前夜お腹が苦しいまま、床に就き、一時は朝起きても体調が悪かったら、臥せっていることになるかもしれないと思ったが、朝起きたら薬も効いたのか、すっかり回復していた。
起きてみると、エンマはすでに幼稚園に行っていなかった。
今日は、ヴィルジニが船に乗せてくれるらしい。
短い距離とは言え、地中海で船に乗るのは初めてのことだ。
ミッシェルさんの車で、 pointe rouge (ルージュ港)というところまで送ってもらい、そこからマルセイユの旧港へと向かう。
着いたらまだ誰もいず、もしかしたら私達だけ?と思ったが、出発時間が近くなるとどこからともなく人々がやってきて、そこそこの人数になった。
自分の船を操縦するミッシェルさん曰く、「船に乗れるかどうかは、あらかじめ決められない。海の状態(つまり天候によるところが大きい)が決めることだよ」
そんな話を思い出しながら、晴天ではなかったが、穏やかな海だったので、まずまず安心。
二年前に行った「ノートルダムドガルド」がそびえているのが見えてきた。
ご主人のミッシェルさんが、この教会がマルセイユの港を守ってくれているんだよと言ったのを思い出す。やはり多くのフランス人の心の底はクリスチャンなのだ。
また少し行くと今度はアレクサンドル・デュマ・ペールの小説「モンテ・クリスト伯」の「巌窟王」で有名なイフ島にも近づく。もともと港を守る要塞だが、実際牢獄にも使われた歴史があるそうな。
一時間弱(もっと短かったか?)の航海は中々の景観で、海からマルセイユを眺められ大変いい経験ができた。
旧港に着くと、数日前オリンピックの聖火が到着した祭典の残り香の様な気配を感じることができた。そのまま散策を続ける。
市役所の前に行くと守衛さんがどうぞ中を見ていいよと言ってくれた。玄関を入って内部の古い造作を眺めることが出来た。
日本の市役所と違ってフランスの市役所は威厳があって、気軽には入りにくい雰囲気がある。
そのあと本当は美術館を見るはずだったらしい。近代的な建物である。
しかし、なんと休館日だった。こういうことは、フランス人にはよくあるし、私たちは特に美術に造詣が深いわけでもないので、まったく問題はなかった。むしろ代わりに?見た大聖堂のほうが印象に残った。新しい物より、やはり古い建物が好きなのだ。
ここでも聖火到着後イベントがあったようだ↓
そろそろお腹もすいてきた。
ヴィルジニが勤めている場所に近い「LES DOCKS」という建物が複合施設になっており、そこでランチすることになった。