Jerryの部屋で落ち込んでいるGeorge。
新しい彼女、Sashaとうまくいきそうだと期待していたら、Latvia出身の彼女は熱心なLatvian Orthodox(ラトビア正教)の信者で、彼女の親は違う宗教の人と付き合うのを許してくれない。
SashaはGeorgeが無職で親と住んでいるのも知っていて付き合ってくれた女性なのに…彼女となら結婚できたかもしれないのになぜ?!
「こうなったら、僕も改宗したいくらいだよ!」と言い出すGeorge。
JERRY: You know it’s not like changing toothpaste.
(あのさぁ、それって歯磨を変えるのとは違うんだぜ。)
ELAINE: I think it would be romantic.
(あーら、ロマンティックなことじゃないの。)
GEORGE: Really? (ホント?)
ELAINE: Yeah, it’s like Edward the Eighth abdicating the throne and marrying Mrs. Simpson. Ooh.
(ええ、まるでエドワード8世がシンプソン夫人と結婚するのに王位を捨てたようなことよ、いいわ~。)
GEORGE: King Edward. King Edward, Jerry.
(キング・エドワードか。キング・エドワードだよ、Jerry!)
JERRY: Yeah well, King Edward didn’t live in Queens with Frank and Estelle Costanza.
(ああ、でキング・エドワードはコスタンザ夫妻{Georgeの両親}とQueensにすんでいるんだー。)
ELAINE: George I was just kidding around.
(冗談で言っただけよ、George!)
GEORGE: No. I wouldn’t even have to tell her. I could surprise her.
(いや、彼女に言わないで改宗して驚かせるんだ。)
ELAINE: George I wasn’t serious.
(George、本気で言ったんじゃないのよー!)
GEORGE: How hard could it be? You make a little contribution, you have a ceremony. I am going to think about this. I am really going to think about this.
(そんなに難しいことじゃないさ。ちょっとばかし寄付をして、儀式をしてさ…。考えてみるよ、マジで!)
Georgeは部屋を出て行く。
ELAINE: I guess this one is my fault.
(これって、私が悪いんじゃないわよね。)
JERRY: Oh yeah.(ああ!)
Georgeは早速、ラトビア正教の教会に来ている。

FATHER-PRIEST: Why do you want to accept the Latvian Orthodox faith?
(なぜラトビア正教の教えを受け入れたいと思ったのかね?)
GEORGE: In this age of uncertainty and confusion, a man begins to ask himself certain questions. How can one even begin to put into words something so um…
(この不確実性と混乱の時代、人は自分自身にある問いかけをし始めるのです。どうすれば、この何かを言葉にできるんだろう…)
FATHER-PRIEST: Enigmatic? (得体の知れないものを…かね?)
GEORGE: No. (いや)
FATHER-PRIEST: Vast? (広漠としたもの…)
GEORGE: No not vast (広漠じゃなくて)
FATHER-PRIEST: Well whatever it is, basically you like the religion.
(まぁ、なんであろうが、基本的にはこの教えが気に入っているのだね。)
GEORGE: Yes. (はい。)
FATHER-PRIEST 2: Is there one aspect of the faith that you find particularly attractive?
(特に魅力を感じている教えというのはあるのかね?)

