さて、今年の一発目の記事ははやはりタクオタネタから始めないといけないでしょうね。
っということで、昨年、掲示板の方でもちょこっと話題に出した3M/SAのSystem3です。
某フライ関係雑誌の別冊の中で、ほんのちょっと名前だけ紹介されていたので、気にされているタクオタの方もいることでしょうし、逆に全く気付いていない方もいるかも知れません。
このリール、知る人ぞ知る逸品でして、製造されていた時期も数年程度だったようで、あまり球数が出ていません。おそらく某雑誌別冊でも写真が手に入らず、製造元のAPIのところで名前だけの紹介に留まったのかな?なんて勝手に想像しています。
ではさっそく大解剖です。
まずは外観
スプール側に金色でSystem3と記されており、一見してこれがSystem3というリールだと言うことがわかりますね。
っで裏側を観ると・・・なぁ~んにも書かれてません。
そう、外見上はメーカー名さえ判らないようなリールなのです。とはいえ3M/SAのSystemシリーズはあまりに有名なシリーズなので特に記す必要もないような気もしますね。
んで、モデルサイズは何処で観るかというと、リールフットにさりげなく刻印されてたりします。
いや、だからね、自分で持ってても、どのサイズのモデル持ってるのか忘れてしまうわけですよ。とりあえず「小さい方」としか記憶していなかった自分は、この1011をオークションで見つけた時、
「やった!大きい方だ!」
っと、勘違いして頑張って落札してしまったわけで。。。。ほんとうは大きい方は1112というモデルだったのですね。。大汗。
余談はこの辺にして、更に解剖を勧めましょう。
スプールはセンターのネジをコインで緩めることで簡単に外せます。
中身は、なんだかよく分からないおむすび型のユニットが組まれてますね。
このおむすびこそがこのリールの心臓部なのです。
この中に世界に類を見ないブレーキシステムが隠されているのです。
このブレーキユニットはドラッグを完全に緩めた状態だとグラグラと少し遊びがあります。
なんだか不思議ですね。とりあえず周囲の3本のネジを緩めて一枚剥がしてみましょう。
「なんじゃこりゃ?」
って思うでしょ?
これがブレーキシステムです。
キャリパーはありませんがりっぱなディスクブレーキなのです。
もっとばらすと判りやすくなります。
真ん中のひまわりの花みたいなのがワンウェイクラッチを内蔵したディスクローターで上の2本の輪ゴムがブレーキパッドです。強いて言えば外側のおむすび型の板がキャリパーと言うことでしょうか?
分解図の名称で記すと、ローターはラチェットアッセンブリー、輪ゴムがドラグ“O”リング、キャリパーがドラグハウジングです。
ラチェットアッセンブリーの内部まではばらしたことがないので想像でしか言えないのですが(解説書にもこの内部の分解図は書かれていません。)、ワンウェイクラッチはカム&ギアのようです。
おそらくセンターシャフトの穴が空いている中央の板がギアになっていて外側にカムが配置されているのでしょう。
組まれた状態ではラチェットアッセンブリーを真ん中に挟んで、ドラグ“O”リングとドラグハウジングが対称に重ねられています。一見ビッグマック状態です。
ユニット全体をひっくりかえぜば右巻き左巻きの変更が可能となっています(ラチェットアッセンブリーだけひっくり返してもいいんだけどね。)
ドラッグダイアルを締め込むと本体外側に配置されたプレッシャープレートの3本の突起が本体を突き抜けてドラグハウジングを押し、ブレーキユニット全体がスプール側へ動こうとします。
しかしそこはユニットを留める3本のネジがしっかりと動きを制限しており、スプール側のドラグハウジングは動けないわけですね。つまりはドラグ“O”リングが押しつぶされてドラグハウジングやラチェットユニットに接する部分の面積が大きくなるという案配で、ゴムの弾性も加わって締め込むほどにドラッグが強く効くようになります。ブレーキのプレッシャーのためのスプリングは一切使われていません。
非常にユニークなフローティングディスク構造を持ったブレーキですね。
ちなみに、本体外側に配置されたプレッシャープレートの3本の突起が本体を突き抜けてディスクを押すという構造は最近のリールではマリエットラージアーバーに採用されています。(マリエットラージアーバーのブレーキは全くダメダメですけどね。)
実はこのリールにも欠点はあります。
ハンドルノブが摩耗し、粉吹いてくるのです。
クリスマス島で3日目で粉吹いてきました。もう少し耐摩耗性の高い素材が選べなかったのでしょうかね?
まあ、クリスマス島は非常に魚影が濃く、ハンドル回す回数が半端じゃなかったですからね~。しょうがないか?
っということで、〆の写真は世にも珍しい3M/SA System3リールのツーショット写真です。