拝島正子のブログ

をとこもすなるぶろぐといふものを、をんなもしてみむとてするなり

百科事典

2024-09-29 07:03:49 | 言葉

あさイチに登場した木村カエラが歌う新曲の歌詞に「Wikipedia に乗ってる情報 名前の由来違ってんぞ」という箇所があった。一般論かと思ったらそうでなくて、ご本人の「カエラ」という名前についての話らしい。ウィキペディアにはヘブライ語がどーのこーのと書いてあったが、真相は、単にご両親が変わった名前をつけたいと思ってつけた名前とのこと。

私、木村カエラがそう歌うのを聞いたからではなく、その前からウィキペディアは決して見ないことにしている。何処の誰が書いたか分からない記事など、木村カエラの名前の件に限らず信憑性が疑われるからである。ググると、いまだにウィキペディアの記事が上位にヒットするが、ずっと見ないでいれば、そのうち、私のパソコンには表示されなくなるだろうか。そうなるまでがんばろうと思う。

その代わりに、調べ物は20年前に買ったシャープの電子辞書のブリタニカでするようにした。人が書いたものには違いないが、少なくともこうした百科事典は文責が明らかだろうからより信用できる。因みに、私が子供の頃、愛用していたジャポニカ(小学館の大日本百科事典)を最近見てみると、例えば、バロック音楽の解説を皆川達夫さんが書いてたりする。時は1970年前後である。皆川先生はこの頃から先生だったんだなー、と思う。

ただ、私の電子辞書のブリタニカは解説が短い。紙のブリタニカは全35巻というから、前記のジャポニカが全18巻(加えて地図等のおまけがあって合計24巻だったと思う)で解説の分量が相当なものだったことを鑑みると、もっと解説が長いはずなんだが、電子辞書に掲載したものは短縮版なのだろうか。

その全18巻のジャポニカこそが、私の脳内の雑学のほとんどのネタ元である。音楽のことも、エンジンの作りも、大人が教えてくれない性知識も、すべからくジャポニカで仕入れた。今の人がネットサーフィンをするように、小学校高学年の私は、一つの情報について調べ始めると、関連項目を次から次へとひいていって、床はその日開いた巻でいっぱいになり、それを箱カバーに戻すのが日課となった。言うなれば「紙サーフィン」である。マリア・カラスの情報も載っていた。ショートカットでえらく赤い口紅を付けた写真が怖かった印象と共に今でも脳裏に浮かぶ。ジャポニカを揃えてくれたことについては母に感謝である。数年前に初めて聞いた話なのだが、百科事典を買うことに父は反対していたという。父の言いなりになる母であったが、このことについてはよくぞ貫いてくれたと思う。

そのジャポニカだが、実家にあったもののほか、私は自分の所帯を持ってから同じものを揃えている。全巻の古本が5000円くらいで売られていたのに飛びついたのである。実家のが残っていれば相続して2セットあっておかしくないのだが、第22巻の日本大地図と第23巻の世界大地図以外まったく見当たらない。2セットとも資源ゴミに出したのだろうか。ありうる。私、ときどき断捨離熱が出て、そのとき犠牲になったのかもしれない。だが、もし残っていたとしても、1970年までの情報だから相当古い。だが、当時、どのように解釈されていたかを知るのも一興である。押入のどこかに隠れてないかしらん。もし出てきたら机の周りにぐるっと置いて、半世紀前に戻って紙サーフィンをしたいところである。



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