GEORGE: I think the hats. The hat conveys that solemn religious look you want in a faith. Very pious.
(つまり、{若い方の神父を指差して}その帽子なんです、神父様の。その帽子からあなた方が信仰の中に求めている厳粛な感じが伝わってきます。とても宗教的な。)
このあたりから、Georgeお得意の「知ったかぶり」「テキトー」のオンパレード。
FATHER-PRIEST: Are you familiar with Orthodox theology?
(正教の神学理論には詳しいかね?)
GEORGE: Well perhaps, not to the extent that you are. But I know the basic plot. Yeah.
(ええ、おそらく、あなた方ほどではないですけど。でもだいたいの筋書きは知ってます、はい。)
FATHER-PRIEST: Plot? (筋書き?)
GEORGE: Yes. You know the uh flood, and the uh lepers, and the commandments and all that.
(ええ、つまり、あのー洪水とか、病人とか、戒律とかそういったものでしょ。)
FATHER-PRIEST 2: Well it’s obvious that you are sincere in your desire.
(あなたが心から{改宗したいと}願っているのは明らかなようです。)
GEORGE: Oh yes I am Father. Incredibly sincere. So, uh, pffft, am I in?
(はい、そうです神父様。ホント、マジで心から願っているんです。で、ふっ…入れてくれる?)
FATHER-PRIEST: The first step would be to familiarize yourself with these texts (brings out a pile of books).
(まず、最初にこのテキストをよく読んでください。{分厚いテキストを何冊も持ってくる})
GEORGE: Ah hah. You see Father, I’m I’m incredibly anxious to become a member. Um, don’t you offer any kind of an express conversion? A quick change?
(えっ…あのぅ神父様、僕、僕はホントに信者になりたいんです。だからその、、なんかexpressコースなんてないですか?パーッと改宗できるようなさ…)
神父役のKay E. Kuter 氏、3年前に亡くなっておられるのですね。

X FILESでも見たことがあります。その時は、霊能者の役でした。
さて、Georgeの方はSashaと結婚するためなら…と真剣にテキストを読み、改宗の試験はカンニングをして(!)驚くべき好成績でクリア。いよいよ改宗の儀式です。
ところが、うるさい両親にバレてしまって大騒ぎに。

ESTELLE: Latvian Orthodox? Why are you doing this?
(ラトビア正教ですって!?どうしてそんなことに?)
GEORGE: For a woman. (女のためだ。)
FRANK: A woman? What are you out of your mind?
(女だと?何を血迷っておる?!)
ESTELLE: Why can’t you do anything like a normal person?
(あなたのやることは全ておかしなことばかりじゃない!)
FRANK: Wait. Is this the group that goes around mutilating squirrels?
(待て!それはリスの手足を切断するような奴らか?)
GEORGE: No it’s a regular religion.
(違うよ、これは普通の宗教だ。)
FRANK: I’m calling my lawyer. It might not be too late to get out of this.
(弁護士に相談しよう。今なら足を洗える。)
GEORGE: I don’t want to get out of it.
(足を洗いたくなんかないよ!)
ESTELLE: George, you don’t know what you’re saying. You’re under their control.
(George、あなたは自分の言ってることがわかってないのよ。あなたはコントロールされてるんだわ!)
FRANK: What, they brainwashed you?
(奴らは洗脳したのか?)
GEORGE: No no. (いや、違うってば。)
FRANK: You’re not performing any rituals in this house.
(この家でいかなる儀式も行ってはならん。)
ESTELLE: Go back to the psychiatrist. I beg you.
(お願いだから、またお医者さんに行って。)
FRANK: And stay away from those squirrels.
(それと、リスに近づくんじゃないぞ。)
相変わらず濃くて可笑しいGeorgeのパパとママ。
パパの方が少しずつ「ずれていく」感じが笑えるんですね、これが。
このエピソードでは、Georgeの改宗の話以外にも、Kramerに憑いているという「獣のフェロモン」に参ってしまったLatvian Orthodoxの見習い修道女が宗教を捨てる!と言い出して、それがまた騒動にもなったりします。これはこの次に取り上げますね。
Latvian Orthodoxとは、脚本家がこのエピソードのために作った「架空の」宗教のはずだったのですが、実は、規模は大きくないけれど、Latvian Orthodoxなる宗教が存在していたのだそうで、そこの関係者はこのエピソードを見て大そう喜び、SEINFELDのスタッフや出演者はLatvian Orthodoxグッズ(Tシャツとか…)をたくさんもらったのだそうです。
この頃のSEINFELDは毎回、驚異的な視聴率を叩き出していましたから、そういう番組で取り上げられるのはこの上なく喜ばしいことだったのでしょう。(儀式を茶化したり、カンニングして改宗するような内容なんですが…いいんでしょうかね{笑})