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And This Is Not Elf Land

Master of My Domain Ⅰ

blog開設一周年を迎え(スイマセン…ひとりで盛り上がってて…)
SEINFELD(となりのサインフェルド)の最も有名なエピソード
'The Contest’
(国内盤DVDはありますよ!)を数回に分けて取り上げます。

開設間もない時期にも取り上げているのですが(ここ)、何のことかサッパリわからないと思います。ええ、この頃は「他の人が読んでもサッパリわからないblog」を目指していたものですから…。

これが放送されたのは1992年11月18日。
この頃、私は何をしていたか…おお!当時好きだったシンガーの曲が大ヒットの兆しを見せていて、ワクワクしていましたよ。アメリカではTV史に残る衝撃のエピソードが放映されているとも知らずにネ。

SEINFELDから生まれた言葉はたくさんあるんですが、
ここで生まれたmaster of my domainは最も有名かもしれません。直訳すれば「自分の領域の支配者」…ま、そういう意味なんですよ。(笑)

imdbを見ますと、SEINFELD全体のuser ratingが9.3という信じられない高評価。ちなみにFRIENDSは8.5(何気に敵意をむきだす)、ERは7.9ALLY MCBEALは6.9FULL HOUSEは5.3でございます。

ま、こんなに晒して何が言いたいかというと、
SEINFELDがとてつもない人気番組だということです。しつこい…



このThe ContestはLarry Davidの脚本によるもので、1993年エミー賞Best Comedy Scriptに選ばれました。受賞スピーチでLarryは"This is all very well and good, but I'm still bald."と述べました。…ここは笑うところなので、、ヨロシク

このエピソードはLarry Davidの「個人的な体験」に基づいているのですが、とにかく発案の段階から「こんなのは放送コードに引っかかるのでは?」など、さすがのJerry Seinfeldも二の足を踏んだようですね…でも「この番組はフルハウスじゃないんだぜ!!?」ってことで決まったそうです。

何て単純な理由なんでしょう美しい話だわ~

ただ、NBCのコードに抵触するということで「そのものズバリ」さす言葉は出てきません。その分、言葉をひねくり回す面白さがあります。




さて、エピソードの内容にうつりましょう。

いつものレストランにJerry、Elaine、Kramerがいます。

「テロリストの人質になって牢屋で鎖につながれていたとしても、人は着ているものを洗濯したいと思うものなのか?」なんてネタで盛り上がっています。こういう小ネタ、SEINFELDではしょっちゅう出てくるんです。これに「クスッ☆」…と来れば、SEINFELDが好きになる可能性は50パーセントぐらいでしょう。

そこへ冴えない表情でやってくるGeorge。

JERRY: What's the matter? (どうした?)

GEORGE: My mother caught me. (おふくろに見られた。

JERRY: "Caught" you? Doing what? (見られた?何を?)

GEORGE: You know. I was alone..
(つまりさ、僕は1人だった…)

ELAINE: You mean..?! (ってことは…)

GEORGE: Uh-huh. (ああ)

KRAMER: She caught you? (おふくろが見たのか?)

JERRY: Where? (どこでだ?)

{この時点で、3人はとてつもなく面白がってる。}

GEORGE: I stopped by the house to drop the car off, and I went inside for a few minutes.. Nobody was there - they're supposed to be working. My mother had a Glamour magazine, I started leafing through it..
(車を置きに家へ寄ったんだ。で、しばらく家の中にいた。誰もいなかった。両親は仕事に行ってる時間だったしね。おふくろのGlamourがあった。{※ファッション誌}ページをめくりながらじっと見ていた…)

JERRY: "Glamour"?

{※だって、普通のファッション誌でしょ?}
{みんなクスクス笑っている。}

GEORGE: ..So, one thing lead to another..
(で、こうなれば他のことへ導かれるというか。)

JERRY: So, what did she do?
(おふくろさんの反応は?)

GEORGE: First she screams, "George, what are you doing?! My God!" And it looked like she was gonna faint - she started clutching the wall, trying to hang onto it. I didn't know whether to try and keep her from falling, or zip up.
(まず叫んだよ。「George、何やってるの?まぁ、どうしましょ!」で、めまいがしたみたいで、身体を支えようとして壁を必死につかもうとしたんだ。おふくろを支えるのが先かファスナーを上げるのが先か迷ったよ。)

JERRY: What did you do? (で、どうした?)

