6時間目に、二つのクラスで道徳の校内授業研が行われました。
一つ目、1年B組では、「広い心」について考えました。
資料は、「二度と通らない旅人」でした。
ひどい嵐の夜、山中の一軒家を旅人が訪れました。
旅人は、一晩泊めてほしい・・・水をいっぱいだけ・・・と頼みましたが、
父親はそれを断ります。
この家の娘は病気で寝込んでいました。
それを知った、旅人は薬だけを残して去って行ってしまいました。
娘の病状はその後悪化し、医者も匙を投げてしまいます。
藁をもすがる思いで、旅人にもらった薬を飲ませると、
娘はみるみるよくなり、きれいな女性へと成長し、裕福な家庭に嫁ぎ幸せになります。
父親は、あの時、旅人に対してとった自分の行動を、
ずっと後悔し続ける・・・というようなお話でした。
このお話を聞いて、どんなことを感じたでしょうか?
あなたならどうしますか?
二つ目、2年A組では、「働くこと」について考えました。
資料は、「われ、ここに生きる」でした。
このお話は、道東霧多布に赴任した、道下俊一医師の実話です。
彼は北大医学部を卒業後、結婚し、医学部の研修医として無給で働いていました。
貧しいながらも、医学博士となって札幌で開業する夢を持ち、妻もその日を心待ちにしていました。
そんな彼に、道東霧多布への話が持ちかけられます。
村では、様々な病気を持った患者が彼を頼ってやってきました。
あるとき、村に赤痢が蔓延し、彼はそれに立ち向かい、村を伝染病から救います。
そんなことがあり、すべての村人から信頼されるようになりました。
始めは、一年間だけだったつもりが、村人たちから懇願され、二年、三年と月日が経ちました。
医学のへの道をあきらめていなかった彼は、努力の末医学博士の資格を得ます。
ようやく札幌に帰って開業できることになったとき、彼は、村を去るか残るかの選択に迫られます。
もう、村にとって彼は欠かすことのできない、大変大きな存在でした。
家族の反対にもあいながら、彼は、
「人間は自分の魂に忠実に、自分に恥じない生き方をすることが大切なんだ。」
と村に残る決心をしました。
妻もそれを受け入れました。
2年生は、今年度、総合の時間で職業体験学習をしています。
きっと、今日のお話を聞きながら、その時のことや、自分の将来のことなどを思っていたことでしょう。
一時間、どの生徒も真剣に考えていました。
あなたは、この道下医師の生き方をどう思いますか。