Four Seasons(フォー・シーズンズ)のFrankie Valli(フランキー・ヴァリ)は、自分たちはJERSEY BOYS(ジャージー・ボーイズ)の大ヒットにより、ようやく正当な評価を受けるに至り、人々の愛と尊敬を実感していると語りました。
Four Seasonsは、レコード・セールスとしては成功していたにもかかわらず、評価は必ずしも芳しくなく、その全盛期にあってもBeatlesやBeach Boysの陰に隠れている存在でした。74歳になったフランキー・ヴァリは「この業界においても、大した扱いではなかった」と言っています。
そして、2005年末にBroadwayでオープンしたFour Seasonsの伝記ミュージカルJERSEY BOYSもここまでのヒットになるとは想像していなかったとも。このミュージカルは、これまで、Broadwayだけでも1300万人の人が観ており(リピート率は高いと思います)、今やLas Vegas, Chicago, Londonでも上演されていて、全米ツアーも各地で大盛況。今後もドイツやフィリピンでも上演されるという話が出ているそうです。
こういう流れになると…「日本は!?」と叫ばずにはいられない~!
ある所では、「中国ツアーの話が出ている」という噂もあって…はぁ~!!日本に来てよ!!…とホントに叫んでしまいましたよ。何でも「中国では、彼らの歌が中国語で歌われ続けてきている」とか…はぁ!!それ、日本の間違いじゃないの?…だって、60年代から70年代にかけての時代でしょ?かの国で、アメリカのポップスが歌われていたとは思えないんですが!!日本なら、昔から「シェリー」とか歌われているし、あのShort Shortsだって某有名バラエティー番組のオープニングに使われているし!
まず、日本に来なさい!!!!
で、話は戻りますが…
Four Seasonsの数々のヒット曲を手掛けているメンバー、Bob Gaudio(ボブ・ゴーディオ)は、2004年にLAのトライアウト公演での観客の熱狂ぶりを目の当たりにし、信じられない思いだったと語ります。Californiaなんて、まんまBeach Boysのテリトリーなのに…。また、この成功は、まず自分たちのことをありのままストリーにしても構わないとする決心があってのことだったと言います。New Jerseyの厳しい環境の中で、メンバーの逮捕歴、不和、またフランキー・ヴァリの娘の薬物過剰摂取による死など…長年のファンの反応が心配だったとも語っています。
フランキー・ヴァリは、今いるメンバー3人で、アメリカ以外のプロダクションのものも観ていきたいと考えているそうですが、Tommy Devito(トミー・デヴィート)が飛行機嫌いらしい。(かわいい~)
ところで、60年代のFour Seasonsのライブ映像を見ると…今さらですが、フランキー・ヴァリのボーカルが半端じゃない!あんな凄いファルセットは聴いたことないですよ。Jersey Boysのフランキー役の役者さんたちも頑張っていますが(彼らは「演じる」ことも重要な仕事ですから)…やっぱ、本家の声はスゴイ。中音部は、ちょっとハスキーで撓るような声質なのに、いったん「裏返ると」凄いんです!どこまでも伸びるし…。「高い」だけでなく「力強くて」「ファンキー(当時はこういう言葉はポピュラーじゃなかっただろうけど)」「ファルセット」というのは、どことなく「ホンワカ」したイメージがありますが、彼の場合は、あくまでも「アグレッシヴ」な、「ぶっ飛び系」ファルセットですね。ひぇ~…
ボブ・ゴーディオは「フランキー・ヴァリは昔から素晴らしかった。今、ようやく『居るべき位置』に着いたんだ」と言っています。
先日、この脚本を書いたRick EliceがTVでJERSEY BOYSファンの凄まじさを辛口ユーモアで語っていました。…ま、特に珍しい話でもないですね(笑)日本のYon様ファンのおばさまたちとやってることは変わらないというか~Rick氏が言うには「Las Vegasのオープンの日には全米からファンが集まった。みんな既にネットで繋がっていて、情報も仕入れていた。はるばるロンドンへ遠征して、詳細な観劇記録をブログに載せる人もいる。みんな各プロダクションのキャストも全部知っており、力づくでスタッフの中に入って来るような感じで、独占欲も強い」(ちょっとちょっと…)「ファン層は8歳から80歳までだけれど、一番多いのは60歳前後」とも(笑)
キャスターは「RENTもSPRING AWAKENINGも若い子がファンの中心なのに、なんでJERSEY BOYSだけがそんなにファンの年齢層が高いの?」と笑いながら尋ねていましたが…そりゃ、リアルタイムで知っている世代だからでしょうがw
それと、「以前は(どちらかと言えば)過小評価」「でも、今になって大ブレイクと再評価!!」「人生なんてどこでどうなるかわかんない」「大逆転だってありうるんだ」…ショーそのもののノスタルジックな雰囲気だけでなく、こういう要素も中高年にはたまらん展開ですよ!!
若いもんには分かるまい…
さて、私もJERSEY BOYSなんてカテゴリーまで作っちゃったからには、少し、このショーを「演劇的な」側面からも語りたいと思います。
これはFour Seasonsの曲を中心に構成されたで伝記ミュージカルであります。ショーは、当然彼らのヒット曲が満載なわけでありますが、ただね~(ここからが大事)同じくジュークボックスものとして興行的に成功したMAMMA MIA!と同じものを期待していると、ちょっと微妙かもしれません。
そんな「華やかな」ショーではありませんしね。(奇麗なお姉ちゃんも出てこないし、カッコいいダンスもない)4人の主要キャストがナレーターをつとめながらストリーは進行します。彼らはそれぞれ、ナレーターになったり、ストリーの中に入ったりしながら…つまり、その都度視点を変えながら…筋に関わっていきます。(多重の語り)また、ステージもシンプルです。音楽機器の他にはテーブルとグラスがあるぐらいで、後はプロジェクションで視覚に訴えるという手法がとられています。(イメージの多重表現)
Las Vegasでフランキー役をしているRick Faugnoはインタビューの中で「アメリカ演劇の伝統的な手法にも注目してほしい」と語っていましたが、まさに、テネシー・ウィリアムズとかソーントン・ワイルダーあたりの劇作家が編み出した、斬新且つアメリカ演劇のお手本のような手法を踏襲しているような感じ。(だから、批評家受けもいいんだと思いますが)
ですから、一部NY旅行ガイドに紹介されているように(いちいちチェックしてるのか…笑)「曲だけを楽しめばいい」ではちょっと勿体ないショーであることを付け加えておきます。
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