かつてのBroadwayの客層と同じでした。
白人率高し。 ベビーブーマー率高し。 メタボ率(?)高し。
ついでにChicagoに限って気づいたことと言えば…
Fallen Angelで泣く率高し。スーツ着用率も高し~
で、肝心のショーの方なんですが
これがまた
↓ ↓ ↓ ↓
素晴らしい~~~~♪
新しくフランキー・ヴァリ@シカゴとなったCory Grant(コーリー・グラント)。完璧です!
歌、演技、身のこなし…すべて、どこにもケチのつけようがありませんでした。
実際、Coryへの拍手も大きかったし、ショー・ストップ(あるいは、それに近い状態)も3回ありました。(Walk Like A Man, Dawn, Can’t Take My Eyes Off Youのあと)前回Broadwayで観たときと比べても彼の歌は格段の進歩を遂げていました。それと、彼の場合は、これまで小劇場系での演技(それも難しい役どころばかり)で高い評価を受けているだけに、非常に演技がうまい。そして、(Broadwayでも見せてくれたけれど)ダンスもイケてる。Sherry~Walk Like a Manの3連続NO1ヒットのシーンの動きも観ていて気持ちがいいくらい!特に上体のキレが4人の中でも群を抜いていて、この人はかなりのダンスのトレーニングを積んでいるんだろうと思わせました。Beggingのイントロのステップなどは、Broadwayのときよりもパワーアップしていて、オープニングのヒップホップなお兄さんもぶっ飛ぶほどだったかも。お客さんの反応は、これもBroadwayと同じく「おやおや…」みたいな感じでしたが、これも、ちょっとした「サイプライズ/ご愛嬌」として、こちらのお客さんにも受け入れられていく予感がします。(追記:ファンサイトによれば、ここのステップはオリジナル・キャストのジョン・ロイド・ヤングこそやらなかったものの、その後のフランキー・ヴァリ役はやっているらしいです…確かに、ジョン・ロイドがこのステップをやっているのを見た記憶はない)
Coryは現在(準備)進行中の新しいミュージカルCUTMANにも共同脚本&主演として関わっています。これは、正統派ユダヤ教の少年がボクシングのフライ級のチャンピオンを目指すも、格闘技と宗教の狭間で悩み苦しむという話のよう。これが具体化すれば、こっちに移るんでしょうね~もったいない(本音)でも、今回のステージを見て、底知れぬ才能を秘めた人(あるいは バケモノ)という印象を更に強くしました。
何というか…この人は、声も表情も、場面ごとに、別人のように変わったりしますね。フランキー・ヴァリ役をやっているわけだから、歌声がカラフルなのは納得なのですが、セリフ部分も、少々くぐもった様な声を低くしたり、高くしたり…「地声は一体どんなんだ!?」という感じです(追記:後日判明…笑。地声は普通の若者っぽい)表情も…まぁ、あんまり華のある人ではないけれど…内面に何かを抱えているような渋い表情に惹きつけられることがあります。イケメン君じゃない分、見飽きない(?)(追記:素顔は目がぱっちりしていて可愛いかったです)
ところで、JERSEY BOYS(ジャージー・ボーイズ)の公式サイトに最近「へ~×100」な記事(なんて安易な表現)がupされました。このストリーはFour Seasonsの4人のメンバーがそれぞれ語りを務めながら進行するものであることから、私は(明日観劇予定の)『ガラスの動物園』(テネシー・ウィリアムズ)に近いものとして受け止めていました。(『ガラス…』も主人公が追憶の世界を語りながら進めていくことから)事実、Las Vegasのキャストもそれに言及していましたし。
ところが、公式サイトの記事では、このスタイルの原型は黒沢明監督の『羅生門』であると明言しているではありませんか。ひとつの事実を4つの視点から描くことで、より多様かつ重層性を持つイメージの世界を構築している…とかなんとか(いい加減ですいません…汗!)とにかく、JERSEY BOYSの根幹にはThe Rashomon Effectがあるのだと…
劇中の「語り手」というのは、ストリーとの距離の置き方に「自由」がある分、真実を伝えやすい立場にある…というぐらいの解釈しか持っていなかったのですが、BroadwayのJERSEY BOYSを見て気付かされたことがありました。「語り手」というのは、「言葉」を伝えるだけでなく、語りながらも重要な「演技」をしているのですよね。「演技」というのが大雑把過ぎれば「眼差し」ということにしようか…「語り手」は「語りの内容」はもとより、語りながら「どのような『眼差』しを『何』に投げかけているか」ということも極めて大きな意味をもつものなのです。そして、これは実際の舞台を見てみないと伝わらない。。
それが如実に表れているのが2幕。事実上、活動の中心がフランキー・ヴァリとボブ・ゴーディオになってしまたあと、一時はヒットメイカーだったゴーディオにも「産みの苦しみ」の時期があります。理想の音を世に送り出すために苦悩の日々を送るボブ・ゴーディオを、舞台のそでから見つめるフランキー。(この場面では、私はCoryの表情ばかり見ていた)
そして「君の瞳に恋してる」という名曲が誕生する。今度はそれを見つめるボブ・ゴーディオ。そして、次のWorking My Way Back To Youも圧巻!当時のニューロックを思わせる骨太なアレンジで聴かせてくれました。ここでは、フランキーも(いい意味でボブから独立して)ボーカリストとしての自立と自信がみなぎっているのです。これを歌うCoryには鬼気迫るものさえ感じましたよ。
このあたりになると、完全に「持っていかれて」しまっていまして、身体の芯からぞくぞく~しびれが全身に伝わっていくような気分でした。
ボブ役のDrew Gehlingも今BWでやってる人よりは好みです。また、娘を失った時にフランキー・ヴァリが歌うFallen Angelについては、Coryはどうしようもない悲しみを敢えて抑えるように歌っていました。(好み好み~)「そんなんでは、声も前面に出ないし、歌そのもののクオリティーが落ちるんじゃ?」という考え方もあるかもしれませんが…彼の場合は、体の内側に共鳴させて歌うような歌い方がしっかりできていて、更に深い慟哭の歌になっていました。「歌い手」は「歌の代弁者」であるべきで、「歌の世界そのもの」であってはいけない…というのが私の思いなのでありまして…Cory君もおそらく同じように考えているのではないでしょうか?共通する感性を持っているんだったら嬉しい(笑)あと「背中で泣く」演技の素晴らしさにも感動!(まだ20代だというのに、なんであんなに上手に「枯れたオヤジの背中」が表現できるんだ!?)とにかく、今後楽しみな人です。
話は戻りますが。いつか『羅生門』を見たいと思います。まさに、足元に真実が!
あとは、ステージ上の「ドラムセット」に象徴されるものについても考えを書いてみたかったんですが…そろそろ寝なければ!
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美都
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