私の体内時計は格別弱いらしい…。帰国してから「夜」は普通に寝るように努力してるんですが、今ぐらいの時間(昼下がり)になりますと、脳内が「寝なさい!」サインを出すんです。あちらの時間では、夜の12時過ぎ…劇場街から戻って一風呂浴びて…そろそろ寝るとするか~って時間をしっかり体内時計は覚えているんでしょう。
しかし、K年期も関係あるんだかどうだかワカリマセンが(きっとそうなんだ)、とにかく辛いもんですね。しかしながら、殆ど「遊び目的のNY」であったが故に「誰にも文句を言えない」のが悲しい。これ、海外出張か何かだったなら(どんなにBroadway三昧してきていようが)他人に当り散らしてますよね、今頃!
それでもって、このような時差ぼけの不快感を払うように「ジュークボックス・ミュージカル数あれども、何故JERSEY BOYS(ジャージー・ボーイズ)が大成功したか?」考察してみようと思います。
その先に、ショーの感想を…
オリジナルではJohn Lloyd Youngが演じたフランキー・ヴァリ役はMichael Lengoriaに交替しましたが、跡を継いだMichael君の評判も上々でしたから期待していたのですが、私が観た水曜マチネはCory Grantが担当していました。
ま、John Lloyd Youngに120点ぐらいあげるとしたら、このCory君は90点あげてもいいです。(ちょっと甘め)なんか、風見Sんごさんと似ていた(笑)何となく「いっぱいいっぱい感」が拭えなかった。初JERSEY BOYSだったという隣のBostonから来ていた奥様は、しきりに私からJohn Lloyd~との違いを聞きたがっておられましたが、彼女はCoryでも十分に満足だと話しておられました。《追記:この後、私はシカゴでCory君と再会~♪そして、ほぼ「追っかけ状態」となりますのでヨロシクこれが第一印象だったんですねぇ~遠い目》
彼はダンスミュージカル出演の経験も豊富なようで、途中、歌いながら華麗なステップを見せたりしましたが、場内の反応は、半分が「おおっ!」と喝采、で、残りは「踊るかよ…フランキー・ヴァリw」なんてちょっと醒めた反応(?)…いやいや、実在の人を演じるって難しいもんですね。
それよりも、トニー賞で助演男優賞を取ったトミー・デヴィート役のChristian Hoffはまだ出ていると聞いていたので、彼に会うのも楽しみにしてたのに!!…この役はアンダーの方でして、すいませんけど…あまりにオッサンで(っていうか、Y岡R也さんにそっくりなんですよ{いや、コレ何の誇張もありません}~確かに、トミーは4人の中で一番のワイルド・ボーイなんだけど)…前述のBostonの奥様も「ちょっとがっかり」と言っておられました(こう思ったのは私だけじゃなかったんだと強調したいらしい…笑)
あと、初期のThe Four Seasonsには個性派俳優のJoe Pesciも在籍していて、彼の役も登場します。前半のストリーでは「回し」のような役割を演じたりします。
しかし、私もTHE SOPRANOSなどを熱心に観ていた訳でもないので(?)イタリア系のコミュニティーについて詳しくは分からないのですが、教会を中心にしたコミュニティーの中でファミリーを大切にする一方で、独特の「掟」もあったようですね。対岸のHell’s Kitchenを舞台にしたTHE SLEEPERSとイメージが重なる部分もありました。
そんな中で、若者たちは黒人音楽にルーツを持つドッ・ワップ(ムードコーラスに近い)を街角で歌っていました。アメリカのポピュラー音楽はどれも何らかの形で黒人音楽の影響を受けていると思いますが、彼らの中では、それがハーモニーやメロディーの美しさを重視したコーラスワークとして現れたというのは、やはり「イタリア系らしい」と私は「勝手に」思うのです。
そして、独特の高音を持つフランキー・ヴァリが加入して様々な流行音楽にも取り入れていきますが、本当に「最良の化学変化」が起きたのは、ソングライターとして才能豊かだったボブ・ゴーディオが加入し、Sherryなどの名曲を、湧きあがるメロディーの泉のように、次々と書き上げてからになります。
また、ボブは前のグループでもヒット曲を出していましたが、それは「一発屋」として終わってしまっていました。Sherryで大ブレイクした後っも「また一発屋で終わったら…」との内なるプレシャーと闘わなければならなかったと言っています。しかし、次作のBig Gorls Don't Cryは映画のワンシーンかを見てイメージが湧いたものでした。次々とヒットを生み出す彼の才能は誰もが認めるところとなりました。
ボブは自分のメロディーとフランキーのヴォーカルの「運命的な相性の良さ」を感じていました。そして、いつかブラス・セクションを入れてサウンドを重厚にしたいんだ…という夢をいつも語っていました。
そして、あの有名な『君の瞳に恋してる』
…あの有名な間奏部で、ステージのロフトに「ラッパ隊」が登場したシーンでは、私も「良かったね、ボブ!」と思わず涙が出そうになってしまいました。この曲は…こういう部分で泣かすのか…憎いね~…
冒頭で「考察する」なんて書きましたが、今日はちょっとそこまで到達できそうにありません(笑)
ただ、彼らの音楽が、あくまでもシンプルな愛の歌であり、彼ら自身も名曲を次々と生み出したけれども、「良い意味で」カリスマ性に欠けていた(Four Seasonsのファンの方が気を悪くされたらすいません。あくまでも私の印象なのです)ということが結果としてはプラスに働いたのではないかと思います。そんなある種のニュートラルな要素が、舞台化のプロセスの中で「どういう形も取れた」というか…
例えば、社会的にも大きな影響を与えたシンガー&ソングライターや激しいリズムで抵抗を音楽にしたロック・スターだったら、どうしてもイメージが「限定」されてしまって、それなりの「舞台化の困難さ」もあったのではないでしょうか?
私は第2幕の最初で歌われるBig Man in Townがとても好きなんですよ。
「今はお金もなくて惨めな生き方をしてるけど、今に町の大物になって、君の家の人たちに認めてもらえるようにするよ~」
こんな曲が、とっても甘く切ないメロディーで歌われるんです。「彼らの言う{町の大物}というのは、きっと世間一般に言う成功者と同一ではないんだろうけど、でもそういう{夢}でさえ、きっと無理なんだろうな…手が届かないことなんだろうな」
そんな、ある種の諦観が優しく響く曲ですね。
to be continued
トップの写真はオリジナルキャスト…ギターの(カッコいいはずの)トミー・デヴィートがっ(!!!)
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