NYから戻ってこられたばかりの方、今から出発される方…いろいろ周辺が賑やかで~(っていうか、私が勝手に盛り上がっているんですが…笑)で、確定ですね。
4月からブロードウェー(BW)のジャージー・ボーイズ(JB)、マチネのフランキー・ヴァリ役はコーリー・グラントになります。これは、先週BWでJBをご覧になったばかりのK様にPLAYBILLをチェックしていただきましたところ、水曜と土曜のマチネのフランキー役としてコーリーの名前がしっかり記してあるそうですから、もうこれは「動かぬ証拠」でしょう。帰国直後でお疲れなのに、PLAYBILLをチェックしてくださったK様、ありがとうございました!
さて、この1年間にBWとシカゴでコーリー・グラントasフランキーを「とてつもない回数」観てしまった私としては、まぁ今後BWのマチネで観られる日本人の方のために、少しばかり彼を紹介しておこうかな~と思うのであります。
しかし、それよりも…日本で、彼がJB以前に、オフオフの舞台に出ているのをご覧になった方っていらっしゃいますでしょうか?(私はむしろ、そっちに興味がある!!!)Fringe NYでベストアクターに選ばれた舞台とか、ベストプレイに選ばれた作品に主演していたものとか…いらっしゃれば、ぜひぜひお話を伺いたいです。そういうマニアックで濃い舞台の方が、より「本領発揮」であったろうと思います。
とにかく、彼のフランキーは…一言で言えば…「ムダに演技が上手い」(!?)
この「ムダに」という表現に私の思いが込められていますよ。だって…だんだん観る回数が増えていくにつれて「そんだけ演技をしていても…誰も注目していないんじゃないだろうか~だって、これ『ジュークボックス・ミュージカル』でしょ。ユージン・オニールとかに集まってくるような客層とは基本的に違うし~」なんて醒めてくるんですよね(笑)でも、その「浮き具合」がちょうど私のツボだったわけであります。
まず「おやっ?」と思うのは、この人は決して「地声」で台詞を言わない。それでもって、Act1とAct2では「声」が変わる。また、顔の表情もコロコロ変わって、舞台で観ている限りでは、どれが「素の顔」なのか分からない。また、頭のてっぺんから指先までしっかり「演じる」ので(小柄な割にはスタイルがいいのと相まって)非常に動きがきれい。
こういう特徴というのは、私から見れば、例えば日本の歌舞伎など、より様式を追求するものと共通点があるように感じるわけです。「様式」と「リアリティー」の両方のバランスを取りながら演じる彼の独特のスタイルに魅せられてしまったわけですよ。まさか、アメリカの若手俳優にこういうスタイルの人がいるなんて…(って、私もあちらの演劇シーンについて特別詳しいわけでもないですけど…汗)
もっとも、ジョン・ロイド・ヤングも演技の上手い人でした。彼の場合は、その豊かな表情で観客から共感を引き出すような…非常にリリカルな演技で魅了しました。コーリー・グラントの場合は非常に技巧的で、エキセントリックですね。どっちにしても、今となれば…二人の「演技の上手いフランキー」に出会えたのは幸運だったと思っています。
で話は戻りますが、コーリーがシカゴで半年間メインのフランキーをやっていたとき、あちらの新聞などにも取り上げられまして、どれも好意的に評価してありましたが、私的には、どこかしっくりこないものばかりでした…褒めてあるのは「歌が素晴らしい」「ファルセットがフランキー・ヴァリそっくりで見事」…
はぁ、どこ見てんの!?…って感じましたね。
だいたい…たいして、上手い歌でもないでしょうが(?)
それでもって、演技にはほとんど触れられてないし~。ちょっと話は前後しますが、数年前のFringeの舞台で受賞したときの劇評では、顔の表情の豊かさ・ボディーランゲージの豊かさ・身体能力の高さをしっかり評価してあって、まさに私の受けた印象がそのまま言葉になっていました。でも、JBの中での評価は…やっぱ、所詮はジュークボックス・ミュージカルなんてこんなもんなのか??…なんてネ(←こんなコト言ってまっせ…汗)
で、歌ですけどね…コーリー・グラントasフランキーの歌は、どう評価していいのか分かりません!ホントに分からないのです。上手いのか下手なのか分からない。下手でもないけど、上手くもない!
で、思い出すのが…
私はTHE PRODUCERSもHAIRSPRAYも、オリジナルで観るチャンスは逃しましたが、それぞれ同じリプレイスメントで複数回観ていまして、どれも好印象でした。しかし、考えてみれば、彼らの「歌」も殆ど印象に残っていないんですよ。とにかく、「OBCRのサントラ盤が馴染んでいる耳にも、全く違和感がない」歌唱だった…ということで満足していたと思います。思ってみれば、これがリプレイスメントのひとつの「キー」なのかも知れませんね。彼の歌唱もそんな感じです。
それでも、彼の歌で上手いと思うのは
↓ ↓
Big Girls Don’t Cry—これが一番ポイント高い。高い声から、低く撓る声までよくでている。アクションもきれいに決まるし、パフォーマンスとしても魅力的。
My Eyes Adore You, Fallen Angel—自分のヴォーカルを過信せずに、謙虚に歌っていることで、逆に曲に表情を与えているような感じ。
Opus 17—こういうミディアムテンポのポップチューンもいい感じです。
逆に、微妙…なのは↓
↓ ↓
Working My Way Back To You, Come On Marianne—中途半端にシャウトしているのがマズイ。だから、声の調子がいい時と悪いときの差がある。
Moody’s Mood For Love--この曲になると、毎回「寝たふり」してました(!?)
最近のフランキー役のリプレイスメントは、オリジナルのジョン・ロイド・ヤングとはタイプの違う「スーパー・ヴォーカル」な人も出現しているようですし、まぁグラント君については、このままJBにいるよりは、より自分の個性が生かせる舞台に出るのがベターだと思います。このままフランキー役のリプレイスメントで終わる人だとは思わないので。
ただ、彼は、JBのキャスティング・ディレクターの目にとまって、オーディションを受けさせられ(本人は「あんまり乗り気でなかった…」とかインタビューで言ってましたが)でも、1ヶ月後にはBWのマチネのフランキー役をゲットしていたという「伝説のスピード出世」の人だけあって、その才能はパフォーマンスの端々に感じられます。観て損はないと思いますよ。
で、日本人から見ると、(舞台の上では)風見シンゴさんにそっくりです(爆笑)これには、夫も全面同意(大爆笑付き)でしたので、私だけの「思いこみ」ではないと思います。不思議なことに、舞台から降りると、全然似てないのですが…とにかく「表情を作る」人なのですよね。(とは言っても、じゃぁなんで「風見シンゴさん」なのか…という説明にはなってないですがね)
ですからMさま、風見シンゴさんを「目印」にしても見つけられませんので、ヨロシクね~
最後は「ネタ話」で終わっちゃったよ!
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