拝島正子のブログ

をとこもすなるぶろぐといふものを、をんなもしてみむとてするなり

仙人に指揮者は無理

2024-02-17 11:43:47 | 音楽

チコちゃんで指揮者の話をしてた。いろんな指揮者の指揮姿が映ってパネラーの誰かが「やってみたい」って言ってた。そう、ああいうの見ると、やってみたくなるのよね。音楽横好きの横野好夫君も、ご多分にもれず、中学校の文集に「将来、指揮者になる」って書いてて、で、実際、高校の吹奏楽部でも大学の合唱団でも指揮者をやったんだけど、でも、半世紀経った今は、絶対やだって言ってる。一つは、人前で手なんか動かすより、自分で歌ったり演奏したりの方がいいっていうのと、あと、指揮者ってたくさんの人をまとめあげて一つの方向に導くのが仕事でしょ?横野君、そんな大変で面倒臭いことは絶対やりたくないんだって。そういうのが向いてるのは「オレについてこい」風で、集団の先頭を風を切って走るような人であって、横野君は自分はそうじゃない、っていうの。たしかにね、横野君が今なりたいのは仙人だからね、仙人には指揮者は無理ね。じゃあ、半世紀前はどうだったのかしら。その頃はね、まだギラギラしてたんだってよ。人と交わって熱く議論を交わして説得するのを厭わない人だった、だから指揮者もやったんだっていうの。なんだ、今と全然違うじゃない。半世紀でそんなに人は変わるのかしら。変わるのでしょうね。だって、平気で人の首を掻ききってた戦国時代が終わったのだってたかが400年前ですからね。それが「人類みな兄弟」なんて言ってるんだからね。

チコちゃんで指揮者の話をするっていうから、横野君、絶対、リュリって人の話が出てくるに違いないって言ってたら、本当に出てきた。まさに400年くらい前のフランスの作曲家で、指揮をするとき棒で床をたたいてリズムをとってたんだけど、その棒が足にささってそれで死んじゃったんだって。傷口が化膿したのね。え?あんな細い棒がささってそんな大けがになるって?当時の様子を再現した映像を見ると、かなり太い、鬼の金棒の長いヤツみたいなのをドシン、ドシンと床に打ち付けてた。ああ、これなら当たったら痛いだろうな、と思いました。

そのリュリって、まあ偉い音楽家だったんだけど、権謀術数にもたけていて、ボーイズラブもお盛んだったらしい。もとはイタリア人で、ジョヴァンニ・バッティスタ・ルッリって言ったんだって。「ジョヴァンニ・バッティスタ・なんとか」って人、結構いる。人気のファースト&セカンド・ネームだったみたいね。

チコちゃんに、いろんな指揮者の映像が出てきたって言ったけど、みんなN響を振ってる映像ばかり。じぶんとこの映像なら安くすむから?指揮姿って言ったら、まず見たいのはカルロス・クライバー。だけど、映像使うとお金がかかっちゃんでしょうね。それでも、N響を振った映像の中で山田一雄さんの指揮は見応えがあった。飛び跳ねてて。そしたら横野君が言うの。今回は紹介してなかったけど、戦後すぐのときマーラーの「千人の交響曲」を山田一雄さんが振った映像があって、そこでは、もっと飛び跳ねてたんだって。ずっとお若かったしね。それよりもその時期に「千人の交響曲」を演奏してたことにびっくりしたんだって。大変な曲らしい。その山田一雄さん、言われてみれば、たしかにチコちゃんのMCの岡村さんに似てる、と思った。

あら、「仙人」と「千人」!これかけたわけじゃなくて偶然。あと、横野君、仙人になりたいんだけど、霞を食うのはいやで、グルメになりたいんだって。仙人がおいしいもの食べていいのかしら。「生臭坊主」って言葉がありますけど。



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