“Exclusive”を求め続けたオタク君…
主演のジェシー・アイゼンバーグは『イカとクジラ』以来になります。
大人になっても魅力的ですね
ホントに…何と申しましょうか
わたくしは
あの顔は
何時間見ていても飽きません!
おーっと、いきなりシャウトアウトしてしまいましたよ~最初にこれを言ってしまったら、この後はも~う、何を言っても、あんまり説得力はないと思うんですが(汗)それでも、まぁ、くだくだ書こうではありませんか!
以下、ネタばれしていますので、ご注意!
舞台はハーバード大学。
誰もが知っているアメリカの最高学府(「世界の」と言ってもいいかも)言ってしまえば、そこにいるだけでも、それは凄いことなのです。ところが、ハーバード大学の中にも、そこから、家柄、成績、人格などで選ばれた学生だけが入会を許される「ファイナル・クラブ」なるものがあります。じっさいに、アメリカでは、政財界の著名人のほとんどは、こういうクラブに属していたそうです。この映画では、このようなクラブの存在というのが、ストリーの大きな柱になっています。
こういうクラブというのは、男子学生のクラブというのは「フラタニティ」と呼ぶんだそうな…ハーバードにも10のフラタニティがあるという。で、女子学生クラブは「ソロリティ」と呼ぶんだそうですが、これは、その昔、池田理代子さんのマンガにありましたよね(笑)
つまり、栄えあるハーバードに入っても、まだまだ「上には上がある」ことを実感せざるを得ないわけです。そこで、「より上」を目指そうと躍起になるというのは…主人公のマークは、これは“motivated”だと正当化しますが、女友だちは“obsessed”だと批判的です。この冒頭の会話も重要ですね。(っていうか『市民ケーン』以来の「永遠のテーマ」)この女友だちは、ハーバードの学生ではありませんでしたが、マークとのトラブルは別として…いわゆる(日本風に言うと)「身の丈を知っている」人物として、好意的に描かれていると思いました。
マークはコンピューターの扱いにかけては、合法なもの、違法なもの関係なく、とてつもない才能を持ち合わせています。しかし、人付き合いは苦手で、コミュニケーション下手。好意を持つ相手に対しても、かえって相手を怒らせるような口にきき方をしてしまいます。興味のわかない事象にたいしては、極度に感知力が低くなるので、事情聴取の場面でも、受け答えが成り立たないことはしょっちゅう。
つまり彼は、高い能力は持っているということは疑う余地はないのですが、例の「栄誉あるクラブ」から誘いがかかるには、最も遠いタイプなのでした。それを一番身にしみて感じていたのは本人だったのでしょうね。そして、いろいろなことがきっかけとなってfacebookを立ち上げることとなります。得意な、ネットの世界で、exclusive(排他的)な空間を創造しようとします。
Facebookを地球規模のものにするまでに、エドゥアルド、ショーンという二人の人物と関わるのですが、ここも非常に面白いです。結論から言うと、一見、ぼ~っとした「おたく」でありながらも、その類まれな嗅覚を最大限に生かして、双方の「長所だけを」うまく取り込んでいったマークが上回っていたということでしょうか…
特に、ジャスティン・テインバーレイク演じるショーンなんて…どう見ても「胡散臭い」人間なのに、最初のミーティングでは、マークには、ショーンの「ポイントの高い部分」しか見えないのですね。でも、次第に「反骨精神むき出し」で「なりふり構わない」ショーンという人物が受け入れられなくなってきます。マーク自身も、成功を得るまでには違法なことをたくさんやってきていたのですが…ハーバードの中の、特に「毛並みのいい」学生のみが入会を許される「クラブ」の存在というのが、彼には大きかったのか…そうだとすれば、そのような「野心」など、「もともと持っている」人間から見れば、目ざわりで醜いものでしかないことが、分かっていたということでしょう。それとも、彼ならではの「潔癖さ」がそうさせたとも考えられますね。
こういうところは、ちょっと謎めいたアイゼンバーグ君の演技は(いや、演技なのか素なのか…)本当に引き込まれます。
あとは、ボート部のブラザーズ…世間的には申し分のない「勝ち組」なのに、「微妙に痛い」のが可笑しかったです。結局「知恵」という点では、風変わりな「おたく君」にかなわなかったわけですよね。しかし、それを認めたくないわけで…とにかく、金持ちで、家柄がよくて、ハンサムで、成績もよくて、力強くて、スポーツ万能…しかし「小技は苦手」ま、典型的な…?(これ以上は書きませんが…苦笑)
一方では、アジア系の人たちは「おたく」とか「思い込みの強い人」として描かれるのもちょっと…(自分もこう見えるのか、とか…汗)もっとも、このあたりは、こだわりだせばキリがないでしょうが。もっとも、冒頭から、件の女友だちがドイツ系であることを揶揄していますが。
最後は、女性弁護士との「心の通い合い」が見られたのが救いと言えば救いでした。(彼女が、お昼に、サラダしか食べなかったことを気にして、食事に誘うシーン)映画の中で、マークが「他人のことを気にかけた」のは、これが最初で最後ではなかったでしょうか。
この映画…実在の人物をモデルにして、ちょっと危ないおたく青年が、成功を収めていく道のりを、いくつかのマニアックなキーワードを駆使しながら、細かく、執拗とも言える手法で追っています。一方、バックにあるのは、紛れもなくアメリカ社会の不健全さ(と、敢えて言わせてもらおう)でしょう。アメリカは「自由と平等の国」と考えられているのかもしれませんが、結局は「自由と平等を標榜せざるを得ない国」なのです。
…あとは、陪審制度というのも「?」と思いましたが、これは難しい問題ですんで、ちょっとだけサワって終わります。それと、、最後の、例の女友だちの「友だち認定」がどうこうというシーンって…あんまり深い意味はないんですよね(?)
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