南英世の 「くろねこ日記」

歴史主義の貧困

昔、書名にひかれてポパーの『歴史主義の貧困』を買った。奥付には昭和36年(1961年)初版発行とある。長らく「積んどく」のままで、この本がどんな内容か知らなかったが、このほどある本を読んでいたら内容のダイジェストが書いてあった。

簡単に言えば、「マルクスの言う歴史主義は現実のデータから導かれたものではない。だから科学的とは言えない。一つの思想であり世界観に過ぎない」ということである。

私が学生のころ講義では「資本家による労働者の搾取と、それによる労働者の窮乏化は、生産手段の私的所有から生み出されるものである。したがって、私的所有に基づく資本主義は、その基本矛盾によって必然的に崩壊する」と習った。

ポパーは、こうしたマルクスの考え方(=歴史主義)を科学的ではないとして批判したのである。

なーんだ、そういうことだったのか。

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