The N-Word Burial and Michael Richards in Cambodia
2007-07-12
N.A.A.C.P(全米有色人地位向上協会)がデトロイトで、いわゆるn-word(黒人への蔑称)を葬るセレモニーを行いました。そのころ、Michael Richards(マイケル・リチャーズ)は…
松の棺に入れられたn-wordは馬車に引かれて墓所に向かい、そして埋葬されました。
デトロイト市長であり、アフリカ系のKwame Kilpatrick氏は「今日、私たちは単にn-wordを葬るだけでなく、私たちの心の中からこれを取り除かねばなりません。売春、ギャンブルなど、この言葉と共にある全ての愚かな行為をも葬るべきなのです。」と訴えました。
この運動を全面的に支持したラップミュージックの人気スターがいる一方、若いアフリカ系アメリカ人の多くは日常的に、挨拶代わりにこの言葉を使っているという現実があります。ラップミュージシャンや黒人作家の中には芸術表現として使う分には問題はないはずだとn-wordを擁護する動きもあります。しかし、最近、Michael Richardsやラジオのトークショー・ホストDon Imusが黒人に対してこの言葉を使って問題になったことが、n-word禁止運動の動きを加速させたようです。
南カリフォルニア大学のBoyd教授はこのイベントは「信じがたい時間の浪費」であるとし、銃撃を受けた傷口にバンドエイドを貼っているに等しく、社会的に何の影響もない。黒人社会内部のもっと差し迫った問題を解決する為にエネルギーを使うべきであると批判的です。
また、アトランタのラップミュージシャン、Lex Louchは「n-wordを根絶するのは簡単じゃない。仲のいい友達同士が会えば、普通にn-wordで挨拶をするし。それに取って代わる言葉もない。」と言っています。
N.A.A.C.Pは60年以上前にも似たようなセレモニーを行っています。そのときは、Jim Crowとして知られる南部の黒人差別法を、やはりこのデトロイトの地に葬ったのでした。
Jim Crow Museumの現在の館長、David Pilgrimは「これでn-wordが使われなくなるとは思わないが、これが人種問題について話し合うきっかけになっていくことに意味があるのだ。」と話しています。
さて、こういう話になると必ず出てくるのが、昨年末にMichael Richardsがコメディ・クラブで激しくやじる黒人客にn-wordを浴びせかけた事件。
そのときの記事はこちら
当のMichaelはその後どうしているのかしら…と思っていたら、LA TIMESにこのような記事がありました。
彼は今、カンボジアの地で自分自身と向き合っているのだそうです。
LAにあるヒンドゥ教の団体が行うツアーに参加し、カンボジアの人里はなれた寺院でミーティングに参加したり、アンコールワットの遺跡を見学したり、またカンボジアや隣国タイの人々の貧しいけれども温もりのある生活に触れるなど、新しい発見の毎日らしい。
Michaelは例の騒動の3ヵ月後からこの団体に顔を見せるようになったらしいですが、今回のカンボジア行きはあくまでも「ツアー」であり、正式にこの団体のメンバーになったわけではないと言っています。また、例の騒動を特に意識したわけでもなく、もともと東アジアに興味があったのだとも強調しています。
昨年の騒動については、あくまでも率直に自分の非を認めているようで、それが比較的好意的に受け止められているのがせめてもの救いかなぁと思いますよ。あれだけ人々に愛されたキャラクターを演じた人なのですから…ホントにこのまま干されてしまうなんてことになったら、泣くに泣けない…というのがファンの正直な気持ちじゃないかな
Michaelはもうstand-upはやらないと言っています。自分を見つめ、人への感謝の気持ちを確かめるためにも、しばらく休暇を取りたいと考えているそうです。
Michaelは「人生はいつも人を笑わせるようなことではない。今の僕は、一人の人間として、人間そのものについて理解しようとしているんだ。」また、人のうちにある霊的なものの成長ということにも関心があるようですね。
「霊的なものを構成するのは心だ。人を笑わせるというのはまた別のもの。SEINFEKD{となりのサインフェルド}のKramerを10年やってきて、人々により人生を楽しんでもらうことができた。病床にいる人でさえもKramerの名前を呼んでくれた。これがKramerのキャラクターが僕に与えてくれたことなんだ。ありがたいと思うよ。これこそ自分自身を他者に開放していくことなんだ。」
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