大変悲しいニュースが入ってきました。
フォー・シーズンズ結成時のメンバーであるトミー・デヴィートが、新型コロナウイルス感染による合併症のため、2020年9月20日に92歳で逝去しました。
同じく結成時のメンバー4人のうちのニック・マッシは2000年に亡くなっています。
本ブログの中で今なおアクセス数が多い記事 トミー・デヴィート語る では、往年の音楽ファンの間でも忘れられつつあった彼の存在が、ブロードウェイ・ミュージカル「ジャージー・ボーイズ」の大ヒットによって注目されるようになったことについて、本人が元気に語っています。
トミーは長年ラスベガスに住んでいました。亡くなったのもラスベガスの病院でした。
2006年のトニー賞授賞式には元気な姿を見せていましたが、
もともとトミーは飛行機が苦手で、東海岸へ来ることはまれだったそうです。
「ジャージー・ボーイズ」が2008年3月にラスベガスでオープンして以来、トミーは時々そちらに顔を見せていました。ラスベガスでボブを演じ、のちに映画版でも同役を演じたエリック・バーゲンは「カーテンコールが終わって舞台のそでに戻ると、そこにトミー・デヴィートがいたことがあった」とツイートしています。
2016年9月にラスベガス・プロダクションがクローズしたときも姿を見せました。そこでは、ファイナルのショーに駆け付けたファンとも気さくに写真を撮ってくれていました。(羨ましい)
それ以降は、表へ出ることはなかったようです。1年ぐらい前に、友人の一人がトミーの体調がよくないことを伺わせる内容のことをFBに書いており、少なくとも、それまでのように、何かのイベントにひょっこり顔を出す…ということはもうないのかも、と寂しい気持ちに襲われたものでした。
1か月前にコロナに感染しているというニュースが入り、亡くなる1週間前には、近親者の一人から「トミー・デヴィートは医療従事者の懸命の努力のおかげで、短い間ではあるが自力で呼吸できるようになってきている」という報告もあり、奇跡を信じていましたが…結局、それはかないませんでした。
さて、本国アメリカを中心に世界に発信されたトミー・デヴィートの訃報ですが…日本では、音楽情報サイトが「フォー・シーズンズの結成時のメンバーの一人」として、お馴染みのSherry, Walk Like a Manなどの大ヒット曲ととともに伝えました。
ただ「ジャージー・ボーイズ」については、日本の音楽情報サイトでは、全く触れられないか、おまけのように(!?)言及されていただけでしたが…まぁ、日本での受容の現状をよく表していると思います。
New York Timesなどは「ジャージー・ボーイズによって、若い世代の新しいファンが大勢生まれた」と丁寧に解説しています。こういう風に書いてくれると嬉しいですね。私も「ジャージー・ボーイズ」によって彼らを再認識した一人です。昨年のフランキー・ヴァリ&ザ・フォーシーズンズの来日公演でも、「ジャージー・ボーイズ」の来日公演、映画版、日本版がきっかけとなって彼らの音楽に惹かれた人たちが集まりました。
また、「ジャージー・ボーイズ」を高く評価しているChicago Tribuneの劇評家クリス・ジョーンズは「トミー・デヴィートがいなければ、ジャージー・ボーイズは全く面白くない話だっただろうし、彼なしでは、このグループはニュージャージーから出られなかっただろう」と語っています。
それですね
「ジャージー・ボーイズ」はあくまでもフランキー・ヴァリ&ザ・フォーシーズンズを「モデルにした」物語で(85%は真実だ…と、生前のトミーは話していました)ドキュメンタリーと見るにはちょっと無理があります。(日本の熱心な音楽ファンの間でジャージー・ボーイズがなかなか盛り上がらないのはここですかね…)
ただ、実在のミュージシャンをモデルとしたミュージカルは次々と作られていますが、今なお、トニー賞、オリビエ賞などの世界の名だたる演劇賞で「作品賞」を獲っているのは「ジャージー・ボーイズ」だけです。このジャンルで、「ジャージー・ボーイズ」以上の作品は出ないだろうと思っています。とにかく、劇作品としてはとびきりの完成度。
まぁ、それについては、このブログでしょっちゅう書いていますが(笑)とにかく、フランキー・ヴァリ&ザ・フォーシーズンズという、舞台で大化けしそうな「素材」を見つけ、良質の作品に仕上げたクリエイターたちの手腕もさることながら、モデルとなった現存のメンバーたちの「関り」が完璧だったのでしょうね。
こういうのは、モデルとなる人が口を出し過ぎて、いろいろ忖度しながら作っているうちに、結局はつまらない作品になった…っていう例もままある。
もっとも、「ジャージー・ボーイズ」については、フランキー・ヴァリとボブ・ゴーディオからは「トミーをヒーローのように描かないでくれ」という要望はあったそうですが。(なんか…面白いですね…笑)
トミー・デヴィートは、その生来の個性といい、自分がモデルとなった「ジャージー・ボーイズ」への関わり方といい…「劇のキャラクターとなった実在の人物」として完璧でした。
トミーは長年ラスベガスに住んでいましたが、葬儀は故郷のニュージャージー州ベルヴィルで執り行われるそうです。
Tommy DeVito
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