出版されてもう12年になる。当時は衝撃的だった。授業とは何かを考えさせられた。
改めて読み返してみた。とんでもない力量がないとああいう授業はできない。ベンサム、ミル、リバタリアニズム、カントがわかりやすかった。ストーンと腹落ちした。とくにカントは功利主義を認めなかったという言葉が印象に残った。いわれてみれば当たり前のことなんだけど。カントって大陸合理論とイギリス経験論を統合したということばかりが強調され、これまで功利主義とカントという視点ではあまり考えたことがなかった。
この本を読んで、考えるということはどういうことかを改めて教えてもらった気がする。共通テストで考えさせる出題をするといっているが、まやかしだね。本当に考えさせるって、答えがない問題を考えさせることである。