僕(ぼく)は変(へん)なおじさんから声(こえ)をかけられた。その人は僕のことをよく知(し)っているみたいなのだが、僕はまったく見覚(みおぼ)えがない。そのおじさんは僕に言った。
「なぁ、ちゃんと勉強(べんきょう)しろよ。そうじゃないと、困(こま)ったことになるんだよ。それと、同(おな)じクラスに相崎(あいさき)かなえってヤツがいるだろ。あいつとは絶対(ぜったい)に付(つ)き合うな。告白(こくはく)されてもホイホイついて行くんじゃないぞ。約束(やくそく)しろ!」
このおじさん…なに言ってるんだろ? 確(たし)かに、相崎かなえはクラスメイトにいるけど、僕に告白なんかするわけがない。美人(びじん)で僕のことなんか相手(あいて)にするわけが…。僕は、
「あの…。なんでそんなこと言うんですか? おじさんには関係(かんけい)ないじゃ――」
「あるだよ」おじさんは間髪入(かんぱつい)れず答(こた)えた。「まぁ、詳(くわ)しくは言えねえけど…。いいか、これだけは言っておく。あの女には絶対に近(ちか)づくな。地獄(じごく)を見たくなかったらな」
「地獄って…、どういうことですか?」
「だから、詳しくは言えねえんだよ。それと、今度(こんど)の期末試験(きまつしけん)、絶対に赤点(あかてん)なんかとるんじゃねぇぞ。お前(まえ)の将来(しょうらい)がかかってるんだ。死(し)にもの狂(ぐる)いで勉強しろ」
「僕は…勉強は好(す)きじゃないから。それに、赤点はいつものことだし…」
「分かってるよ、そんなことは。でもな、そんなことやってたから、こんな人間(にんげん)になっちまったんだよ。いいか、好き嫌(きら)いの問題(もんだい)じゃないんだ。人生(じんせい)かかってるんだぞ!」
<つぶやき>これは未来(みらい)から来た自分(じぶん)なのかなぁ。相崎かなえと何があったんでしょう。
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