12/13日経新聞記事です。「エコノミスト360°視点」
(BNPパリバ証券 中空 麻奈氏)
現在国会でも議論されている「103万円の壁」ですが、この論争を見ていて
モヤモヤした気分になると述べています。
103万円の壁をクリアしても106万円(130万円)の壁があり、その上には
配偶者特別控除が減少する150万円の壁がある。
所得税問題をクリアしても今度は社会保険料問題、次には配偶者特別控除
問題と次々発生するし、この全体像を国民が十分理解しないまま国会で
来年から103万円の壁引上げをしようと焦った議論が進んでいることを
危惧されています。
とにかく所得税は財務省、住民税は各自治体、社会保険料は厚労省と夫々
所管が異なるため全体像がわかりにくいですね。
本来なら政府なり与党がこうした税・社会保険全体の仕組みをていねいに
国民に説明し、今回はこうして将来はこのようにしていくというマスター
プランを示すべきです。
第3号被保険者制度含め抜本的改革をするせっかくの機会にもかかわらず
国民民主党に尻を叩かれて小刻みに壁を上げる案や社会保険料の壁に対し
ては企業に負担を押し付ける案など今以上に小手先の対処療法を続ける
雰囲気です。
中空氏も投稿の中で「社会保険関係の壁への対策としてすべての労働者は
被用者保険に入ることも有効ではないか。働きに応じて収入が増えるのは
当然であり、社会保険料負担で手取りが減るのなら制度疲労を起こして
いると言わざるを得ない」と述べられています。
そうなんです、税も保険料も最低の額(最低生活費用相当)は統一した
上で学生であろうが、配偶者であろうがそれ以上の収入に応じて税や
社会保険料は全員が支払うと決めれば何の問題もないと思うのですが