GEORGE: I zipped up!
(ファスナーを上げたさ!)

でも、その間にGeorgeのママは床に倒れ、腰を強打して入院したのだそうです。

GEORGE: All she said on the way over in the car was, "Why, George, why?!".. I said, "Because it's there!" Well, I'll tell you this, though - I am never doing.. that , again.
(病院へ運ぶ車の中でもおふくろは言い続けていた「なぜなの?George、どうしてそんなっことを!」…で、僕は言ったんだ。「だって、それがそこにあったからさ!」で、僕は宣言するよ。もう…やらない!

ELAINE: What, you mean, in your mother's house, or all together?
(どういうことよ?親の家でってこと?それとも、どこであっても絶対しないってこと?)

GEORGE: All together!(どこであってもだ!)

一同、ブーいんぐです。
「ありえない~」。男性陣はお互い「お前なら数時間しか持たないとか」「俺の方が長く持たせられる」とか…ま、男性の生態ですな。

GEORGE: Care to make it interesting?
ちょっと面白いことしてみない?

JERRY: Sure, how much?
(よし、いくらだ?)

GEORGE: A hundred dollars. (100ドル

いつも思うのですが、Georgeの言うCare to make it interesting?(直訳すれば、それを面白くする?)が、いわゆる「賭け」の意味になるんですね。賭け事には無縁の私には想像が及びません。

男性3人は即この話に乗ります。で、Elaineも「私も仲間に入れてよ!」と言うんですね。ステキすぎます…Elaine嬢!!でも「女性は違うからダメだ」と最初は反対されるんです。

JERRY: It's part of our lifestyle. It's like, uh.. shaving.
(これって僕たちのライフスタイルの一部なの…髭剃りみたいにネ)

ELAINE: Oh, that is such bologna. I shave my legs.
(まぁ、バカバカしいわ。私だって足のムダ毛を剃るわよ。)

{※このbologna、イタリアの地名なんですが、意味もなく使われてます。SEINFELDには、こういうのも多い。これはElaineの台詞だけど、Kramerに一番多いと思う。}

KRAMER: Not everyday. (毎日じゃないだろ?)

ってことで、Elaineは150ドルってことになります。

GEORGE: Alright, now, how are we gonna monitor this thing?
(よし、じゃあ、どうやってチェックすりゃいいんだ?)

JERRY: Well, obviously, we all know each other very well, I'm sure that we'll all feel comfortable within the confines of the honor system.
(そう、僕たちはお互いに気心が知れているし、自己申告制でもいいと思うよ?)

{※honor system 試験監督を配置しないで試験を行うときにも使われます。}

こうしてTV史上名高い「我慢比べ(the contest)」が始まったのでした



                        to be continued

コメント一覧

belmont(ベル)
subtle で clever
マスター様、
そうそう、Kramerって「ギガ」とか「ガガガ」とか奇声を発しますよね。 彼、時々セントラル・パークで御者(観光客用の馬車の)をしているので、「ギディアップ」からきているのかなーなんて思ってましたが、これもマイケルのアドリブなんでしょうね。 今月末に出るDVDにマスター様でも未見のエピソードがあるって本当ですか!? 11月20日発売ですね。チェックしてみます。 

