喫煙者は不採用。
喫煙者にとっては差別という言葉が聞こえてきそうです。
これは、歴史のある旅館業を営む企業の採用基準の一つです。
みなさんは、このことに対してどう考えますか?
世の中では、賛否 両論とのことです。
私はどうなのかといいますと、その考え方に賛同ということです。
理由は後で述べることとして、この会社のホームページに記載されていることについて、少し確認してみましょう。
はじめに、2014年を迎えた段階でこの会社は100年目を迎えました。
そして自分たちの理想像をこう唱えています。
「その行方は定かではございませんが、『100年後に旅産業は世界で最も大切な平和維持産業になっている』と私は大胆予測をしています。世界の動きに大きな影響を与えている民意、その民意に少なからず影響を与えるのが旅であるという仮説。国内各地を訪れることで自らの国を深く理解することができる、外国に行くことで他国の文化や豊かさを感じることができる。そして旅をすることでその場所に住んでいる人たちと触れ合い、友人になることができる。
『世界の人たちを友人として結んでいく』、それは他の産業にはできない、旅の魔法なのです。」
利益も大事ですが、企業としてのスタンスを明確化しています。
それをまた、次の100年に繋げていくこと。
これによって、人と人が国境を超えて理解を深め合うことに貢献することで、国と国が平和を維持する力になっていく。
大袈裟とも言えることですが、彼らの次の仕事にはそういう役割が託されていると考えているようです。
その確かな考え方が「夢は大きく、運営は地道に」という言葉なのでしょうか。
この会社の沿革の詳細はホームページで確認していただくこととして、簡単にお伝えしますと、発祥の地は軽井沢に隣接する佐久ということです。
そこで初代経営者が「生糸業」を営んでいました。
別荘地として発展し始めた軽井沢で「温泉」に目をつけ、明治37年に星野温泉の掘削を開始。
大正3年に星野温泉旅館を開業したのが、星野リゾートの始まりとのことです。
温泉掘削、水力発電所設置等により、旅館機能が充実しました。
これにより多くの文化人が訪れるようになり、大正10年から始まった「芸術自由教育講習会」を通して、内村鑑三、与謝野晶子、島崎藤村、北原白秋などが集って、当時の文化を牽引する場となったとのことです。
旅館業の視点を考える出来事は、この後に訪れます。
野鳥を食べることから、見て楽しむ時代になるという一言。
これは星野温泉に中西悟堂が滞在した際に、2代目経営者に話したことでだそうです。
これを受けて一緒に保護活動をした結果、「国設 軽井沢野鳥の森」に指定されます。
こういう歴史を歩んで、お客様と一緒に発展してきた企業とも言えます。
人と人との繋がりに対する考え方は、星野リゾートの前身、生糸業のことについてプライドを継承しているようにも思えます。
どんなに時代が変化しても、俺らは人に感動を与える、ひとりの「職人」なんだということです。
この職人という意味が私の伝えたかったことなのです。
先代からの意思を継承することができる、そうした社員を求めているだけのことなのです。
企業とともに成長し、自分も歩むのか?
それとも企業を利用して、自分が歩むのか?
現在の多くの企業手では、後者が当てはまります。
よって、企業もそういうスタンスになります。
日本の文化でなく、欧米の文化が企業に反映した結果ともいえます。
企業が職人気質を大事にしているのに、“タバコ”にこだわるようでは不採用といえます。
喫煙者の多くは被害者意識を感じますが、加害者意識は無いと思っているようです。
旅館業を営んでいる人の指や手、身体からタバコの臭いが漂ってたら、一生に一度の旅行、一期一会の旅に水を差すことになるという大きな問題に気づいているのでしょうか。
プロとして接客している人は、「技」の前に他人を思いやることができなければ、何十年経過しても良い発想が生まれないのです。
つまらないことですが、喫煙禁止の企業は他にも存在します。
自分の職業意識ではなく、その企業の職業意識を理解できなければダメということです。
野鳥保護のために頑張ったことが今日の成功を生んだのです。
つまりは自然に助けられたのです。
自然を愛することが出来ない者は会社も愛することはできない。
1本のタバコが自然与える影響も含めてです。
星野リゾートという企業に入社するのであれば、学歴よりもプロとしての気質を求められ、作られた笑顔よりも、お客様を大事にする真心が必要なのでしょう。
「星の下で輝く」のはあくまでもお客様であり、その輝きによって会社も自分も輝くことが出来るのかもしれませんね。
お客様がなぜ「輝く」のかを理解できなければなりませんが・・。
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