箱根山が大変なことになっていることは、連日の報道によって知らされています。
大涌谷の硫黄の匂い、温泉卵、箱根の景観は大好きな場所の一つです。
芦ノ湖も釣りのメッカで、釣り人が多く訪れる場所として知られています。
また箱根を訪れる観光客は、平成25年度データにおいては2,000万人を超えるほどになっています。
つまり観光客数の「増加」とともに、多くの「物」が動き、多くの「お金」が動いていることになります。
日本国民の1/6が毎年、この箱根を訪れる計算になるのですから大変な数字です。
勿論、外国人の観光スポットでもあるので、このまま数字を伸ばしたいところでもあります。
そうした中で、福島県の放射能汚染問題にあったような「風評被害」という言葉が使われだしています。
頭の正常な人は、現在、福島の汚染水が何処に流れているかを知り、その汚染水はどうなるのかについてもわかっています。
水は広がりますから、汚染も広がるわけです。
では、この箱根はどうなのでしょうか。
ここに気象庁の発表している記事を掲載します。
噴火警報・予報
平成27年5月6日06時00分 気象庁地震火山部発表
箱根山に火口周辺警報 (噴火警戒レベル2、火口周辺規制)
火口周辺に影響を及ぼす噴火の可能性。
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火山活動の状況及び予報警報事項
これらのことから、箱根山では火山活動が更に高まっていると考えられ、今後、大涌谷周辺に影響を及ぼす小規模な噴火が発生する可能性があります。
対象市町村等
防災上の警戒事項等
火山の状況に関する解説情報
平成27年5月13日21時20分 気象庁地震火山部発表
火山活動の状況
箱根山では火山活動が活発な状態で経過しています。
本日(13日)、関東地方整備局の協力により実施した上空からの観測では、引き続き大涌谷温泉供給施設で蒸気が勢いよく噴出しているのを観測しました。
大涌谷に設置した遠望カメラによる観測では、大涌谷で噴出している蒸気のほかには特段の異常はみられません。
気象庁と神奈川県温泉地学研究所が設置している傾斜計および気象庁の湯河原鍛冶屋の体積ひずみ計では、今回の火山活動に関連するとみられる地殻変動が観測されています。
火山性地震の発生回数(速報値を含む)は以下のとおりです。
火山性地震(うち震度1以上)
8日 49回(0回)
9日 92回(0回)
10日 266回(6回)
11日 62回(1回)
12日 50回(1回)
13日(15時まで) 9回(0回)
低周波地震、火山性微動は観測されていません。
12日の火山性地震の回数を41回としていましたが、50回に訂正します。
防災上の警戒事項等
戒してください。
風下側では火山灰や小さな噴石が風に流されて降るおそれがあるため注意
してください。
地元自治体等の指示に従って危険な地域には立ち入らないでください。
箱根山の「噴火警戒レベル」
現在は噴火警戒レベル「2」です。
気象庁では箱根町を範囲とし、危険なに場所には立ち入らないようということが示されています。
山体の一部が膨張したこともあり、いつどうなるのかは誰も予測できません。
ただ御嶽山の痛ましい事故の発生前には“予兆”があったのです。
その同様の予兆が今回もあります。
人命第一で考えるならば、当面、危険回避は必要不可欠であり、気象庁が言っていることは「風評」ではなく、「事実」だけの報告なのです。
太古に火砕流が発生し、横浜の近くまで流れたという記録があるのに過小評価してよいのでしょうか。
温泉組合の方か存じませんが、温泉は両刃の剣で、それを怖がっていては温泉がなりたたないこと、風評が客足を止めないようにして欲しいといった感じのコメントを聞きました。
諸刃の剣という意味は理解しますが、だからこそ危険な場合は、利益よりもお客様の安全を優先させ、立ち入りを自ら拒み、安全の信頼を高めるべきなのではないでしょうか。
書き入れ時に噴火警報なんて冗談じゃないのはわかります。
でも、その恩恵でこれまでの生活があり、利益を自然からめぐみ与えて貰ったはずです。
その恵があっても、お客様が来なければどうしようもありません。
こういう時こそ正しい決断が望まれるのですが、先に見えるのはお金だけなのでしょうか。
箱根の方をどうこう言っているのではありません。
今、何が起きているのか、それは「風評」ではないということを、しっかりと目を見開いて考えて欲しいということだけなのです。
できたら何も起きないことを“涼風”は望みます。
しかしながら自然の恵は、こうした事象を繰り返して形成されています。
ここに箱根町の「防災マップ」があります。
これをご覧になって前記の気象庁発表の「整合性」を比較してください。
それ以上もそれ以下も説明の必要がないはずです。
どちらも等しい見解です。
※箱根町より引用
箱根町火山防災マップ 火山活動が活発化すると…
噴火までの流れ
水蒸気爆発
ここでは、最も活発に噴気をあげている大涌谷で水蒸気爆発が起こるケースを示しています。このほかに、湯ノ花沢(芦之湯)や早雲山などで水蒸気爆発が起こる可能性があります。
降灰(数値は厚さ) |
水蒸気爆発が起こったときに降り積もる火山灰の厚さを示しました。ここで示した線は、風下側の時の最大の厚さを合わせたものです。一度の噴火で全範囲に灰が降り積もるわけではなく、風下側に多く積もります。
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水蒸気爆発に伴う現象:降灰 |
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火砕サージ |
水蒸気爆発に伴って火砕サージが発生した時に火砕サージが到達すると予想される範囲を示しました。 |
水蒸気爆発に伴う現象:火砕サージ |
噴石 |
水蒸気爆発が起こったときに噴石が飛んでくることが予想される範囲を示しました。
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水蒸気爆発に伴う現象:噴石 |
熱泥流 |
火口から熱い水が噴き出し、泥流となって渓流を流れ下る可能性があります。
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水蒸気爆発に伴う現象:熱泥流、二次泥流 |
二次泥流(土石流) |
上流に火山灰などの土砂がたまっている渓流では、二次泥流のおそれがあります。
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水蒸気爆発に伴う現象
災害要因
| 被害の様子 |
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噴石 |
直径数cmから数十cmの礫が落下します。噴石の届く距離は爆発の大きさや飛び出す向きによって変わり、一方向に偏って噴石が飛ぶこともあります。噴石の破壊力は強力で、小さい石でも当たり所が悪いと生命に危険があります。また、コンクリートの建物でも天井に穴が空くことがあります。
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降灰 |
風下に細かい火山灰が堆積します。火山灰で命を落とす危険性は小さいですが、呼吸器や眼などに影響を与えます。また、交通への影響は大きく、スリップや視界不良など車の走行は危険な状態となります。農作物への影響も懸念されます。さらに、火山灰が積もった地域では、土石流や泥流が起こりやすくなります。
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火砕サージ |
火砕サージは、火山灰や空気が混ざった熱い流れで、時速60km、あるいはそれ以上の速度で直進します。火砕サージが高温であれば、巻き込まれたときに生命の危険が生じます。また、火災などの恐れがあります。火砕サージが発生してから逃げるのでは間に合いません。
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熱泥流・二次泥流(土石流) |
熱泥流は火山体の水(温泉)や雨水が土砂と混ざりあって谷を流れ下るもので、流下地域は土砂に埋まり、橋などの構造物を破壊することもあります。二次泥流(土石流)は、山腹斜面に火山灰が堆積したあと、雨によって発生します。また、流れに巨礫や樹木が巻き込まれ、大きな破壊力をもった流れとなることがあります。
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斜面崩壊 |
火山活動の活発化に伴う山体膨張、地震、小規模な爆発によって斜面が崩れることがあります。
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