さて、100ドル(Elaineは150ドル)を賭けた我慢比べが始まっています。
先のレストラン場面、最初のテイクでは、観客はあまりの展開に笑わなかったそうです。シットコムとしては、あまりにも想定外(この言葉、使い勝手がイイね)。「こんなの、ホントに放送するの~?」と思った人もいたでしょう。でも2度目のテイクからは大爆笑だったそうです。
Jerryの部屋です。
Georgeは入院中のママと電話で話をしている。なんでもママは「カウンセリングを受けなさい!」ってヒステリックに叫んでいるらしい。「ああいうことをする人は皆カウンセリングを受けなきゃならないってか!?」とGeorgeは鼻で笑っています。…ま、確かにGeorgeは正しい。カウンセラーが何万人いても足りないでしょ、そりゃ。
とにかく、Georgeは今夜ママを見舞う予定のよう。Jerryはと言えば、前のエピソードから付き合っているMarlaとのデートがある。ところが、このMarla、ヴァージンなんだそうで…前エピのThe Virginは彼女を巡る騒動が軸になっています。Jerryも彼女のペースに合わせて、ゆるゆるとお付き合いしている状態。彼女はこのエピソードにも最後まで絡んできて、Marlaを演じたJane Leevesはこれで一躍有名になったようですよ。
さて、そこへKramerがやって来るんです。
KRAMER: Hey, look at this, c'mere. There's a naked woman across the street.
(おい、見ろよ、こっちだ。{窓際へ行く}向かいのアパートに裸の女がいるぞ。)
JERRY: Where? (どこだ?)
KRAMER: Second floor from the top. See the window on the left?
(上から二つ目の階だ。左の窓を見ろよ。)
GEORGE: Wow!
これ、私的には今だ「謎」なんですが…Kramerは件の女性を「どこで」発見したのでしょうか??
彼はJerryの「向かい」の部屋に住んでいるんですよね。それでもって、通り(81丁目)に面した窓はJerryの部屋の入り口の反対側にあるから、従ってKramerの部屋からは通りは見えないはず。(うんうん…こういう思考が苦手な私が考えても…たぶんそうだろ)おそらく10~20階ぐらいあるだろうと思われる建物の上から二つ目の階は「通りを歩いていて」見えることはないと思う。
考えられるのは…その裸の女性が窓から身を乗り出していた?
または、交友関係の広いKramerは別の友人の部屋からこの女性を発見し「こりゃ、Jerryの部屋からの方が見えるワイ!」って勇んでやってきたのか?
ところで、Jerryが住んでいるのは81丁目、Columbus Ave.と10th Ave.の間らしいですが、実際に映像として使われているアパートはLAのものだそうです。現地へ行っても同じ建物はありませんからご注意ください!(あんまり必要のないこと言ってますネ…はい…わかってますとも!)また、番組ではこの通りには果物屋があったりとか(Kramerの天敵店主のいる)、生活感がいっぱいですが、実際は、このあたりはアパートが並んでいるだけです。
さて、話がそれてしまいましたが…とにかく「我慢比べ」をしている時に、向かいに全裸で生活しているらしい女性が住んでいるという、これまた想定外の事態が発生しています…
JERRY: Who walks around the house like that?!
(何も着ないで部屋中を歩き回ってるわけ~!?)
{一同、生唾…}
GEORGE: Maybe she's a nudist. You know, those nudist colony people..
(彼女はヌーディストかもしれないな。ほら、ヌーディスト居留地にいるような人たち)
KRAMER: ..Yeah.. yeah..
