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And This Is Not Elf Land

SEINFELD 6-21 The Diplomat's Club(またまたポリコレ問題発生)

SEINFELD(となりのサインフェルド)6-21、The Diplomat’s Club(会員ラウンジで会いましょう)。

Georgeは、6thシーズンでは、Yankeesのスタッフの一人として華々しく(?)活躍している毎日。

今回は、新しい上司であるMorgan氏からポイントを稼ぐために、氏とのツーショットの写真を撮ってデスクに飾ろう…なんて考えていました。なんか…魂胆ミエミエの「写真撮影」、他のスタッフもげんなり顔です。

そういう空気も全然読めないのがGeorgeの「強み(!)」でもあるんですが…今回は、ちょっとミスっちゃったようです。(トップの写真の場面)

GEORGE: …Thank you very much. Here we go... (To Morgan) Anyone ever tell you you look a lot like Sugar Ray Leonard? Yeah, you must get that all the time.
(どうもありがとうございます。さぁ…。ところで、Sugar Ray Leonardによく似てるって言われません?きっと、いつも言われるでしょうね。)

MORGAN: I suppose we all look alike to you, right Costanza?
(君にとっては…おそらく、私たちはみな同じように見えるんだろうね。)

GEORGE: No, not a racial thing, there really is a resemblance...
(いや、いや…人種のことを言ってるんじゃないんですよ。ほんとによく似ていらっしゃるから…)

一気に空気が冷却してしまったのでした。


これねぇ~

ちょっと…どうコメントしていいか分かりません(笑)

昨年末のMichael Richardsの騒動のときも、私なりに考えることをつらつらと書いてみましたが…このような人種問題と常に隣り合わせに生きている人たちの「微妙な体感温度」みたいなものって、日本にいるとなかなか実感できないというか…ある種の限界があると思います。

Sugar Ray Leonard(シュガー・レイ・レナード)は有名なボクサー。日本でもよく知られたボクサーであるようですね。私は、このあたりはかなり疎いので、知りませんでしたが。Wikipedia日本語版でもかなり大きく取り上げられていますよ、Jerry Seinfeldよりは。(いちいち比べるなって…ハイハイ)


さて、一気に落ち込んだGeorgeは、何とか失点を挽回しようと必死になります。
とにかく、黒人の友だちと仲良くしているところをMoragan氏に見てもらって、自分がracistじゃないところを証明しようと必死になるんですが、しかし…考えてみたら、Georgeには黒人の友だちなんていない…(ま、どっちにしても友だちはいないんだけど…)

それで、以前にひょんな縁で訪ねたことのある黒人のアパートを再訪問しようとしたり、街であった人にも声をかけてみたり…

そうこうするうちに、JerryのアパートにCarlというexterminator(害虫駆除業)をやっている黒人男性が住んでいることを思い出し、いかにも仕事上の用事がありそうなふりをしてYankeesのオフィスに呼び出します。


CARL: Why didn't you want me to bring my equipment or wear my uniform?
(どうして仕事着を着て道具を持って来たらいけなかったんだ?)

GEORGE: Yes, well, if the other people in the office saw that I called an exterminator, they would just panic. Besides, this is sort of a friendly visit. Carl, right?
(ああ、それはだね、ほかのみんなが、僕が害虫駆除業者をオフィスに呼んだと知ったらパニックになるだろ。それに何というか、今回は友だちとして来てくれているようなもんだからね、Carl。)

CARL: Do I know you?
(あんた、僕のこと知ってる?)

