愛媛 重要文化的景観 遊子水荷浦の段畑

私、棚田がとても好きですが、段々畑も好きです。
愛媛県の海沿い（特に南予地方）の斜面にはミカンの段々畑が連なっていますが、宇和島の遊子水荷浦（ゆすみずがうら）には珍しいジャガイモだけの段々畑があります。
「遊子水荷浦の段畑」として国の重要文化的景観に指定されていて、天まで届く段々畑は見事な景観です。

先日、宇和島の病院へ行った帰り、天気がよく、時間もあったので、ちょっと行ってきました。
宇和島市内から車で約40分、リアス式海岸なので急カーブは多いけど、道はきれいで、美しい宇和海の眺めも楽しめますよ。


見事な段々畑と美しい宇和海



遊子水荷浦の段々畑は、江戸時代の終わり頃から作り始めたようで、明治10年の記録では8,900枚あったそうです。
最初はサツマイモを作っていましたが、昭和30年代のサツマイモ大暴落後、安定したジャガイモへシフトして成功したそうです。
後継者不足などでだんだん休耕地が増えていく中、平成12年に「段畑を守ろう会」が発足され、オーナー制度も始まって、今の姿が守られてきました。


昭和30年代の遊子水荷浦の段々畑（公式サイトよりお借りしました。）
見渡す限り、段々畑ですね。
この状態が残っていたら、世界遺産級だったと思います(^^)


段々畑の麓には広い駐車場があり、小さな売店と食堂「だんだん茶屋」があります。
だんだん茶屋は土日祝だけの営業なので、私が行った時は、閉まっていて残念でした。


だんだん茶屋の横に「登り口」と矢印が出ているので分かりやすいです。
観光客が歩ける部分は決まっているので助かりますね。


山の中腹に広めの道が作られています。


見事な石垣ですね。
自然のままのいろんな大きさ、形の石をバランスよく積んでいくのは、熟練の感と技だと思います。


段々畑の端まで歩いて、振り返って撮りました。
同じ高さに段が作られていて美しいですね。


右へ目を移すと、きれいな宇和海が望めます。
遊子水荷浦は漁業も盛んなので、船や養殖のいかだも多く見られます。


あちこちにかけられているハシゴ。
これで上の段に上がるんですね。
風の強い日とか、ちょっとめまいでもしたら危ないですよ、これは！
高齢者は特に心配ですので、「段畑を守ろう会」ができてホントよかったです。


収穫したジャガイモはモノレールで運ぶんですね。


この缶はたぶん太陽の光を反射させて、鳥を寄せつけないようにしてるんだと思います。


近くの遊子小学校の子供たちが授業で植える畑なんでしょう。
楽しそうですね。


11月がジャガイモの植え付けなので、ちょうど植える前のようです。
土がサラサラできれいですね。


ジャガイモ収穫前の、緑の段々畑はさぞ美しいでしょうね。
ということで、公式サイトより緑の段々畑の写真　↓　をお借りしました。


見事にジャガイモだらけ（写真は公式サイトよりお借りしました。）
緑の段々畑はやっぱりきれいですね。
毎年4月に初堀バレイショの即売会をメインにした収穫祭「ふる里だんだん祭り」が行われるので、3月末に訪れたら、こんな景色が見られるでしょうか。


ミカンと段々畑。
ここのミカンはまだ青いですね。


ミカンと宇和海。
これぞ愛媛という風景です。（黄色いミカンだったらベストでした ^^;）


先ほどの広い段々畑からカーブを曲がると、もうひとつ段々畑がありました。
こちらはまだジャガイモが少し残っていてヨカッタです。

段々畑で太陽をいっぱい浴びたジャガイモは、とてもおいしくて人気がありますが、今はブランド化されているので、ちょっとお高めです(^^;
でもこの過酷な環境でジャガイモを作り続けてくれている農家さんや「段畑を守ろう会」の皆さんの苦労を考えると、少々高めでも納得ですね。
ふる里だんだん祭りの時にも来たことがありますが、皆さん、応援の意味も込めてか、箱買いされてましたよ。


こんな細長い畑がありました。
これ一番細いんじゃないでしょうか。
ジャガイモは一列しか植えられませんね。


光の具合で、段々畑に陰ができて模様のようにきれいでした。
同じ高さ、同じ幅で開墾されているのが感動です。


トンビが低く旋回していました。
小さい頃、トンビに髪をひっぱられたことがあるので（笑）、近づいてくると恐怖を感じます(^^;
石垣にへばりついて、去るのを待ちました。


駐車場の端にトイレがありますが、誰もいない時は入りたくないな～という雰囲気でした(^^;


遊子水荷浦の段々畑を出発し、少し走ったところで振り返って全体を撮りました。
真ん中の段々畑が一番規模の大きいところで、その麓に駐車場とトイレがあります。
左側の小さめの段々畑が、収穫前のジャガイモ畑が残っていたところです。

今度はぜひ、ジャガイモ収穫前の緑の段々畑を見に来たいと思います。