拝島正子のブログ

をとこもすなるぶろぐといふものを、をんなもしてみむとてするなり

高等遊民

2024-01-17 11:25:42 | 日記

夏目漱石の「それから」の主人公って、最高学府を出て(小説には「東京帝国大学」の「と」の字も出てこないけど、Wikipediaにはそう書いてある)、まだ30歳なのに仕事をしないでぶらぶらしてる。もっぱら親からもらうお金で暮らしている。そりゃ今でもそういう人がいますけど、そういう場合、親と同居するわよね。でも、代助(主人公の名前)は一軒家に住んで、書生もお手伝いさんもいる。こういうのを「高等遊民」って言ったんですって(ユーミンのことではない)。うらやましい身分よね。考えてみれば、最高学府を出る人ってだいたい良家の子女だから(これは今も一緒)、親は金持ち。だから親のお金を当てにできる。筋が通ってる。え?お前も、仕事をしないでぶらぶらしてるって?あらやだ。あたしを一緒にしないで。あたしは今では立派な「高齢者」。それに、家のことから猫のことからぜーんぶ一人でやってる。しかも、代助は外出するのにときどき車を使うけど、あたしはいつも歩き。因みに、漱石の時代の「車」って人力車なのよね。で、車をひくのが車夫なんだけど、漱石の登場人物は車夫を「下等」と言ってバカにするの。失礼しちゃう。こういうところが鼻につくのよ。裸になってごらんなさい。同じだから。つうか、車夫の方がよっぽどたくましくてかっこいいから。



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