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And This Is Not Elf Land

トミー・デヴィート語る


1971年、トミー・デヴィート氏は清掃業で生計を立てていました。ラスベガスの有力者の家の清掃にかかっていたとき、ちょっとしたはずみで、自分が「シェリー」などで有名なフォーシーズンズのギタリストだったと口走ったら、その家の女主人はびっくり!!

「えっ、あなたが何故ここに!?もう掃除などしてくださらなくていいわ!」「じゃぁ、俺にどうしろって言うんだ!?また、やくざな生活に戻れってか!?」とトミーは清掃用具を取ってもくもくと仕事を続けました。

(なんか「あの人は今」に出てくるエピソードみたいですよ…笑)

トミー・デヴィートが、先日、ラスベガスを中心に発行している雑誌(たぶん…)にグループを脱退してからJERSEY BOYSで再び脚光を浴びるまでの日々を語りました。

トミーはニュー・ジャージーのイタリア移民の貧しい家庭に生まれ、家族はずっと生活保護を受けて暮らしいました。家の中では、父親から頻繁に暴力を振るわれ、外へ出れば、不良やギャングがうようよしている環境だったと言います。そんな中で音楽好きの仲間が集まってフォー・ラヴァーズを作り、それがフォーシーズンズの前身となりました。フォーシーズンズの活躍は知られているとおり…ところが、70年代には、人知れず地味な職業を生業にしていたのでした。

トミーは、未成年のころ、6.7回拘束され、少年院にも1度入っている、と語っています。「10代の頃の俺は相当なワルで、みんなに恐れられていた」それでも、人一倍エネルギッシュに働いたとも…1年間で10万マイルのツアー、1日10時間働いていたと。70年になると精根尽き果て、グループから脱退しました。「追い出されたのではない」と語っています。

10万ドルを持って、兄弟たちとともにベガスに移ってきたのだけれど、そのお金は1年間で使い果たしてしまいました。「バカなことをしたものだ」と語ります。その後、贋札使用で半年間服役したそうです。「これは全部おれの責任。誰が悪いんでもなかった」

出所後はダンサーだった女性と結婚し、家庭を持ちました。また、ジョー・ペシには公私ともに助けてもらったと語っています。「ジョーは体は小さいけれども、心の大きな奴だ」

そうこうしながら、他のミュージシャンの音楽プロデュースを手掛けたりなど、本来の音楽に関する仕事にも関わっていくようになりました。

今はベガスの自宅で家族とともに、多くのゴールドディスクに囲まれて静かに暮らしています。

最大の変化は2005年にやってきました。JERSEY BOYSがブロードウェーで大ヒットしたのです。トミーは、「あの話は殆ど事実だ。ただ、マフィアとのつながりと金銭問題のところには誇張がある」と言います。「あと、洗面台で××したとか、3日間同じ下着を着ていたとか…どうして、あんなふざけた話を思いついたんだか!俺は誰よりも綺麗好きだった」

(いやいや…あそこは「笑い」が必要な場面なんですよ…)

トミーの奥さんと娘さんは、初めてブロードウェーでJBを見たとき、泣いてしまったそうです。
「パパがあんな酷い描かれ方をしているなんて!」(気持ちはわかる…)
でも、トミーは「あのミュージカルのお陰で、俺には多額のお金が入ったんだ!お前たちは、俺に金が入るのが気に入らねえのか!?」と一蹴しました。

(好きだな~!それでこそトミー・デヴィートだよ!!)

トミーは、JBは自分のキャラクターがなければつまらない話になっていただろうということは十分に理解しているのでした。(そのとおりです)

トミーはラスベガス・プロダクションの成功にも非常に喜んでいます。JBをやっているホテル、パラッツォ【追記:現在はパリスでやっています】も今ではJersey Boys Theatreと言った方が通じるくらいだそうで…「こんな日が来るとは思ってもみなかった。お金のことだけではなく」としみじみと語っております。

コメント一覧

master of my domain aka Elaine's
今日はトミー氏の誕生日ですね!
bobby様、コメントありがとうございます。
奇しくも、今日はトミー・デヴィートの83回目の誕生日になりますね。
私自身、フォーシーズンズの中でのトミーの音楽的影響については詳しくはないのですが、少なくともJERSEY BOYSの中では、トミーは重要かつ衝撃的(魅力的でもある)な人物です。インテリではなく粗暴だけど、どんな環境でも生きていける強い生命力を持った人として描かれています。
今調べたら、トミー氏は半生記を出版する予定だそうですよ。読み応えがありそうですね。
bobby
お久しぶりでございます
http://blogs.yahoo.co.jp/bobby_sideup/18839342.html
いやぁ、実に興味深い話ですね、こういう話ってなかなか聞けないというか、目にすることないですよね。
トミーデヴィートは、私の中ではあまり関心のある人物ではなかったのですが、こうやって当時のことを読むと「いろいろあったんだなぁ」って...
フォーシーズンズのことは何でも知りたいのでまた遊びにきますね。
master of my domain aka Elaine's
kumikoさま、こんにちは!

トミーの子どもさんとお孫さんが、団体でJBを見に来ている写真を見たことがありますが、なんか「怖い人の団体」みたいで笑ってしまいました。

昔の写真を見ると、トミーは4人の中でも際立ってハンサムだし、女性にもモテただろうし…「3日間同じ下着」は考えられないと私も思います。むしろボブ・ゴーディオの方が…以下略
Kumiko
いいですねえ
http://navy.ap.teacup.com/kumiko-meru/
トミー・デヴィートさん!舞台の彼を彷彿とさせるキャラクターで、なんとなく嬉しいです。

「グッドフェローズ」のジョー・ペシの役名が「トミー・デヴィート」なのは、やっぱりペシの冗談なんでしょうか。
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