(ああ…{生唾}確かにな…)
{で、Kramerはスルスルと部屋から出て行くのですよ~~}
残されたJerryとGeorgeは「ヌーディスト居留地って、食堂でも裸なのか?ホテルの客室係のメイドさんもベルボーイも庭師も…みんなヌードなのかな?」なんて小ネタを絡めます。
そして、「そりゃぁ、nude-a-ramaだな!」と。
このramaとヒンドゥー教叙事詩のramaから来ているようです。「異教的で退廃的な、禁断の世界」の象徴として使われているんでしょう。SEINFELDにはこういう東洋の宗教に纏わる表現も多いです。(Karma Kramer!とか…)これはSEINFELDだけでなく、欧米世界の全体に言えることかもしれませんが、異国の宗教は「退廃」の象徴とされることが多く、ま、私としては軽くスルー…という方向がよろしいかと…。
{さて、そこへやって来るElaine。しかし、彼女にも気付かない二人… }
ELAINE: Hey. (ハイ!)
JERRY AND GEORGE: Hey. (やぁ…)
ELAINE: Well, where's my money? Who caved?
(さぁ、お金はどこ?誰が脱落したの?)
JERRY: Not me. (僕は大丈夫)
GEORGE: Not me. (僕も)
{しかし、二人とも、「それどころじゃないでしょ?!」って感じで向かいのアパートを見てる。}
ELAINE: What're you looking at?
(ちょっと、何見てんのよ?)
JERRY: There's a naked woman across the street.
(向かいに裸の女の人がいるんだ。)
ELAINE: This is gonna be the easiest money I've ever made in my life. So, my fried, Joyce, is teaching an aerobics class. I'm gonna go tonight.
(わぉ!私の人生で、最も簡単に手に入るお金になりそうね~。そういや、友達でエアロビクス教えてるJoyceの教室に通うことにしたの。今夜行くのよ。)
JERRY: Yeah.. the - the waitress should've taken it back.
(ああ、あのウェイトレス、なんで皿を下げてくれなかったのかな…)
{??…会話がもはや成立しないと気付いたElaine}
ELAINE: So then, I got a call this morning. You know, I was, uh, chosen to go on the space shuttle. We're goin' to Mars.
(そういうことネ、あのさ、今朝電話があったの。ねぇ、私スペースシャトルのクルーに選ばれちゃった…火星に行くのよ!)
JERRY: Uh-huh. (あっ、そう。)
GEORGE: Have a good time.(行ってらっしゃい。)
{窓の外を見たままの二人…あーあ…}
{そこへ、おもむろにKramerが入ってくるんです。…ん?}
{で、お札を取り出して…}
KRAMER: I'm out!
(俺は抜けた!!)
えっ???? 今なんて?!
{次の瞬間、わーっ!!!と大爆笑が巻き起こります。}
この時の彼のポーズもいいんですよね~。大爆笑の場面です。
DVDでは、このエピソードはJerry Seinfeld自身が音声解説をしているのですが、Kramerが脱落するこの場面で、彼はヒーヒー言いながら笑っているのですよ。Jerryのこのエピソードへの愛情を感じますね。好きだわ~
SEINFELDもこの後のシーズンになると、出演者が台詞を言いながら自分で吹き出しているシーンが目立ってくるのですが(まぁ、視聴率キングになって「何でもあり」の様相になってきたのは否めない)この場面で吹いていなくて良かったですよ。(まぁ、薄っすらと笑ってはいますがね。)ここで、出演者が思いっきり吹いてくれていたら…かなりのものが損なわれてしまったでしょうから。
続けます…
ELAINE: What?! (何ですって?)
KRAMER: Yeah, I'm out - I'm out of the contest.
(ああ、俺は抜けた!抜けたんだよ!)
GEORGE: You're out?! (抜けたって?!)
KRAMER: Yeah, yeah.. what?
(ああそうだ…どうかしたか?!)
ELAINE: Well, that was fast!
(ちょっと早いわよ!)
Kramer: Well, it was that woman across the street. You know, you better be careful, buddy. She's gonna get you next.
(向かいのアパートのネェちゃんのせいだ。{Jerryに}おい、おまえも気をつけろよな。あいつは次にお前をねらってくるぞ。)
{Kramerは自分の部屋に戻る}
{しかし、Michael Richards(Kramer)のからだを張った芝居は面白すぎる!}
ELAINE: ..And then there were three.
(さ~あ、これで3人になったわね。)
to be continued
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