風の墓碑銘（上）ー乃南アサ

評価４

再読（前回2020年2月1日）。
女刑事音道貴子が勤務する隅田川東署管内で男女と嬰児と思われる白骨死体が発見された。貴子は死体発見現場にあった貸家の家主である今川篤行からの事情の聞き取りを担当していたが、今川が痴ほう症を患っていることもあり捜査の進展ははかばかしくなかった。そんな状況の中で、今川が何者かによって殺害されてしまう。旧知の滝沢とコンビを組んで今川殺害事件の捜査に当たることになった貴子は、今川とのトラブルを抱えていた老人ホームの男性介護士に注目して動き出す。

謎が謎を呼ぶ展開と久し振りにコンビを組んだ滝沢との関係がぎくしゃくする展開に先を急がずにはいられない。しかし、せっかく滝沢の娘の問題に貴子が乗り出すまでになっていた関係が、いつまでもしっくりこないことにどうも釈然としないものを感じてしまう。ど～も、貴子の考えすぎのよ～な気もするのだが・・・