拝島正子のブログ

をとこもすなるぶろぐといふものを、をんなもしてみむとてするなり

崖を愛す(山手線から見る凸凹)

2024-07-04 11:26:27 | 地理

奥地に行くときは都心を通る。地方間を走るトラックが途中に首都高を経由するのと同様である。ただし、私は電車を乗り継ぐから首都高には乗らず、これまでは地下鉄を乗り継いでいた。一番安いからである。だが、先週のように、1週間に三度も通ったりすると、時間が一分でも短い方がいい。ということで、山手線を使ってみたらあなたこれが面白い。西日暮里から高田馬場間なのだが、凸凹、すなわち、台地と谷間の連続である。例えば、山手線の内側の家々の建ってる地盤を見ると、西日暮里から田端までは断崖絶壁の上。

上野台地である。これが、田端を過ぎると、下り坂でだんだん低くなっていって、

駒込の商店街は完全に谷間。

ところが、そのすぐ後、駒込駅が近づいてくると今度は上り坂になり、

再び、台地の上に乗っかった格好になる。本郷台地である。ところが、巣鴨を過ぎてしばらくすると、台地がいきなり崖で断ち切られる(下の写真の中央あたりで緑に被われた台地が崖で終わり、谷間に白い建物が建っている)。

そして大塚駅に着く。この凸凹は見て決して飽きるものではない。

ところで、台地の始まりや終わりの多くは坂道。だが、本郷台地の終わり(一つ上の写真)はいきなりの崖。これは萌える♥ 現場に行って、近くこの目で見たいというのが人情である(賛同する人がほとんどいなさそうな人情である)。よし、行こう(スーパージェッターは、愛機「流星号」が到着すると、「来たな!よし、行こう」と言ったものである)。

というわけで、大塚駅で下車し、線路沿いを巣鴨方面に戻る(今回の徒歩旅のルートの概略は冒頭の図に記した)。ま、さすがに、全部が崖だと、台地と谷間の間の移動ができないから、ところどころに坂道がある。下の写真は件の崖から数十メートル南に行ったところの坂道である。

なかなか急で、先は台地の上であることを感じさせる。だが、本日の私の目的は台地の上に上ることではない。本郷台地と白山台地(本郷台地の分岐したもの)の縁=崖下をぐるっと回ることこそ私が自らに課したテーマである。ということで、崖に沿って南方面(山手線の中の中心方面)に向けて歩く。途中、小石川植物園の塀沿いを歩く。

ここは、以前、このあたりの台地を(今回とは異なり)東西につっきったときも出くわした場所である。さあ、そろそろ地図では白山台地の先端だが、おお!うれしいことに、ここも崖になっている。

崖こそが端っこにふさわしい。縁の在りかが明瞭になる。二つもの崖(先ほどの電車の車窓から見た崖とこの崖)が見られてこの日は大収穫。人生の喜びをかみしめた。この後、きびすを返し、北向きに進路をとり、巣鴨駅にたどり着いてそこから山手線に乗り帰宅。東西の移動距離は大塚駅と巣鴨駅間のわずか2キロ程度であるが、歩いた距離はその何倍もある。気温の暑い日で、お上が「不要の外出は控えましょう」と呼びかけてるなか、この日の外出は、私にとっては、「必要」な外出であった。