Pioneer SC-3000
音が出る現状品が20,000円で出ていたので懐かしく思って購入しました。発売は1971年ごろで当時のフラッグシップ製品です。回路を見ると何の変哲もない3段E-E帰還形であり、FETも使用してなく差動回路もなくSEPPもなくカスコード・ブート・ストラップ回路もありません。これ以後のC3プリアンプからはやたらTR,FETの数ばかり増えて複雑化の一途をたどります。オーディオを長くやっていると私みたいな素人でも「単純な回路ほど音が良いではないか?」ということが何となく解ってきます。使用してあるTRはあの有名なキャンタイプ松下2SC1478Aを電源を除くアンプ全体にこれしか使用していないという徹底ぶりです。よほど設計者がこのTRが好きだったのかがわかります。
このプリアンプはタンタルコンデンサーを使用していますが年数が経っているので全部交換します。よくAUDIO用コンデンサーの音の違いを言う人がいますが私にはごく普通の一般用電解コンデンサーの方が素直な音に聞こえます。オーディオ用の電解コンデンサーは誇張した音になってしまう傾向があるように思えます。
整備後
周波数特性 L.R=10Hz-70KHz -1db
残留雑音 L=0.03mV R=0.06mV
前面は汚れがあります。電源ランプは切れているようです。
リア側 こちらも汚れが目立ちます。分解して清掃します。MMカートリッジの負荷抵抗切り替えSWも分解清掃します。
一度修理かメンテナンスに出しているようです。
上蓋を取ったところ。ガラスエポキシ基板を使用しています。
プリアンプで大事なボリュームはATTを使用しています。これ今購入したら高いでしょうね。
裏蓋を取ったところ。 こちらの基板も全てガラスエポキシ基板を使用しています。トランスも厳重なシールドがされているようです。
電源基板 2SD357は熱くなるので小さな放熱器を付けます。リレーは電源を入れた時に出力をショートするだけなのでチェックのみ。このリレー、アンプをずっと使っていなかったのかリードリレーの片方の動きが悪かったので取り外して外部電源から何回か作動させたら正常に戻りました。
イコライザ基板 3段直結NF型です。普通PNPとNPNを組み合わせて使用しますがこれは違います。抵抗も高級品を使用しています。コンデンサーはタンタルのようですがこれは全部交換します。
イコライザ回路を書いて見ました。(間違っていたらごめんなさい)
トーンコントロール基板
トーンコントロールはCR切り替え式を採用しています。
切り替えSWは全て分解清掃します。
ボリュームATTは分解しましたがさすがに汚れは無くチェックのみにしました。バランスボリュームは分解できないので洗浄のみ。
LEDはちゃんと直流電源を作成して、電流は10mAで使用しました。
トーンコントロール基板完成
イコライザ、電源、フィルター基板完成
交換部品
L.R=100Hz
L.R=10KHz
完成 こちらも木のケースに入れると高級感が出ますね。
私には電気の基礎知識がなく、テスター以外の測定器はありません。なので、本格的なレストアなどできません。知識と技術をお持ちなのがとてもうらやましく思います。
SC3000とSM3000の音は一度聴いてみたかったです。
それとSC3000の全回路図がネットでありました。すでに御存知かもしれません。EQの回路図は書かれた内容と同一でした。
https://blog-imgs-63-origin.fc2.com/c/r/y/cryptlab/pioneer_sc-3000_sch_Page_6.jpg
私も素人でして、いろいろな方のホームページやブログなどを見て勉強させていただいています。