ファイアー様、
「ビローニ」と確認されましたか~。嬉しいです。 Elaineの存在って本当に重要ですよね。どのエピソードだったか忘れましたが(あ、フェイク、フェイクのエピだった)、「ジェリーとの友情関係を壊さないために、もう一度セックスする」っていうのがあったでしょ? これ本当に笑える。 矛盾しているようなんだけど、きっちり理にかなっているんですものね。 
master of my domain
the contest
ファイアー様、こんにちは。
いや~、祝っていただくほどのblogでもありませんでも、楽しんでいただけて嬉しいです。このエピソードは名作ですよね。
確かに、この「陰の功労者」はElaineだと思いますよ。彼女は凄いよね~。
小ネタといえば、私は普通のTV番組をあまり見ないので、現在の国内のお笑いシーンにも疎いのですが、SEINFELDの脱力感をもよおすような小ネタは関根勤さんを思い出すことがあります。(ズーッと昔に生ライブも見たことがありますが。)微妙なポジションで長く活躍しているコメディアンですね。
ファイア-
連レスすみません
書き忘れましたのでまた来ました^^
このエピソード、導入部の小ネタが大好きです。
「シャツを脱げ、靴下もだ、洗濯するんだから!」(笑)
こんなに洗練された会話はめったにないですよ!冒頭のJerryのネタもそうですけど(「両親がセックスしてるって考えたくないよね…」)、エピソードのテーマにびみょーに触れてるような触れてないような、直接の関係はないけど何となくにおわせる…みたいなsubtleでcleverな感覚が、本当にすばらしい!
ファイア-
ちょっと遅れましたが…
おなじく新参者のファイア-です^^一周年おめでとうございます!!
こちらのブログは、わたしにとってすごく大切な場になっています♪ Master of my domainさま、開設してくださって本当にありがとう!
このエピソードは何度観たかわかりません(笑)。"bologna"はわたしは「ビローニ」に聞こえます。「バカ言わないで」という意味だろうなとは思ってましたが、単語そのものはいままでわかっていませんでした。わかってスッキリ~!
このエピソードのミソは、Elaineも参加するところですよね。それが自然にできるJuliaは最高です!
わたしにとってSeinfeldとは・・・(祝1周年^^)
わたしは日頃、あまり「気分」でドラマや映画を観ることってないタイプなんです。その辺は結構ドライに分けてるつもりなんですが、Seinfeldはちょっと気分が沈む時にむしょうに観たくなるんですよ。4人の世界が、あまりにもパーフェクトで、Complete happinessを感じられるんです。うまく言えませんが・・・
master of my domain
the contest
ベル様、こんにちは!
いや~、実際に祝っていただくと恥ずかしくなります
一年たって、日本にもサインフェルド・ファンが少なくない事を実感しましたっ!…と言いたいところですが…
でも、ファンである人は半端じゃないファンの方が多いのは予想通りで嬉しいです。
The Contest、私はこのエピソードがとても好きなんです。何故でしょうね~(笑)。やはり、筋書きも台詞も、また俳優の演技も完成度が高いんでしょうね。
" bologna "は「間投詞」として「認定」されているんですね!Kramerの口にする"ginga!"みたいな感じで、何となく音の響きが可笑しい…という語なのかと思っていました。SEINFELDには言葉を弄する面白さがいっぱい詰まっていますよね。今でもいろんなところで引用されているようですし。
そして、ずっと見続けていると、登場人物の次の動きや言葉が「予測」できるようになってきますね。それがまた、落語などの日本の伝統的な話芸を楽しんでいるようで、言葉の波に身を任せる心地よさがあります。
今月末に出るDVDには未見のエピソードもあるので楽しみにしています。アメリカでは毎年11月20日前後にリリースされているようですが、これは感謝祭で家族が集まった時にどうぞ…という意図があるのでしょうか?
belmont(ベル)
Congrats ! 一周年。
新参者のbelmontですが、一周年お喜び申し上げます!
これからも「Seinfeld」(もちろんそれ以外の話題も)楽しみにしています!

開設間もない頃の「Master of your domain」読ませて頂きました。 マスター様の「他の人が読んでもサッパリわからないblog」というのが気に入りましたよー。 でも必ず何処かにわかっている人間がいるんですよね(その時もちゃんとコメントしている方がいらっしゃいました)。 

IMDbのサインフェルドの評価(9.3)は嬉しいですねー。 フレンズは高すぎますし、フル・ハウスはお子様向きです。(お子様向きというと「ブロッサム」もありましたね。たしかサインフェルドのNBCのエピソードにも名前だけが出て来たはず)。 いや~、心からラリー・デイヴィッドとジェリーの才能に感謝しますし、イレーン、ジョージ、クレイマーのキャラクターの完成度は限りなく高いと思います。「サインフェルド」以降、誰もこのキャラクターを越える役に出会っていないんじゃないでしょうか? 

>" bologna "
実生活でこの言葉を「ナンセンス」という意味で聞くことはなかったのですが、TVなどで良く聞きますね。 「ボローニャ」ではなく「ベローニ」と聞こえるのですが(私だけでしょうか?)。
ランダムハウスで見たら「ナンセンス」とか「ばかげた」(間投詞)と出てました。私は勝手にスーパーマーケットで売っているボローニャ(これもベローニと聞こえるんですが、、)ソーセージ(ご存知の通りこれは安ーいハムなんです)を思い浮かべて、「安っぽいハム=ばかばかしいこと」と勝手に解釈していました。 因に私はこの安っぽいハムが好きです。
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