昨年から久しぶりにベイトリールをいじり始めて,メンテ術はそこそこ身に付き,ここ2か月ほどはマグネットの調節で泥沼に足首位まではまってました。
泥沼と言っても,別に四苦八苦試行錯誤していたわけではありません。ほんとの泥沼(干潟)です(笑)
もともと40年以上前にミリオネア3Hからベイトリールを使い始めたことと,一時は遠心ブレーキさえないバッタもんのベイトリールも使ってましたので,メカニカルブレーキとサミングの絶妙なハーモニーを創り出す快感を知っています。
これを基本にしてマグブレーキがどれだけサミングの代用になるのか?ってところに重点を置いて調節を進めました。
っで,私が保有しているアブリールは,入門者向けのプロマックス,中級向けのディサイダー,そして用途ごとに細分化された上級向けレボシリーズのLTX,パワークランク,ロケット9なのですが,それぞれブレーキに個性があります。
特にメカニカルブレーキに関しては,プロマックス,ディサイダーはメカニカルブレーキのダイヤルを回した時の効きの変化がとてもマイルドで細やかな調節が可能なのですが,レボシリーズについてはどのパーツが影響しているのか?メカニカルブレーキがそこまで細やかに調節できません(中古ですし・・・笑)。
っで,当然メカニカルブレーキに頼った使い方をしていればレボシリーズよりもマックスシリーズの方が細かく調節できるし,そもそも価格が圧倒的に安いので,レボシリーズなんていらないよね~って話になってしまうわけです。
しかし昨今はメカニカルブレーキを効かさずにマグブレーキに全てを任せるのがトレンドなようで,皆さんこぞって「メカニカルゆるゆる」に拘ったセッティングに躍起になっているようですね。
私が思うに,陸っぱりであちこち移動しながら頻繁にルアーを変え,構造物の下にピッチングで放り込んだり沖に遠投したりさまざまなキャスティングを使い分けようと思うと,マグブレーキだけではカバーしきれなくなります。そんな時にはやはりメカニカルブレーキに頼らざるを得なくなるわけで,その点でレボシリーズは汎用性に難があるかな?と感じます。
ただ,リール毎に釣りモノを限定すれば,専門性の高いレボシリーズであっても私の釣りの中で出番はあるのかな?っと。
LTXは8ポンドラインを巻いて3g~15g位のミノーを投げてクロダイやセイゴを釣るのにちょうどいいし,パワークランクは12ポンドラインで下は5gから上は35gのスイムベイト(多分これ以上もOK)までカバーできますのでスズキ狙いにうまくはまってくれそうです。参考までにディサイダーは替えスプール付きですので,スプールの使い分けでLTXとパワークランクの両方の持ち場をカバーしてくれます。凄い汎用性ですね~。予備機に最適です。
っと,ここで白状しますと,私の所有しているLTXのブレーキユニットはLTZ用のものに,パワークランクに至ってはZPIに換装されています。両機とも中古購入した時点でこの状態でしたので,私が何かを狙ってこのブレーキに換装したわけではありません。運が良かっただけです。標準仕様だと使えるルアーの範囲はもっと狭くなるのでしょうね
私が考えるマグブレーキの設定の方向性を簡単に書かせていただきますと,まずは軽い力でトラブルなく飛距離を伸ばしたいというのが最大の望みです。そのためにはサミングによるブレーキを必要最小限にとどめたいのですが,いかんせんそれはかなり難易度が高いことなので,バックラッシュ対策はマグブレーキに全面的に任せてノーサミングで投げるのが良いだろうと考えているわけです。
当然ながら,いろいろなサイズや重さのルアーを投げるということはその都度ブレーキをそれなりに調節しながらということになりますので,結局はメカニカルとマグブレーキのバランスでノーサミングを実現してゆこうという方針です。ですから,あちこちのブログなどで書かれているような「メカニカルゆるゆる」なんてのは論外であり,あくまでもメカニカルブレーキありきでサミングの代わりにマグブレーキと考えます。メカニカルブレーキを効かせた方がラインの放出とルアーの飛行速度のバランスが取れて飛距離が出るという現象を過去に何度も経験してますからね。
「メカニカルゆるゆる」ってのは,ピッチングで低弾道のキャストを行うためにそのセッティングが必要なわけで,オーバーヘッドやサイドキャストで遠投する際にはメカニカルブレーキは必須だと思っています。
