評価4
再読(2019年1月24日)。
1965年(昭和40年)『宇宙塵』に処女長編として連載されたタイムトラベル物。タイムトラベル小説の最高峰と謳われ、日本SF史の記念碑的存在となった著者の処女長編。1970年下半期対象の第64回直木賞候補となり、10名からなる選考委員のうち司馬遼太郎は本作を最も高く評価したが、選にもれた。
1945年(昭和20年)5月26日、中学2年13歳だった浜田俊夫少年は東京の大空襲にみまわれ、隣家の伊沢先生から「18年後にまた同じ場所に来てほしい」という遺言を受ける。そして、18年後の1963年(昭和38年)電機会社の技術部長になった俊夫は及川氏が住んでいる敷地の中(旧伊沢邸)のドーム型建物の中にタイムマシンを発見。その中から伊沢先生の娘だった啓子(17歳)を助け出すのだった。その後、過去に戻り伊沢先生を助けるべくタイムマシンで時代を遡ったが戻る時代を間違えてしまったことから俊夫の長い長い第二の人生が始まるのだった。
ちょっと最後の方は話が入り組んでしまって、誰が誰の父なのか?母なのか?頭が?????となること必至だが、戦時中の世情や風俗も登場し時代小説の風情もあり読み応え抜群!
なお、390頁に岩手出身の大相撲力士「花光」の名前が出て来て、かなり懐かしい!!!
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