さて、次の日、今日はPCRテストの日である。一駅離れた駅のそばにあるラボで受けるのだが、ほぼ直線で2kmくらいなので、歩いていくことにした。
今日も寒く少し雨混じりである。
ドキドキしながら受付を済ませ、順番を待っているとほどなくして名前を呼ばれた。
女性の先生だった。
明後日のフライトで帰国のため、明日中に結果が知りたい旨も伝えた。
「たぶん(間に合う)ね」といういかにもフランス的な答えだった。
時間の予約をしたとき何も考えていなかったのだが、ギリギリ午前中にしておいたため、翌日に結果がわかることになった。もしこれが午後の検査だったら、翌日の午後、つまりラボは翌日午後は休業で、結果はスマホで見ることができても、陰性証明をもらうことはできなかった。
まだ、運に見放されていないと思えた。
ラボから戻ってきて、まず荷物をかたづけて、ホテルに移動する準備をした。そしてマリーアンジュに言われた通り、窓をすべて開けておいた。
サンジェルマンアンレーでの一泊の前後で、計5泊をここで過ごした。
大きな荷物は、その前半は図書館宅、後半はイザベル宅に置かせてもらっていたので、手鞄二つと小さなキャリーを持って移動する。
この間スーツケースから少しは入れ替えをしたが、薬にしても他のものにしても十分な管理ができず、「あれがあれば・・・」と思うことが少なからずあった。
チェックインした小さなホテルの部屋は最上階、つまり屋根裏部屋のような小さな部屋だった。
設備は新しく清潔で悪くはなかったが、ここでの2日間は、体調より、気持ちが落ち込んでいたこともあり、今思い返しても、みじめさを感じる2日間だった。