朝から、ゆっくりした時間を過ごし、孫家族の到着を待っていた。
エスカレーターの奥さんが(ずっと専業主婦なのだが、この年代でもフランスでは珍しい)、いつも家でしているという刺繍を見せてくれた。
このスカーフも奥さんが染めたそうだ↓
彼女は、編み物や洋裁も得意で、娘と息子の奥さんのウエディングドレスを作り、それを知っている孫娘も2019年に子供ができた後に結婚式をするということで、「私にも作ってくれるわよね」となったのだという。80代の彼女にとって、それは簡単ではなかったが、洋裁の友人が手伝ってくれたり、生地はパリ郊外に住む息子が一緒にモンマルトルに近くに安くていい生地屋さんがあると、同行してくれ、素敵なドレスが作られた。
ひ孫たちには、誕生前にいつも毛糸やレースで何か編んでプレゼントしている。
本当にいつも思うが、専業主婦の鑑のような人だ。
その彼女が、今回の滞在で、何度言っただろう。「あなたは、幸せを連れてきた」と。
たぶん、フランスでは子供たちとは同居をしないので、年を取ると余計、老夫婦の単調な生活なのだろう。
もちろんそんな中で、毎週2人でダンスや奥さんはプールにも行く。誕生日や何かお祝いには、コロナ前までは、近くの娘夫婦や、こうして孫家族にも会う時間があっても、やはり、誰かが訪問するというのは特別嬉しいことに違いない。しかも遠い日本からやってきた友人でもある。
それが、今回は一緒に大好きなダンスを共有できたという格別なものがあるのだろう。
そんなことを考えていると、孫家族がやってきた。
お姉ちゃんのララは幼稚園、妹のエバは2歳前くらいで、かわいい盛りだ。
一緒にかくれんぼをしようと、ララとはよく遊び、エバははじめは見たことのない人を警戒しているかのようでもあったが、まあ人見知りということだろう。時間が経つにつれて少しずつそばにくるようになった。
そして、一緒にお昼を食べて、先に帰る彼らを見送り、私は、列車の時間もあってドキドキだったが、元国鉄マンのエスカレーターは、「私がついているから大丈夫(でもチケット予約ではひやひやのミス)」と悠々として、車を出して、ディジョン駅の駐車場にとめて、ホームまで来てくれた。
名残惜しい見送りだった。
ディジョン13時26分発、パリには15時3分着