7月にはいり台風4号が日本列島に被害をもたらしましたが、今年も台風の季節が到来しました。
台風や地震などは地球の進化のためとシルバーバーチが述べていますが、やはり被害が少ないことを願ってしまいます。
私にはありがたいことに雨風をしのぐ家があり、今まで台風での大きな被害を経験しておりませんが、こんなとき雀や野生動物はどこで過ごしているのだろうか?と思います。
以前、嵐のとき雀たちは人家やビルの隙間、橋の下など雨や風を遮れる場所に避難して、風や雨が弱まるのをじっと耐えているのだと聞いたことがあります。
自分が「ここだ!」思った場所にしがみついて耐え忍ぶのだそうですが、嵐の去ったあとには沢山の雀が命を落とすそうです。
野生の雀の寿命は2~3年と聞いたことがありますが、なんとも切ないと思うとともに大自然の中で生きていくことの厳しさを感じます。
そして雀たちが嵐の夜に自分の信じたものにしがみつく姿を想像しながら、人生の困難や苦難のことが思い浮かびました。
さて誰しも困難や苦難、試練や理不尽と思う出来事に遭遇していると思いますが、なぜ困難や苦難が人生にあるか?どうして自分だけがこんな目に合うのか?なんでこんな環境に生まれてきたのか?と思ったことが一度や二度はあると思います。(*1)
私自身も他者に誤解され事実と違うことを言われ傷心したことがあり、自分ではどうにもならない自分の力を超える何かがあることを感じましたし、息子は生まれてすぐに感染症でNICUに入ってしまいましたが、ただ見ているだけで何もできない自分の無力さを強く感じました。
その後、息子は一般病棟に戻り新生児生活を送りましたが、2-3歳の時には逆さまつげで角膜が傷ついていて視力が低下していることが判り手術&通院生活と長期にわたる矯正生活(アイパッチで)、小学生低学年の時にはジャングルジムから落ちて腹部を強打し腹水がたまり入院生活、高学年の時には木から落ちて骨折などなど…病院には頻繁にお世話になったり、対人関係では息子にいじめられていると脅迫文が届いたり…何でこんな目にあうのだろうか?育て方を間違えたのだろうか?とよく考えたものでした。
そこでシルバーバーチが教えてくれる困難・苦難の箇所を抜粋し、なぜ困難や苦難があるのか、その意義について考えてみたいと思います。(*2)
「苦しみにはそれ相当の目的があります。
苦しみは無くてはならない大切なものなのです。
なぜなら、それを通して魂の目が開かされ、隠れた力を呼び覚まされ、その結果として霊的に、時には身体的に、いっそう強力になってまいります。
そうなるべきものなのです。
多くの人にとって苦しみは、全人生を全く別の視点から見つめさせるべき大きな触媒となっています」 シルバーバーチの霊8 P138
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「痛み、病気、面倒、危機、こうしたものがなぜあるのか、そういう疑問を抱かれるようですが、それもすべて霊の進化という永遠の物語の一部なのです。
その中には地上に誕生してくる前に自ら覚悟しているものもあるのです。
霊的な身支度を整える上で学ぶべき教訓を提供してくれる、ありとあらゆる体験を経ないことには生長は望めません。
とどのつまりは、それが存在の目的なのです」 シルバーバーチの霊8 P145
このシルバーバーチの言葉を初めて読んだときは、とても衝撃を受けました。
多くの人がそうだと思いますが、私はできることなら苦しみや悲しみ、困難や苦難は無いに越したことはないと思っていたからです。
日々楽しいことだけあれば良いと考え、それが幸せである思っていたのですから、痛みや病気、面倒や危機は霊の進化の一部であり、地上に誕生してくる前に覚悟している!!とはもうびっくり仰天です。
さまざまな体験を覚悟していたのか…と、なんとも不思議な、でも奥深いのが地上生活だと感じました。
そして息子は沢山の試練を覚悟して地上人生を歩んでいることを思うと、これから遭遇する困難や苦難には魂の目覚めになるように最大限、力になってあげたいと思っています。
と同時に、息子を通して自分自身も悩み、苦しみ、葛藤するという機会を得ていたことに思いが至り、人生を別の視点から見る触媒であるというシルバーバーチの言葉も心から納得できます。
私自身も親となって子どもから学ぶ機会をえられるように覚悟してきたということなのだと思いました。
となると、私は今まで遭遇した困難や苦難を学びと出来ていなかったということですが、なんと!!数十年という時間を無駄に過ごしてしまったことをとても残念に思ってしまいます。
でもそれも、そうした過程が私には必要であったということなのだと思います。
そしてシルバーバーチの困難苦難や試練の意味や教えを知ることで、これからの人生において「これだ!!」としがみつける真理を知ることが出来たのはとても幸せなことだと感じています。
雀が嵐の日に自分の信じたものにしがみつく不確かなものとは違うからです。
もし知らなければ、以前と同じく苦しみや悲しみや試練から逃れようと必死にもがき、もたらされた出来事に不平不満をもらし、きっと逃れるための道を探して、せっかくの教訓を学ぶ機会を逃し続け霊的な身支度を整えることが出来なかったと思います。
存在の目的を果たすことができずに、きっと死後の世界で後悔をしていたはずです。
またシルバーバーチが言うように、苦しみや悲しみ、試練があってこそ人間は霊の進化が為されるというのは、本当にその通りだなのだと思います。
先に書いたように息子は出生まもなく感染症でNICUに入院しましたが、このまま回復できなかったら…と自分の妊娠中の行動を振り返り反省したり、なんとか快方に向かうように願ったり、自分が想像していなかった事態に心が塞いだり不安定になりました。
が、回復して一般病棟で抱きしめることが出来た時には生まれてきてくれたことへの感謝がこみ上げてきて、自分の命より愛おしい存在を今後どんなことがあろうとも守っていくと思いました。
辛い出来事や苦しみ、深い悲しみを体験して初めて、幸せや安らぎ、喜びや強い心を得ることが出来ていたのです。
人生は両極の体験つまりはバランスが大切で、そうした中でシルバーバーチがいうように一人一人が自分の永遠進化の物語を綴っているということなのだと思いました。
遭遇した出来事に正面から立ち向かい、自分の力の限りを尽くして耐え忍び、反省し考えを改めて乗り越えていけるならば、それは心の成長につながるのです。
霊的にも身体的にも強く、逞しく、清々しい地上人生を歩むことができるということです。
それは自分の思念や行為が未来の自分を創っているということでもあります。
遭遇する苦難や困難の体験にどう向き合うかによって自分の未来が決定されるのですから、自分が握っている自分の未来の姿が輝くものになるように頑張ろうと思えます。
これから先にも起こるであろう、たくさんの苦難や困難の体験を不平不満をもらさず、心の成長のためのチャンスととらえて大きな魂となって身支度を整えていきたいと思います。
降りかかる辛い体験を変えていけるのは自分自身だけです。
嵐の夜に雀たちが耐え忍ぶ姿を心に描いて……、確かな真理を得ていることに感謝したいと思います。
(*2)「シルバーバーチの霊訓」シリーズは、現在スピリチュアリズム普及会で復刻・出版されています。
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