ここから一時間以上はかかる。それでも快く送り届けてくれるヴィルジニとミッシェルには感謝しかない。
しかも送り届けた後、彼らはまたマルセイユへと帰らなければならない。
今回の旅行を通して、この夫妻ほど私たちの希望通りに動いてくれた友人はいない。
申し訳ないくらいだった。
一緒にいても気が楽で、その時間がすぎるのがとても早く感じられるほどだった。
本来なら3泊する予定のところを、プロヴァンスの友人たちの日程の都合上2泊に切り上げた私たちなのに、アヴィニョンまで送迎を申し出てくれたのである。
そのアヴィニョンで待ってくれていたのは、やはりアヴィニョン演劇祭でお世話になったイザベルとジル夫妻のところで、この夫妻も本当にいい人で、ヴィルジニ夫妻も一緒に、アペリティフをと誘ってくれていたが、彼らは「帰らないといけないので」と遠慮した。
エンマも待っていることなので、仕方がない。
しかし、家の下まで降り迎えにきたジルは、挨拶のキスを、初対面のヴィルジニにはしたが、ミッシェルにはしなかった。「コロナだし、男性は遠慮しておくよ」とのことだったが、なんとなくミッシェルが気を悪くしたのではないかと気になる出来事だった。
ミッシェルもジルもともにすごくいい人たちなのだが、フランス人同士を引き合わせるとき、いつも気を遣う。
実は、ヴィルジニは滞在中、Lille近郊(Douai)に住むお母さんの体調が思わしくないと言っていた。私たちの滞在の2日後にはLilleへ向かうエアチケットも予約済みだった。
本来ならもっと早く行きたかっただろう。しかし私たちの滞在のために延期するしかなかったのだ。毎日のように彼女のお母さんやブラジルに住んでいる弟さんからも電話があり、何度か携帯越しにその声が聞こえた。それはとても元気そうに感じたのだが、パリに戻った後、お母さんの訃報を聞くことになるとは、この時は思いもしなかった。それだけに本当に申し訳なかったが、ヴィルジニ夫妻のおもてなしはありがたいものだった。
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