『レッド・オクトーバーを追え』で日本でも有名な作家、トム・クランシー氏と、96年に離婚した元妻ワンダ・キングさんが争っている裁判での出来事。
トム氏は、婚前契約に則って、離婚後も元妻に収入の何パーセントかを慰謝料として支払うことになっているのですが、氏が、近年、小説もTVシリーズも終えてしまったのは、「妻に支払う金額を下げたい」という「トム・クランシー氏自身の悪意」によるものだ!…と元妻が訴えを起こしているのだそうで、長きにわたって争われている模様。
ほぅ…
なんか、いきなりSEINFELD(となりのサインフェルド)っぽい展開だ…
で、このほど、メリーランド州の上訴裁判所は「契約というものは、そこに書かれている文言がすべてなのであり、トム・クランシー氏が一連のシリーズものを終えたのが「悪意」によるものか否かという判断は、カルバート郡巡回裁判所に差し戻す」と言い渡しました。
この判決文の中には、なんとSEINFELDのエピソードの引用があるんだそうです。裁判官もなかなかのユーモアのセンスの持ち主のようですよ。
このエピソードはThe Wig Master。
Jerryは高級ブティックでジャケットを買うんですが、帰宅してからも、店員の人を見下したような態度に腹が立って仕方がなくて…で、結局、ジャケットを返品しに行くんです。
JERRY: Excuse me I'd like to return this jacket.
(すいません、このジャケット返品したいんですが。)
TELLER: Certainly. May I ask why?
(わかりました。何か不都合がございましたでしょうか?)
JERRY: ........For spite...
(なんとなくね、頭にきたからです。)
TELLER: Spite?(頭にきた?)
JERRY: That's right. I don't care for the salesman that sold it to me.
(ええ。これを売った店員が気に入らないんです。)
TELLER: I don't think you can return an item for spite.
(頭にきたという理由での返品は承っておりません。)
JERRY: What do you mean?
(どうして?)
TELLER: Well if there was some problem with the garment. If it were unsatisfactory in some way, then we could do it for you, but I'm afraid spite doesn't fit into any of our conditions for a refund
(もし、商品に何か問題があるとか、なんらかの不満足な点があるとか、そのような場合の返品は承りますが、頭にきたというのは、どの返品の条件にも合っておりません。)
JERRY: That's ridiculous, I want to return it. What's the difference what the reason is.
(そんなばかな!僕は返品したいんです。理由がどうだなんて関係ないでしょ!)
そして、お店のマネージャーが登場。
BOB: What seems to be the problem?
(どうかなさいましたでしょうか?)
JERRY: Well I want to return this jacket and she asked me why and I said for spite and now she won't take it back.
(ええ、僕はこのジャケットを返品したいんです。で、さっきの方が理由を聞くもんで僕は「頭に来たから」と言ったんです。そしたら、そんな理由ではダメだって。)
BOB: That's true. You can't return an item based purely on spite.
(そのとおりでございます。「頭にきた」という理由だけで返品することはできません。)
JERRY:. Well So fine then ..then I don't want it and then that's why I'm returning it
(ああ、じゃあいいでしょ。このジャケット、要らないんです。だから返品します。)
BOB: Well you already said spite so......
(でも、あなたは既に「頭にきた」とおっしゃった。)
JERRY: But I changed my mind..
(気が変ったんです。)
BOB: No...you said spite...Too late.
(いえ、先に「頭にきた」とおっしゃったんで、もう手遅れでございます。)
裁判所が言うには「Jerryは、例えば『サイズが合わなかった』とか『自分の好みではなかった』など、理にかなった理由を言えば、返品できたはずなのだ。Jerryが後になって『実はこれは欲しくなかったのだ』と言いなおしても、これはマネージャーのBob氏に信用できないものとして却下されることになる」つまり「Jerryは『頭に来た』という感情を持ち出して契約上の決定権を行使しようとしたことにより、結局、彼は、相手方には善意をもってふるまうべきという契約上の義務を破ったことになった」
そうなんですか~(私は「ええ~っ、そんなん…普通に返品できるでしょうがっ!」なんて思いながら見てましたけど…ダメなの!?)
トム・クランシー側は、これは自分たちに有利な判断として歓迎しているようです。(悪意だと受け止めて、キレた方が負けって?)
一方、元妻の側も、まだ望みはあるとの見解を示しているらしいです。
とにかくこれは、メリーランド州でもっとも権威のある裁判所がSEINFELDを引用したということが、ちょっとしたニュースになっているのです。
早い話が…このケース自体がnothingだと思われている!?
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