GEORGE: Yeah, sure, we met at Jerry Seinfeld's apartment. When you fumigated for flees over there.
(ああ、もちろんさ。Jerry Seinfeldのアパートで会ったじゃないか。君は蚤を燻蒸駆除してたよね。)

CARL: Seinfeld... Oh yeah, funny white guy, right?
(Seinfeld…ああ、あの面白い白人だな。)

GEORGE: Jerry? Yes, I suppose he is white. You know, I never really thought about it. I don't see people in terms of color.
(Jerryが?ああ、そう言えば白人だよね。そんなこと、意識したこともなかったよ。僕は人を人種で見ない人間なんでね。)

このあたり…Georgeが、いつものように熱弁を振るえば振るうほど、わざとらしくて、うそ臭くて…人間の固執する「建前」が何ともグロテスクですね。まぁ、SEINFELDでは、最初から、それほどの「意味」を持たせようとはしていないんだろうと思いますが。


GEORGE: You know, there's someone I'd like you to meet. (To phone) Is Mr. Morgan in?
(ところでね、ちょっと紹介したい人がいるんだ。{電話で}Morgan氏はいる?)


PHONE: Mr. Morgan left for dinner.
(食事に出かけていますが。)

GEORGE: He left... huh... Carl, you hungry?
(いない…Carl、お腹がすいてないかい?)

そこで、GeorgeはCarlを連れてMoragan氏のいるレストランへ行きます。もちろん、「幼なじみの振りをしてくれたら食事はおごるから!」としっかり「工作」して…

しかし、ここのレストラン、ドレスコードがありそうなんですけど(River Caféみたい…)ラフな服装のCarlはちょっと場違いな感じがします。

それでも、わざとらしくCarlをMoragan氏に紹介し、同じテーブルで食事を始めるんでした。


CARL: Yeah, I come here all the time. You wouldn't believe the rat problems in the kitchen.
(俺はよくこのレストランに来てるよ。台所にネズミがいっぱいいるなんて信じられないかもしれないが…)

ゲゲッ!!

MORGAN: I thought so. You really are an exterminator. This time, George, you've sunk to a new low.
(いや、分かっていたよ。君はホントに害虫駆除業者なんだな。George、今回は最低記録を作ったようだな。)

Morgan氏は憮然とした表情で帰ります。
あーあ…

GEORGE: Check, please.
(会計、お願いします。)

WAITER: Hey, Sugar Ray Leonard can eat here on the house.
(ウチじゃあ、Sugar Ray Leonardから代金はもらっていないよ。)

えっ?

GEORGE: Mr. Morgan! Did you hear that? Mr. Morgan!
(Morganさん、ちょっと!聞きました?)

で、Georgeは慌ててMorgan氏の後を追いかけるところでscene endsとなっています。

でも、ここ…ちょっと謎なんですよ。

このエピソードのdeleted sceneに、Morgan氏らしき人が、Sugar Rayと名乗って野球のチケットを予約する場面があるんですよ。実は、このMorgan氏…ここのレストランで、しっかりSugar Rayになりすましてた…って可能性もあるんでは?そういう含みも持たせた終わりかただと思えます。

このプロットはGeorgeの「かなり痛々しい」話として進んでいくんですが、最後にちょっとした変化球でさばきます。

コメント一覧

master of my domain
ファイアー様、こんにちは。

私も、SEINFELDのこのエピソードに言及してある何かの記事を読んだことがあります。やはり、大都会のど真ん中であっても、白人と黒人が友達になるなんてことはあり得ないのだ…という内容でした。

Georgeの一連の「わざとらしさ」が「笑ってしまう」レベルにまで達しているのが、ある意味、凄いと思います。
ファイア-
Mr.Morganもいいキャラですけど、ノミ駆除のおじさんがわたしはちょっとお気に入りだったので、再度出演してくれてうれしかったエピソードです^^

前に『華氏911』のマイケル・ムーア氏の本を読んでいたら、「フレンズ」の話がちょっと出て来て。
「ニューヨークのあの地区で白人と黒人が友だちになるってことはまずありえない。そういうわざとらしいシチュエーションを一切出さないという点ではフレンズは正直なドラマだよ」
というような内容を書いてました。
そういうもんなのかな~と思っていましたが、Seinfeldのこのエピソードではそれを真っ向から扱ってたから驚きましたよ。
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