だめ!
昨年11月から、クリスチャン・ホフ⇒ドミニク・ノルフィに続く、BW三代目トミー(「三代目」って表現が似合うキャラクターではある…苦笑)になったアンディ・カール…写真で見たときの印象は良かったんですけどね…こちら
この人、WICKEDをはじめ9 TO 5とか、数々のブロードウェイ作品にも出演していて、実際に見ても、華やかで、美しい人でありました。
しか~~~~し!ダメだ、このトミーは!!!
わたくし、前任のドミニク・ノルフィも「地味でパッとしない…」と、文句タラタラでありましたが…が、…今となれば、ドミニクは、このアンディ・カールと比べたら「まだまし」だったと思えてなりません。ドミニク・カムバ~~~ック!と叫びたいくらいだ!
なぜって、ドミニクのマイナス点は「地味でパッとしないだけ」でした。全体的には、OBCのクリスチャン・ホフが作り上げたイメージを大切にしながら演じているのはよくわかりましたから…「努力賞」はあげてもよかったんですよ。今になって、あたしゃ、反省してますよ。「地味でパッとしないだけ」の理由で、文句を言うべきではありませんでした!
そんだけ、このアンディ・カールの「破壊力」は凄かったですね。とにかく、最初っから何かおかしいというか…実は、演出にも、ちょっと変更が加えられたりしているんですけどね…これは、アンディのキャラに合わせて変えられたのか、それとも、最初に変更ありきだったのか…それはワカリママセンですが…とにかく、もっとも致命的なのは、トミーという人物の「ダークな部分」がまったく感じられない点です。なんかねぇ…奴のせいで(もとい、彼のせいで)トミーは、アメコミに出てくるような、「単細胞でおバカな悪役」になり下がってしまいましたよ。トミーって、もっと、セクシーでダークな魅力が必要じゃないですか…
本当のトミー・デヴィートは、貧しい家庭に生まれ、暴力が支配する環境で育ち、本人も親から虐待を受けていたそうです。舞台のトミーのキャラクターにも、人間の暗部を見ながら生きてきたものが持つ、独特のダークな雰囲気があると思うんですが…そういうのが、このアンディにはまったく感じられない!それどころか、「ジャイアン」みたいな、「愛すべきいじめっ子」になっちゃってんの!
勘弁してよね!!!
私は、観ていて、何度も何度も溜息が出ました!シカゴのトミーだったブライアン・マケルロイのほうが、まだマシでした…やっぱ、クリスチャン・ホフ以上のトミーを望むのが無理なんでしょうか?この役の俳優って、そんなに探すのが大変ですか??聴いてんの、プロダクション・スタッフ!!!???
いや、「聴いてんの?」…と言えば、先にも触れましたが、演出も変わっていました。
第一幕は、トミーの金銭問題が次第に明らかになってきて、グループ内に緊張が生まれるシーンで終わります。トミーは高利貸しのワクスマンや他のメンバーたちと睨みあうようにして、「うっわ、これって、この後ヤバくなるんじゃね?」みたいな、何とも言えないイヤ~な空気を漂わせて終わったはずなんですか…新しい演出では、トミーと他のメンバー「3対1」の対決姿勢で、まことに分かりやすく向き合い、トミーは拳を振り上げるんですよ。
はぁ~?…なんでこーなるの!?これ…意図としては、もっと普通に、分かりやすい「善玉悪玉ものの話」にしたかったんでしょうか??そうとしか解釈できないんですが…でも、なんか、すっごい違和感なんですが!「おまえはブルートか!」と叫びそうになりましたよ!
…とにかく、このシーンに象徴されるように、すべてがこういう感じでした。つまり、現ブロードウェイJERSEY BOYSのトミーは「非常に分かり易いワル」(んんんん~?)…それと、この人ねぇ…ホントに顔立ちが「派手」なので、華やかでよろしいんですが~でも、一方では、リアリティーのない漫画的なキャラに見えて仕方がないんです。あんまり地味でもアレなんですけどね~難しいところです。
あとは、アンディ君の歌なんですが…トミー役というのは、歌のパート(特にソロで歌うパート)は極端に少ないんで、歌唱云々についてはスル~してあげてもいいようなもんなんですけどね(笑)しかし、ワタクシ…容赦はしないのでございます(笑)
彼のキャリアをみても分かるように、そこそこに歌える人だとは思うんですけどね~「な~んか変!」…で、「何が」「ヘン」なのかわかりました…彼の歌は「オールディーズ」の香りがしないんですよ。本人も、歌い上げるべきか、ポップな歌い方をするべきか、ちょっと迷っているみたいで、全体的に中途半端でした。特に、序盤のEarth Angel…これは、ドゥワップの名曲なんだからして~もっと、シンコペーションを強調して、ムードたっぷりに歌ってよね。
というわけで、ステージドアでアンディ君が出てきても、サインだけもらって、あんまり話したくもなかった私でありました。彼のもともとのファンの人たちのグループが来ていて、そっちは盛り上がっていらっしゃいましたがね。(セバスチャンのときもそうだった)「いつから、JERSEY BOYSに出ているの?」と訊かれて「ほんの数ヶ月前からなんだけどね」と、初々しく答えていました。「ほんの数ヶ月」だから、キャラクターの解釈も、まだ途上…ってことでよろしいんでしょうかね?
最後に付け加えさせていただきますが、ニック役のマット・ボガート…私のことを覚えてまして、あっちから「元気だった?」なんて、声をかけてくれましたね。一時は、マットasニックで盛り上がりましたんですよね~(ハハハ)気がつけば、彼は、ジャロッドの次に大きな拍手をもらう役になっています。ま…マット君とは「和解」ということでヨロシク(何それ?)
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