古代ギリシアの喜劇『女の平和』
最近、ブロードウェイの「噂話」の収集に余念がないわたくし…
前回は、有名映画の舞台化GHOSTについて書きましたが、今回は、11月にプレビューが始まるLYSISTRATA JONESでございます~
これは、日本の劇団でもときどき取り上げている、アリストパネスの喜劇『女の平和』がベースになっています。(紀元前500年に書かれた作品)
この『女の平和』というのは、男たちが戦争ばかりやっているのを腹にすえかねた女たちが立ち上がる話。女たちは、敵・味方関係なく手を結び、「戦争を止めないのなら、わたくしたちは『夜のお勤め』を断固拒否します!」と宣言するわけ。(先頭に立つのがLysistrataという女性なのです)…まぁ、男にしてみたら、戦争も大事だけど…そっちを絶たれても困る~みたいな(笑)それだけでなく、女の中にも「あたし、こんなストライキ、やってられない~」なんて「スト破り」しようとする裏切り者が出ていたりとか(!)でも、そんなドタバタの中で、平和なハッピーエンドを迎えるわけ。
全体を見ると、下ネタもありの艶笑コメディのようでもありますが、実は、普遍のテーマがそこにあるというか~ですから、何千年たっても、世界中で上演され続けているわけでしょう。
この秋にBWでオープンするLYSISTRATA JONESは、舞台を大学のバスケットボール部に移し、弱小チームを何とかしようと、チアガールたちが立ち上がる話のようです。一方、コロスを登場させるなど、元のギリシア劇の形態も取り入れながら、面白おかしい風刺コメディに仕上げているらしいですね。(登場人物に「カナガワさん」って人がいますよ)
で、このLYSISTRATA JONESの「BWまでの道のり」(←これ、興味ある)というと、昨年、リージョナルでNEVER GIVE UPというタイトルで上演し、この春にLYSISTRATA JONESとタイトルを変更し、オフBWプロダクションとして、グリニッジ・ビレッジの教会にあるジムで上演し、そして、めでたく、BWトランスファーとなったわけです。ま、こういうコースとたどってきた作品は、本当に舞台を愛する人からは、まず、好感を持って迎えられるとは思います。
ただ、NY Timesの、クリエイターのインタビュー記事などを読んでいると、元ネタにはあまり触れられていませんね…とにかく、楽しいショーなのだと、ひたすらそこを強調してあります。オフでの、観客の感想は、けっこう賛否両論でした。
昨年のSCOTTSBORO BOYSのように、批評家受けは素晴らしくても、集客できずに短命に終わるのか、…と思いきや、蓋を開けてみたら、BOOK OF MORMONにも劣らぬ面白い風刺劇で大ヒット!!って展開になるのか?
ま、後者は無い気がしますが(苦笑)
ワタクシとしてはですね
みなさまに「へ~え、スポーツのシーンを取り入れたミュージカルも面白いんだな~」的な雰囲気だけは伝えといてくださいませ、ヨロシク!
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ゆう
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