ソーントン・ワイルダーのOUR TOWN(わが町)を観ました。
これまた『ガラスの動物園』に引き続き、なかなかディープな演劇体験。場所はChicagoの中心部とオヘア国際空港の中間ぐらいに位置する地区にありまして、ここも分かりにくかった。
地下鉄はシカゴ川を渡ると急にスピードを上げて(っていうか、「暴走」に近い)先頭車両に乗っていた私は冷や汗が出ました。
これが上演されるChopin Theatreというのは、先日のガラスの動物園と同じく、劇場というよりはスタジオという感じです。中に入ると、box officeらしきものが見当たらす、近くの人に尋ねると、首をかしげながら「地階に行ってみて」
で、階段を下りると、サロンがありまして丸テーブルでパソコンをしていた男性に「OUR TOWNを観たいんですけど、box officeはどちらでしょうか?」と尋ねると、「僕がbox officeです」なんて…あらあら~、またまたややこしいところに来てしまったよ(汗)「こちらの会員ですか?」「いえ、旅行者なんです。Theaterinchicago.comでこのプレイをやっていることを知って観に来たのです」「それはよくいらっしゃいました。じゃぁ、入場料25ドルお願いします。始まったら呼びますので、それまでこのサロンでお待ちください」
サロンというのは、欧風のコーヒーテーブルが何台も置いてあって、その周りにはやはり欧風の椅子とソファが並べてある薄暗い部屋。壁には年代物の絵や写真がたくさん飾ってありました。恐る恐る(?)入っていくと、10人余りの人がいて(年配の白人が多い)皆さん口々にHello!と声をかけてくださるんですが…「わ~、私はこの原作に興味があったんで、実際の舞台も見てみようとしたかっただけなんですケド…なんか『来なきゃ良かった』雰囲気だ…」(笑)
何でもいいけど、とにかく早く劇が始まってくれ~~と祈るような思いで、ただただ「固まって」いたのでした。すると、近くにいた3人のおばさんの演劇議論が白熱してしまって…そのうちに凄まじいバトルに!一気にサロンの空気が変わってしまいました。
いや、成り行きを詳しく言うと、二人のおばさんがある舞台を批判しているところにサロンに入ってきた別のおばさんが急に噛みついたのが発端なわけ…
「あながどんなに貶しても、あの舞台は批評家は評価してるわ」
「あら、批評家なんて半分は大うそつきよ。あれはストリーに全然パワーがないでしょ!」
「あなたにそんなことを言う権利があるかしら」
「私は真実を述べてるだけよ!」
「おお、あなたにどれだけの真実が見えてるかしら!」
「そういう口のきき方をする人とは話したくないわね!」
あらら~、まるでリアル映画のシーンだ(汗)ま、まさか武器とか出てこないでしょうね(おいおい)などと片隅でビビっていた私でした。でも、バトルの後は(日本でも同じ?)おばさんたちは元の2対1に分かれまして、一人は憮然としているし、残る二人は「あの人っていつもああなのよね~」なんてヒソヒソ話…
しかし、どこの国でも「おばさんファン」というものは凄まじいものです。でも、なんだかんだ言っても、普段から演劇に相当親しんでいる人たちであることは確かなようで、それなりに目が肥えているからこそのバトル。ああ、別世界なんだな~
OUR TOWNについては、また改めて~
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