評価5
再読(前回2019年4月28日)。
クリスマスの日の朝、城東三中の敷地内で2年生の柏木卓也が死んでいるのを同級生の野田健一が発見し、警察の捜査や家族の証言から屋上からの飛び降り自殺と断定される。その後、一部父母の間から大出俊次をリーダーとする不良三人組との諍いも指摘され始めた頃に「三人組の犯行を目撃した」との匿名の手紙が学校長、担任教師、クラス委員の藤野涼子の許に届く。警視庁の刑事である涼子の父・剛も動き、三人組の恐喝傷害事件も飛び出し、主人公・藤野涼子の周辺は混とんとし始める。
登場する中学生の家庭環境の描写や性格分析が詳しくて状況が手に取るようにわかる。三人組のこれからの動向、手紙を送った三宅樹理の次の一手、卓也の担任・森内先生に憎しみを持つ隣人・垣内美奈絵のエスカレートする悪事、学校側の対応等々ありとあらゆることから目を一時も離せない!
1巻目の出だしは湊かなえ調だが、最終盤の図書館での涼子と健一の出会いはほのぼのとした青春物って感じで楽しめた。健一のある意味冷静な判断と涼子の自己分析も読んでいて楽しい。
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