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And This Is Not Elf Land

Endless “Workshop Production”?



ミュージカルYANK!


昨年、オフ・ブロードウェイで話題になっていた、新作オリジナルミュージカルYANK!が、10月24日から4週間、CAのOld Globe Theatreでワークショップを行います。伝えられているところによれば、一般の観客は入れないらしい。

というか、ここ数年、BW入りを目論んでいる新作ミュージカルに目を光らせていた私としては、この作品も、ずっとストーキングしておりました(!)(「ストーキング」か…?)

YANK!というミュージカルは、第二次世界大戦に従軍していた2人の兵士のラブストリーで、このテーマが、センセーショナルでもあり、随分話題になりました。内容は、特に重苦しいものでもなく、当時を思わせるレトロなスコアもふんだんに取り入れた、エンターテインメント性の高い内容だと伝えられています。で、このYANK!…以前に目にした「噂」では、例のOUR TOWNのデヴィッド・クロマー監督の手で、今シーズンにBW入りする、と伝えられていたように思うのですが、またまた、ワークショップ…というニュースがちょっと意外でありました。

今回のOld Globeのプロダクションは、前述のクロマーが監督を担当し、スコアやスクリプトには変更を加えずに、もっと力強いラブストリーになるようにする、と話しています。ま、どっちにしても…「またワークショップなの?(BWじゃないの?)」的な印象はぬぐえませんです。向こうのサイトを見てみると「なんか冗談みたい」「BWの可能性があるまで、ワークショップを続けるだろう」「商業ベースに乗らないインディーズ系の映画が、映画祭を回るのと同じこと」「オリジナル作品だから、時間がかかるのは当たり前」などなど、いろんな意見が出ています。

で、このYANK!のヒストリーを見てみると…

2005年にNYMFで上演しています。これはリーディングではなくて、フルプロダクションによるものでした。その後、2007年、ブルックリンの小さな劇場で上演されました。2008年には、サンディエゴのDivisionary Theatreで上演。2010年には、ついにオフBWのYork Theaterのプロダクションをゲットしました。で、今年の初めにはRoundaboutプロデュースによるワークショップをNYで敢行。そんな中で、今シーズンBW入りが期待されていた作品だったのでした。



そうかぁ…オリジナル作品をBWに持ってくるというのって…本当に大変なのね(thinking of CUTMAN


ただ、このYANK!という作品自体が…どうなんでしょうね~商業ベースに乗りにくいというか…ただ、BWというのは、その歴史を見ても、タブーに挑戦するようなテーマの作品を上演してきていますので、何とか頑張ってほしいですけどね~

社会背景と照らし合わせますと、7月にNY州が同性婚を合法化したことや、ついこの間ですが、米軍のDon’t Ask Don’t Tell政策が撤廃されたことなど、とりあえず、作品テーマ的には「追い風」要素はあるんですが…どうなんでしょうか。

なんと申しますか…あの有名なLA CAGE AUX FOLLESなどは、同様に「ゲイもの」とは言いましても、舞台はフランスですしね…アメリカ人の誇りそのものである、第2次世界大戦で国のために戦った米軍の、2人の兵士が主人公というのとは、一般の受け止め方がかなり違うのかな?あとは、現在、BWで上演中のPRISCILLAも興行的に成功しているとは言えませんしね~日本人なら、普通にファミリーで観に行きそうなショーだと思うんですが…違うのかな~やっぱ、こういうテーマは「かなりの冒険」ってことになるのか?


まぁ、とにかく…最近は、ミュージカルが生まれてから発展していく道筋を見守るってのが、本当に面白いですよ。最も気になるのは、もちろんCUTMANなわけですが…YANK!のように、エンドレス・ワークショップ・モードに突入しても、私は観に行きますから、ヨロシク(笑)ただ、CUTMANのほうが、ずっと興行的に成功しやすい気はします…
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