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どんぶらこと沖に流され九死に一生

2016年07月18日 | 日記

あれは小学校の夏休み。

家族旅行で海水浴場に行った時でした。

太陽が肌を照りつけ、波は穏やかで海水浴日和。


いつもは浮輪を片手に、ちょっとだけ岸から離れて冒険したつもりになっていたのですが、この日はなぜか持っていませんでした。


足が砂につかなくなる辺りは若干水温が冷たくなり、そこを限界点としたのですが事件は起きました。

 

そう、足のふくらはぎが攣ったのです。

 

右足だったと覚えていますが、痛さよりも泳げなくなったことで沈み始めたのが恐怖でした。

 

そんな時は焦らず足指を逆に曲げれば大丈夫だと思い出して、必死に治しました。

 

水は思ったほど飲み込んでおらず、人間焦らないと意外と平気なんだと知りました。

 

でも更なる試練が待ち受けていました。

 

潮が引きだして子供の私では岸に戻れず、どんどん岸が遠ざかって小さくなってしまいました。

海水 沖 に対する画像結果

オラ、ここで魚の餌になるんだなって直感しました。

 

その時、体力は限界で泳ぐことを止めました。

天井を見上げながら、ぼぉーと降り注ぐ太陽をひとり睨んでいました。

 

これが私の一生なんだ・・。


どんな魚に食べられるのかな・・・。

サメだけはマジ勘弁・・。

 

あれだけ魚釣って、いじめちゃったから自業自得かなって・・。

 

どのくらい漂っていたか知りませんが体は浮いており、中々沈みそうにないことは確か。

 

気付いたことは、自分は岸方向から左側に流されていること。

 

あれ?

 

もしかして、斜め左に泳げは岸に近づけるかも・・・。

 

そのまま頭を進行方向に向け、時々確認しながら泳いだら岩場まで辿り着けました。

浜辺までは随分ありましたが、戻れて安堵感から半泣き状態でした。

 

浜辺に戻った時、そこには私を抜きに親が楽しそうに海の家でかき氷を食べていました。


そして最初の温かい一言。

「あれ、沖で泳いでいたんじゃないの?」、「どこまで行くかなって笑ってたよ」って・・。



あんたら、しっかり見てたんかよ・・。

その後で食べた、かき氷は何味だったか忘れましたが、涙で塩辛く、人間自分だけが頼りだなって感じた瞬間でした。  


これが悪い意味でも、良い意味でも生死を感じたおそらく最初の出来事であり、緊迫した状況の中でも冷静でいられる原点だったのかもしれません。

 

夏の日の、決して振り返りたくない思い出の1ページでした。



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