主題歌の話をしたので、今日も引き続きその話から。「エイトマン」の主題歌は、トランペットの咆哮で始まる。これがたいそう奇っ怪である(楽譜は、横野君に耳コピで作らせた)。

何調だか分からない。それが、4小節目から歌が入ると、

ようやくヘ長調だと分かる。このトランペットの後のヘ長調がいかにも唐突な感じがしたのだが、トランペットのシ♮を、歌の最初の音のドの導音だと思えばつながる。この後、5小節に渡ってまだイントロが続き、その間、「エイト!」のかけ声が繰り返されるのだが、耳をすますとその背後でヴァイオリンの16分音符が躍動している。これがたいそう出色である。さらに、本編が始まった後は、同じヴァイオリンが、今度は一転して長い音符で歌を支えるがこれも出色、素晴らしいアレンジである。世の中に才能とはあるものである。

ところで、殉職した警官の再生がエイトマンと言えば、ロボコップとそっくりである(エイトマンの方がずっと先)。だが、エイトマンはロボットでロボコップはサイボーグ。違いの所以はこう。エイトマンは警官の記憶をロボットの電子頭脳に移したから100%機械であるのに対し、ロボコップは警官の生体をベースにしているからサイボーグなのである。Ma(イタリア語。日本語でも同義)、ロボットと言っても、人間の記憶で動いてるからエイトマンの考え方は人間のそれである。

それに対し、鉄人28号となると、これはもう120%ロボットで、操縦機の指令のまま動く。「いいも悪いもリモコン次第」(主題歌より)。だから「敵に渡すな大事なリモコン」(同)なのである。

これが、同じ横山光輝原作でも「ジャイアントロボ」となると、最初にその声をインプットした大作少年の言うことしか聞かないから安心である。なんと、半世紀前に声認証によるセキュリティ対策があったわけである。だが、最終回で悪の権化をやっつけるとき、ジャイアントロボは大作少年の命令を無視して自分の判断で動いた。現在のA.I.の走りである。因みに、「ジャイアントロボ」の主題歌を歌うのはぶっとい声の男声合唱であった。

そもそも善悪の判断を自分ですることを売りにしてるのが鉄腕アトムである。すると、もはや人間はいらなくて、A.I.だけになると言ったらそれは映画「A.I.」がたどり着いた世界である。その点を怖い、と思う人もいる。現在の戦争では、A.I.の分析に従いながらも攻撃の最終決定は人間がしているが、決定さえもA.I.がするようになるのだろうか。思い出すのが「ロボコップ」の冒頭。試作品のロボットがその場にいた人間を撃ち始めたのに誰も止められない様は恐怖であった。

だが、怖がってばかりでは進歩はない。こないだ、サンデーモーニングにソフトバンクの孫さんが出てきて、日本が停滞したのは、(専門家と称する輩やメディアが)「知りもしないのに」「上から目線で」「IT等の新しい技術を否定した」からだと言っていた。そう言えば、ドローンが世に現れたときも、日本では「そんな危ないモノは止しましょう」と言う議論が多かったように記憶している。日本人は「怖がりのDNA」を持っている人が多いのだそうだ。因みに私も、怖がりのDNAを持っているのだろうけど、何かを始めるときにそれが出てこなくて、やってから思い出したように出てくる変異型である。だから、人生、考えなしにいろいろ初めては失敗ばかりしている。