そもそも「メカニカルゆるゆる」だと,キャストをスカってしまった時のバックラッシュのダメージが大きすぎます。絶対にミスキャストしないだけの自信がついたあかつきには「メカニカルゆるゆる」もあり得るかもしれませんけどね。
具体的なブレーキの調節方法ですが,メカニカルブレーキの設定は一般的に言われているよりも少し緩め,マグブレーキを最小に設定して竿を水平に保ってリールのクラッチを切った時にスルスル~~~と景気よくルアーが水面まで落ちて行くくらいに設定します。そしてマグブレーキをマックスにしてキャストしてみて,ノーサミングでバックラッシュしないくらいまで少しづつ緩めていくという感じですね。
マグブレーキによる後半の伸びのなさが気になる時にはさらにマグブレーキを緩めてその代りにメカニカルブレーキを少し締めるという微調整を行います。
釣り始めにこれを行っておけば,あとは使うルアーの重量でメカニカルを調整して,空気抵抗でマグブレーキを調整するという感じですかね。
っで,ここからが肝心で,この釣行時の気持ちよく投げれた時のマグブレーキ調整ダイヤルの平均的な位置をよく覚えておいて,ダイヤル位置が強いほうに偏っているようであればマグネットを増やし,弱い側に偏っているようであれば減らしという感じでマグネットを再配置して次回の釣行に臨むということを繰り返し行います。最終的にダイヤルが真ん中あたりに落ち着けばそれでセッティング終了です。
結局のところクロダイ用のLTXもスズキ用のパワークランクも3mm×5個+1.5mm×2個のマグネットでそこそこ良い感じに落ち着きました。LTXはもう少し弱くしてもよさそうですが,そこは適当にダイヤルで調節します。ディサイダーは3mm×5個までしかマグネットが設置できませんが,ダイヤルを少しMAX寄りに設定することでLTXやパワークランクと同じ感覚で投げることができます。またディサイダーにはLTZと同じマグホルダーが使われているので,裏側のマグプレートをLTZ用に交換すればマグネットを2個追加することも可能です。
一方プロマックスは1.5mm×5個と磁力が弱いうえにディサイダーやレボシリーズとはまったく形状の違うマグホルダーが使われているので,マグブレーキの強化は2mmとか3mmのマグネットに交換ということになります。しかしせっかく微調整の効くメカニカルブレーキを備えているわけですから,マグ強化は潔くあきらめて,マグブレーキダイヤルをMAX側から少し緩めたあたりで固定にしてメカニカルブレーキでルアーの重量変化に対応という使い方の方が手っ取り早いです。残念ながら今回のコンセプトには沿わずサミングもある程度必要ですけどね。
たぶんLTXも標準のままであればプロマックスのような使い方が正解なのでしょうが,いかんせんメカニカルブレーキの調節が細やかにできない難点がありますので,マグネットの追加が良いでしょう。部品が入手できればディサイダー用かLTZ用のマグネットホルダーへ換装すれば3mmがスマートに収まります。なお,LTX用標準マグネットホルダーへのマグネット追加の方法はあちこちでいろいろなやり方が紹介されていますのでここでは割愛します。
それにしてもノーマルの設定って良く煮詰められていますね。標準状態でうまく使いこなせるようになれば,開発者が何を思ってそのような商品にしたのか,開発コンセプトがなんとなく理解できます。
最後に,近ごろはベイトリールもスピニングリールもベアリングを交換したりカラーパーツを装着したりというカスタムが流行っているようですね。
ちょっとそこいらの道路に目を向けると空力パーツや車高調節ダンパー,金色の6ポッドキャリパーとか,一般公道では性能を持て余してしまうパーツを装着した車が平気で走っています。
リールのカスタムもそれらと同じようなもので,直接には釣果の向上に繋がらないとか,時には性能ダウンになるような改造であっても,使う本人がそれを楽しめていることが一番大切なのだと思います。私は現実主義者なのでコスパ第一で不要なチューンは行いませんけどね(笑)
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