
だいぶ前のはなしだけど
友達の飼っている猫を預かった。
飼い主のご主人が、手術のため、しばらく面倒をみることになったのだ。
そのころ、我が家にはしばらく猫がいなかったので、ちょっとわくわくした。
名前は、「華ちゃん」
白い立派なしっぽと、豊かな白い毛並。
捨て猫だったんだって!! 信じられない…。
拾った子ネコの頃は、汚れてみすぼらしかったらしい。
大きくなったら、みにくいあひるの子が白鳥になるように、美しくなった。
すごい拾いものをしたものだ。
一か月、我が家にいた。
私はどんな猫も手なずける自信があった。
……が、見事に打ち砕かれた。
1か月間、人が近づくと、ずっと戸棚の後ろや、テーブルの下、本箱の棚の奥に隠れていた。
誰も いない時に食べているんだろう。エサはちゃんとなくなってる。
手を伸ばすと、威嚇して、「ウー」 「フーッ」としか言わない。
この猫、鳴かないのかな…??
途中、一度、ご主人が心配して病院から面会に来た。
…そしたら、甘えて「ニャーン」と鳴いたではないか!! ニャーン!?なんだ、鳴けるんじゃない!!
よほどキンチョーしていたんだな。 かわいそうだったな…。
結局、一か月、なつくこともなく、
愛する、ご主人様の元に帰って行った。
今は、元気だろうか…。