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And This Is Not Elf Land

SEINFELD 5-15 The Pie(パイを拒む理由)

※SEINFELD(となりのサインフェルド)5-15’The Pie’(誠意があるならパイを食え)の筋書きが書かれています。

レストランでパイを勧められても食べない人たちの話。

正味22分の中に、無駄な台詞も動きもない、練り上げられたものが「ぎゅッ」とつまった見事な構成のエピソードですよ~(たまにも褒めなきゃ…笑)

Jerryは新しい彼女Audreyといい感じで食事をしていました。彼女も満足そう。

最後にアップル・パイを注文して、彼女にも勧めるんですが、彼女は急に険しい表情になって首を振るのでした。Jerryがどんなに勧めても、ただ首を横に振るだけ…。(トップの写真)

「そんな~!」
Jerryはこんな時の対応マニュアル持ってませんよ~。
ギャグをかます訳にもいかないし…。

それまでは楽しくデートしてたのに…
何か気に障ることでも言ったかな?
そんな筈はない。
彼女は甘いものを断っているわけでもないし…Jerryは混乱するばかり。

後日、いつものメンバーがいつものレストランで食事をしている
ダウンタウンのブティックにElaineとそっくりなマネキンがあるって話でみんな盛り上がっているのに、Jerryは心ここにあらず。隣のテーブルの女性のやりとりを見ていたかと思うと、急にそのテーブルに行って…

JERRY: Uh... Excuse me. I couldn't help but notice you offered her a piece of your pie.
(あのぅ、ちょっといいですか?今、見てたんですけど、あなたはこの方にパイを勧めましたよね。)

WOMAN 1: That's right. (そうよ。)

JERRY: And you waved it away.
(で、あなたは断った。)

WOMAN 2: Right. (ええ。)

JERRY: Did you give her a reason?
(その時、断る理由を言いましたか?)

WOMAN 2: Yes, I was full.
(ええ、おなかがいっぱいだって。)

JERRY: You were full. So you gave a reason. You didn't just shake your head.
(おなかがいっぱい。あなたはちゃんと理由を言ったんですね。ただ首を振るだけじゃなくて。)

WOMAN 2: No, I'm not a psycho.
(もちろんよ。頭のおかしい人じゃあるまいし。)

JERRY: Exactly. You're not a psycho. You've been very helpful. Thank you very much. Allow me to leave the tip. (sits back with Elaine and Kramer) Well, I think we proven who the psycho is.
(もちろん。あなたは頭のおかしい人じゃありません。大変参考になりました。これ、気持ちです。{お金をテーブルに置く}
{席に戻って}さぁ、これで頭がヘンなのは誰なのか明らかになった!)

ELAINE: We certainly have.
(確かにねぇー!){呆れ顔}


Audreyの父、Poppieもレストランを経営し、自らシェフをしていました。Poppieは、このエピソードの他に、ここにも出てきます。

JerryはAudreyに招かれてPoppieのレストランに行くのですが…まだ固執している「パイの件」。

理由を聞き出さないと気が済まないJerry。
Audreyは辟易している。
いろいろ言いたいことはあるんだけど、have a break
Jerryはひとまず洗面所へ。

Jerryが手を洗っていると、Poppieが「個室」から出てきて
「よく来てくれたねぇ」なんて、愛想よく挨拶しながら…

「手を洗わないで」キッチンに戻っていった!
はぁ!?
もう、Jerryは頭が真っ白ですよ。


悪夢だ~!!


Poppieが腕によりをかけて焼いてくれたパイを持ってきてくれたけれど
食べられるわけがないでしょ?

今度はAudreyがキレてしまいます。
Jerryが「復讐」に出たんだと思ってしまうのです。

GeorgeはGeorgeで…
かれは就職面接を受けます。
気難しいと評判の社長とも何とか打ち解けて、レストランで一緒にランチとなりました。
これでニート生活にも終止符か!

MACKENZIE: …That's something we don't joke about at MacKenzie. You'll find we're team here George. We don't tolerate dissent. If you want to go your own way, you're in the wrong place.
(わがマッケンジー社では必ず守ってもらいたいことがある。我々はひとつのチームなんだよ。異議を唱える者を大目に見ることはない。自分の好きなようにやりたい者には相応しい会社ではないのだよ。)

GEORGE: No problem there. Conformity is an obsession with me.
(大丈夫です。僕は服従していないと気持ちが悪くなる人間なんで。)

ウェイターがデザートを持ってきました。

WAITER: Chocolate cream pie. Compliments of the house.
(チョコレート・クリーム・パイです。店からのサービスです。)

MACKENZIE: Oh! Hope you saved room for dessert.
(おお、デザートならまだ食べられるだろう。)

WAITER: The chef said that he made it special for you.
({Georgeに}シェフはあなたに特別に作ったんですよ。)

えっ!?

あっ!あのシェフは…

Elaineそっくりマネキンがある例のブティックで、Georgeとバーゲンのスーツを取り合った、あのGeorgeと体型そっくり男!
あのときはGeorgeがいつもの姑息なやり方でまんまとスーツをゲット!したんですが…
かれは「このままで済むと思うなよっ!」と凄い剣幕で去っていった、その男がここのシェフだったのでした。

このパイ、頂くわけにはまいりませぬ!

MACKENZIE: Mmm.. Best pie I've ever tasted. Take a bite George. Well, take a bite. It's delicious. I insist.
(うーん、こんな美味いパイは食べたことがないよ。George、一口食べるんだ。美味いぞ。これは命令だ。)

しかし、首を横に振って拒否するしかありません。

同席していた社員も

BUSINESSMAN: If you're one of us, you'll take a bite.
(我々の仲間なら、一口食べるんだ!)

いえ!食べません!!
つーか…怖くて食べられません!

てな訳で、Georgeの就職も×!
でも、食事の後、社長も社員もお腹を壊してしまったのに、Georgeだけは「無事」でした。

Georgeのニート生活はまだまだ続く。
Audreyのパイを食べなかった理由は永遠の謎。

こうやって見ると、パイを拒否するときの三人の表情
三者三様なんですよね。
演技のディテールにも拘った愉快なエピソードだ。
それと、Elaineの「マネキン騒動」がまたおかしい。(改めて取り上げます)

Poppie役のReni Santoni、キャリアの長い役者さんだったのですが、事実上この役で「人気再燃」となりました。
このエピソードが放送されると、街で若い子達にSloppy Poppie!(ばっちぃポピー!)と声をかけられて嬉しかった…と言っていました。

はぁ!ホントに「嬉しかった」?

お陰で、Santoni氏は「不潔キャラ」が定着しまして(?)
後のエピソードでは、更にパワー・アップした「不潔ネタ」で盛り上げてくれます。

いや~、役者さんも大変ですねぇ。
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